「在るべき形」 ななほ

2月11日 

 

 第3弾、音楽合宿が始まりました。

 3連休の合宿では、全員で踊る曲の振りを統一する、新曲の『キュア・フォー・ミー』と『アップ・タウン・ファンク』を形にする、『レインボー』の復習が主な目標です。

 1日目の今日は主に、あゆちゃんが『バード・セット・フリー』と『マディ・ウォーター』のダンスを分解して、1つひとつの振りを在るべき形に統一してくれました。
 毎晩、さやねちゃんチームでダンスのバディ練習をしているのですが、いつも、さやねちゃんが「あるべき形はたった1つ。それをみんなで揃えていく」と声をかけてくれます。
 『バード・セット・フリー』はサビの部分を中心に分解しながらダンス練習をしたのですが、この曲の一番大切な振りである、剣を振る振りでは、あゆちゃんが「妖精さんが持っているような剣ではなくて、もっと長くて重たい、日本刀のように鋭くとがった刀を持つんだよ」と話してくれました。
 実際に自分が重たい刀を持って、思いっきり空気を切ると、目の前にパッと砂漠のような砂ぼこりの立つ世界が広がり、そこにたった1つ、私たちの敵が今にも襲い掛かろうとしているような景色が目に広がるように感じました。
 じっと緊張感を持って、1秒たりとも隙を作ってはいけないような鋭く、真剣な空気。神経をとがらせて、思いっきり刀を振ると、自然と、どこに力を入れて、どんな形が美しいのかが分かるような感じがしました。

 「もっと重たそうに刀を振って。刀は刃の部分と背の部分があるから、刃の部分の中心より少し自分側の、一番鋭く切れる所で、目の前の敵を切るんだよ」。あゆちゃんがそう話してくれました。

 以前、お父さんが集合で話して下さったように、私たちは依存との闘い、生きる闘いを表現し、お客さんにその戦いで見える希望のある景色、「これが答えです。本当の意味で優しく生きていくための、答えです」と堂々と言えるような、そんな気持ちを持って踊りたいと思いました。

 私1人では戦いに勇気が持てないかもしれないけれど、周りにはたくさんの仲間がいます。みんなの存在に、初めて勇気がお互いに生まれて、戦うことができて、保証のない人生を明るい未来を見て、理想に向かって生きていけるんだと思いました。あゆちゃんが教えてくれるイメージや、みんなで足音も揃えながら、刀を振り、翼を広げて踊る時間がとても嬉しかったです。

 

 また、午後からは『マディ・ウォーター』も振りを統一することができました。
 電子レンジの分子がブルブルと震えるような感じ、磁石に砂鉄が引き寄せられるような感じ、もっと力強く、見ている人に恐怖すら感じさせるような感じ。

 あゆちゃんが話してくれるイメージに、どんどん見ている世界が広がっていくのを感じました。

 そのイメージがあると表情も作りやすく感じたし、真顔とか、仏様のような笑顔ではなく、もっとキリっと、目力を持って、少し上からかもしれないけれど、「私たちの世界で、あなたは生きられますか?」「私たちはあなたを生かすことも、殺すこともできます」というような強い気持ちを感じて、もっともっと、この曲で何を伝えたいか、何を表現したいかを考えながら、なのはなのスプリングコンサート、オープニングに相応しいような表現をします。

 お父さんが「気持ちが固い人は振りも固くなってしまうんだよ」と話していたように、日々の生活からも、固い所もあれば、柔らかい所、厳しさ、優しさ、温かさ、憤り、しなやかさ、機敏さ、色々な表情や情緒を持って物事を見たり、生活して、自分の中に色々な気持ちや世界を広げていきます。