
バレンタインホテルのロビーから、吹き抜けの二階の窓の外に広がる夜空を感じながら、アンサンブルの音楽を奏でました。
作東バレンタインホテルは、私たちの大切な家族、あけみちゃんが働いている場所です。今回も、そこへ訪れたお客さんに向けて、年末年始の二度に渡り、アンサンブルの演奏をさせてもらいました。

■アンサンブルコンサート
今年の干支『寅』のロゴと、赤を基調とした蛇腹折りで彩られた飾り付けの前の、ロビーの一角での演奏。衣装は『レインボー』のダンス衣装から、赤、青、水色、黄色、紫、ピンクの色違いのズボンが、目に鮮やかでした。

一曲目は『リベルタンゴ』。トロンボーン二本と、ソプラノサックス、アルトサックスの、情熱的で、勢いのある一曲でした。反響の強いロビーで、感覚を研ぎ澄ましてお互いの響きを聴き合い、主旋律を浮き立たせ、四人の奏でる複雑な和音が綺麗に一つにまとまりました。
■一つひとつの音を大切に
二曲目は『ニュー・シネマ・パラダイス』。トロンボーン三人と、もう一つのトロンボーンのパートへ、私はテナーサックスで参加させてもらいました。
愛のテーマ、家出、初恋、成長というストーリー性のあるメドレーになっており、一貫して自然の神秘を思わせるようなこの曲は、一つひとつの音を大切に演奏しました。

三曲目の『キャラバンの到着』はキーボード、テナーサックス、ドラムという大人な雰囲気の編成で演奏するジャズワルツでした。なのはなファミリーでは、やったことがありそうでなかった曲と編成。ロマンを感じさせるこの曲は、ホテルの雰囲気にぴったりなものとなりました。

四曲目は、アコースティック・ギター二人の『インスピレーション』。ラテン調の情熱的なこの曲は、曲中、誰もが釘付けにされるまえちゃんの速弾きと、さやねちゃんの緻密なバッキングが織りなす、絶妙な演奏でした。
今回から、音響で力を発揮しているJBLのパワーアンプ内蔵スピーカーを、お父さんが客席からスマートフォンでミキシングをして、洗練された、暖かみのある、滑らかな音色が広がりました。
五曲目は、『ナユタ』。さやねちゃんが奏でるドラマチックな演奏は、最前列のお客さんが涙を流されるような感動的なものでした。

ラストナンバーは、あゆちゃんのヴォーカルと、まえちゃんのギターで『イージー・オン・ミー』。会場は、音楽の力で人と人とが結び付き、不思議な一体感が生まれました。
■思いがけないアンコール
十二月三十日の演奏では、思いがけなくアンコールの声が客席から上がり、『キャラバンの到着』をもう一度演奏させてもらいました。
三曲目以降、出番がなかったため、みんな衣装を着替えてしまったので、私服での演奏となりましたが、本編ではないオプションということで、リラックスして伸び伸びと演奏することができました。
年が明けての二日の演奏では、この反省を踏まえ、衣装を着替えずにアンコールの演奏をしました。また、お母さんが衣装の配色を若干変えてくれました。私たちも、より良くしよう、という気持ちで演奏に向かうことができました。
会場には、年末年始に帰ってきてくれた卒業生の姿もあり、暖かい雰囲気が心強く感じました。
今回の演奏で、あけみちゃんが働くホテルを盛り立てることができ、お客さんや従業員の方とも、音楽を通して同じ気持ちを共有する時間を過ごさせてもらいました。
夜空の先に広がるのは、果てなく続く宇宙。それは、次のなのはなファミリーのスプリングコンサートのキーワードの一つになっています。これから家族全員で向かう道のりに、少人数ながら着実に準備を整え始めるようなアンサンブルの演奏になりました。