
2月3日のなのはな
今週からスタートした糀作りも、あっという間に最終日です。昨日は、夜の11時から3番手入れを行いました。これくらいの時期から、糀たちは、かなり活発に繁殖し、40度を超えてしまうこともあります。最終日の朝に39度台におさまるよう、念入りに撹拌し、放熱していきました。
この時点では、頂いたお米で作っている糀、「コージー君」が、かなり繁殖しており、元気いっぱいといった感じでした。一方、ミルキークイーンで作っている、「なまコちゃん」は、穏やか。でも確実に糀は繁殖している様子です。
今回も、一番手入れの時と同様、スプリングコンサートの曲をかけながら、みんなと手入れを進めました。
「コージー君は、元気いっぱいだから、曲に例えると、『アップ・タウン・ファンク』みたいだね。なまコちゃんは、穏やかだけど、手間があんまりいらないし、自立してるイメージ。『エイント・ユア・ママ』みたいだ」
りなちゃんが、糀たちをスプリングコンサートの演奏曲で例えていたのがすごく秀逸で、面白かったです。やっぱり、糀には耳があるようです。
「今夜が一番、糀たちの温度が上がりやすいから、注意して見回りしよう」
手入れを終えた就寝前に、ゆりかちゃんと、ちさとちゃんが教えてくれました。42度を超えてしまうと、糀菌が死滅してしまうので、それだけは絶対に避けたい! ドキドキしながら、夜中の見回り時間に突入です。
私とりなちゃんは、深夜1時と、早朝5時の見回り担当でした。1時の時点では、育苗機内の温度は、33度。過去の先輩方のデータによると、二番手入れ後は、1時間に4度ペースで上がっていくみたいなので、育苗器に毛布は掛けない選択をしました。
早朝5時。温度計を覗いてみると、なんと、コージー君のほうが、40度に。このままではいけない! ちさとちゃんも見に来てくれて、3人で、扇風機を使った冷却作業に取り掛かりました。扇風機は冷却効果があるのですが、かけすぎると糀が乾燥してしまいます。ストップウォッチを使って、扇風機をかける時間が、確実に10分以内に済ませるよう、手早く38度台まで下げていきました。最後の手入れ、仕舞仕事まで、あと1時間。
「これ以上、温度が上がりすぎませんように……!!」
祈るような気持ちで、寝床に戻ります。
ついに、6時。みんなで起床し、ハラハラしながら、家庭科室へ。温度は、なまコちゃんが、38度で、コージー君がなんと41度。コージー君が、やはり活発!! このタイミングで仕舞仕事に取り掛かりました。この時点では、育苗器内の左側にコージー君、右側になまコちゃんが入っていたのですが、温度差が気になるということで、今年は、この仕舞仕事で、育苗機の左右を入れ替えてみることにしました。
仕舞仕事まで手入れをしていると、だんだんと、みんなは、コージー君となまコちゃんの香りの違いも嗅ぎ分けられるようになっていて、糀箱を見ずに香りだけで、「あ、これは、コージーだ!」と判断しているみつきちゃんを見てつい、笑ってしまいました。
仕舞仕事は、今までの撹拌と少し違い、糀箱全体に糀を広げ、川の字を書くように表面を窪ませます。この川の字を「花道」というそうです。これが最後の手入れ。そう思うとちょっぴりさみしくなったのですが、「今までたくさん手入れさせてくれてありがとう!」という気持ちを込めて、コージー君、なまコちゃんそれぞれに「花道」を描き仕舞仕事を終えました。

この先は、夕方の出糀までに、40度に持っていく目標です。気を抜かずにみんなで見回りを進めていきます。
仕舞仕事で温度を落ち着かせて以降、驚くことがありました。午後1時。りなちゃんと見回りに行くと、コージー君が37度で、なまコちゃんはというと、38度。なんと、なまコちゃんの方が温度が高くなっています。正午に見回りをしてくれた、ちさとちゃんとしなこちゃんのメモにも、
「なまコちゃんが温度を抜かしました!」
とメモが書いてありました。さすが、なまコちゃん、大器晩成です! 温度差も解消され、コージー君も、なまコちゃんも、理想の温度で出糀に向かうことができました。
午後4時半。いよいよ、出糀。糀たちを、育苗器から出し、冷却していく作業です。ここからは、室内を10度以下に保ち、糀たちの発酵を止めていきます。糀箱の蒸しタオルを外していくと、コージー君、なまコちゃん共に、初日とは別人のように真っ白に、フワフワになっています。お米を割ってみても、中までしっかり糀が繁殖しており、大成功の糀作りになりました。
明日は、いよいよ、味噌玉作り。大人数で行うので、みんなにも、コージー君となまコちゃんをみてもらえるのがすごく楽しみです!
(せいこ)
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今日は、節分の日。午後に、家族全員分の恵方巻を、8人のメンバーで巻きました。
はじめに河上さんから、恵方巻の巻き方を教わってから、実際に各々、巻いていきました。
私は、恵方巻を巻くのは初めてのことだったので、とても嬉しかったです。
はじめに、巻きすに海苔をのせて、お酢を振りかけて、酢飯を広げていきました。酢飯は、手前は海苔のふちギリギリまで広げ、奥は2センチほど余裕を持たせます。
そして、卵焼き、しいたけ、ほうれん草、桜でんぶ、かんぴょうの順に具材を乗せました。具材を全部乗せると、黄色、緑、ピンク、茶色が、白いご飯に乗っていて、とても華やかで、豊かな気持ちになりました。
最後に、しっかりと指で押さえつけながら、巻きすを使って巻いていきました。
巻きすで巻いていくのは、河上さんがされると、なんでもないように、すっと美しくお寿司が巻かれていくのですが、私がやってみると、とてもぎこちなくなってしまいました。
しっかりと押さえて巻くことと、巻きすを少しずつ返していくこと、また、海苔が割れないように力を入れすぎないことが、難しいなと感じました。
けれど、綺麗にピシッとした恵方巻を巻くことができると、職人になったような、少し誇らしい気持ちになりました。
夕食では、恵方巻と、炒り豆を、美味しく頂けて、嬉しかったです。
夕食後は、みんなで豆まきを行いました。
お父さんが、ずっと昔から行われている豆まきの理由は、
「食料の少ない冬に、野鳥たちに食べさせて、守るためじゃないか」
と教えてくれました。
なのはなでも、中庭に落ちた豆を、小さな野鳥がついばみに来ることがあります。お父さんの思う豆まきの理由が、すごく優しくて、心が温まるなあと思いました。
豆まきは、ダンスのバディチームで、持ち場に分かれて行いました。私は、さやねちゃんたちと、図書室、リビング、食堂の豆まきをしました。
まず、鬼が出ていくように、部屋の窓や戸をしっかりと開きます。そして、部屋の内側から、戸外へ向かって、「鬼はー、外ー!」と2回唱えて、豆を投げました。
今度は反対に、外側から内側へ向かって、「福はー、内ー!」と2回唱え、豆を投げ、福が逃げないように、急いで窓や戸を閉めました。
みんなで大きな声を出して、思い切り豆を撒くと、少しはじけた、嬉しさが広がりました。
明日は立春で、今日は暦上、冬の最後の日でした。まだまだ寒さは厳しいけれど、日中の日差しを浴びると、朗らかな春の気配も感じられます。
恵方巻を頂き、豆まきをして、邪気を払い、福を呼びました。季節の区切り目に、気持ちを清々しくできたことが、嬉しかったです。
(りんね)
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夜は、お楽しみの版画教室でした。
火曜日にギターを教えに来てくださる藤井さんが、木曜日には、木版画の教室を開いてくださいます。
私は、2期生に入れてもらって、今日は、2回目の版画教室でした。
藤井先生が、一人、一人の作品に、じっくりと向き合ってくださり、みんなが集中して制作に取り組んでいる、温かい空気が、安心して、大好きだな、と感じます。
今は、葉書サイズの版画を、みんなで制作しています。
「春夏秋冬」それぞれの季節のものを、2,3人ずつ制作することになりました。
その時、夏にみんなでスイカ割りをしたことを思い出して、それをモチーフにしたい、と思い、それを題材にして制作に取り掛かり、今日は、構図を考えるスケッチを主にしました。
藤井さんに、事前に描いておいたスケッチを見ていただき、改善点や、ポイントなどを教えていただきました。
私は、藤井先生から構図についてアドバイスを頂くと、絵の画面が、すっきりとして、見やすくなりました。
スケッチをする時も、現実的に版画として成り立つか、色や彫り方まで推測して描いていくのは、難しいけれど、突き詰めていくたびに、版画のことを理解することが大切なのだと思いました。
以前、藤井さんの作品を見せていただいた時、引き込まれるような魅力を感じ、私も、版画をやってみたい、という気持ちになったことを思い出しました。
木版画の画集も参考に見ながら、木版画は、力強い線や繊細な色使いまで、幅広い表現もできて、ちょっとした刷りの力加減でも変わってくることも知って、奥が深いなと思いました。
私は、今回、初めて木版画に触れました。
木版画の楽しさや、美しさ、魅力など、これから理解して積み重ねていき、素敵な作品にできるように、頑張っていきたいな、と思いました。
次回の版画教室も、楽しみです。
(ほし)