【新春号㉑】「木に点々と実る宝石 ―― オリーブの収穫・加工 ――」えみ

 古畑の桃の木の奥に、五年前に植えられた二本のオリーブの木。冬の寒さが厳しい、ここ岡山の土地では数年の間ずっと実はついていなかったのですが、今回初めて実をつけてくれて、収穫もすることができました。
  
  
 オリーブの特徴として、一つの品種では結実しないというのがあるそうです。新しく担当になった、ななほちゃんと一緒にオリーブについて調べていると、そんなことが書かれていて、ちょっとびっくりしたけれど、本当にその通りに古畑の二本の木のうちでも、西側の一本の木に実がついていました。

 オリーブに実がついていることを教えてもらって実際に木を見に行くと、直径一センチくらいの、オリーブにしては比較的小さな実ではあったけれど、コロコロとした緑や紫色の実が、木に点々とたくさんついていました。

 私は、今まで、料理などに入っているオリーブの実自体は見たことはあったけれど、実際に木になっているのを見るのは初めてで、とても、それだけでわくわくした気持ちになりました。

■予想以上の収量

 十二月のはじめごろ、朝食前の時間に、ななほちゃんとりなちゃんと一緒にオリーブの全収穫をしました。かなり冷え込んでいて、脚立に乗って木の高いところについている実を採るのは寒さに耐えながらの作業だったけれど、その時間もとても楽しかったです。
  
  
 収穫カゴの中を見ると、オリーブの実がキラキラと光っていて宝石みたいでした。

 その色合いや形がとても可愛らしくて、写真に撮って、すぐにみんなに見てほしいような気持ちになりました。

 採れたてのオリーブの実を使って、河上さんに教えてもらいながら、りなちゃんと一緒に加工の作業をしました。収穫したオリーブは全部で、ヨーグルトが四百グラム入っていたカップに三杯分くらいあって、思っていた以上の量でした。

 河上さんに、生のオリーブをどうやったらみんなに出せる形にできるかを相談させてもらうと、メープルシロップ漬けがいいんじゃないか、と教えてもらいました。

(メープルシロップ漬け?!)

 私は、メープルシロップとオリーブという単語が一緒になることはないと思っていて、最初聞いたときは、ちょっとびっくりしました。でも、そのあと、作り方を調べてみると、工程はとてもシンプルで、洗って、種を取って、ビンに入れて、メープルシロップをひたひたになるまで注ぐだけ。
  
  
 生のオリーブは渋が強くて、渋抜きをしてからでないと食べられないそうなのですが、これなら渋抜きも同時にできて一、二週間後くらいには食べられる状態になるそうで、とてもいいなと思いました。

 まずは、選別から。収穫してきたオリーブの実には、濃い紫色になって完熟したものと、まだ緑が残っていて完熟はしていないものが混ざっていたので、完熟の実とそうでない実を分けるところから始まりました。

 そして、完熟の実は早速メープルシロップ漬けに加工しました。

 作り方はとても簡単なのですが、今回は種を取るのに少し苦戦しました。オリーブ専用の種取り器というものもあるそうなのですが、それはなかったので、包丁で垂直にぐるりと一周切れ込みをいれ、クリッと回して中の種を取る方法を河上さんが教えてくださりました。

 力の入れ加減によっては実がつぶれてしまったりして難しかったけれど、だんだんとコツを掴めて来ると、綺麗に種だけが取れるのが気持ち良くて、楽しかったです。

 種を取った実を、煮沸消毒した瓶に入れ、最後にひたひたになるまでメープルシロップを注ぎます。上手く漬かりますように。そんな願いを込めながら、りなちゃんと一緒に冷蔵庫の中に入れました。

 完熟していない実は、塩漬けにすることができました。これは、渋が抜けるのに半年ほどかかるそうで、どんな形に仕上がるかはわからないけれど、またみんなといただけたら嬉しいなと思いました。

 今回は、ギター教室や版画教室で毎週教えに来てくださっている藤井さんやご近所の方から、新たに二本のオリーブの木を鉢でいただいてくることができて、吉畑手前ハウスの住民に仲間入りしました。まだ背丈一・五メートルほどの小さめの株ではあるけれど、また実をつけてくれたらいいなと思います。