
1月27日のなのはな
昨年の12月から始まった桃の枝吊りも、今日で完了です。
現在、なのはなファミリーでは約100本の桃を栽培しているのですが、その中で枝吊りが必要な樹は77本ありました。
とは言え、今まで成木の樹に対して、全く枝吊りをしてこなかったという訳ではありません。
去年まではロープを使って桃の枝吊りをしていたのですが、ロープだと直射日光に長いあいだ当たってしまうと切れやすいという難点がありました。
(何か、丈夫で新しい枝吊りの方法はないだろうか?)
夏に多くて1000玉の桃の実を支える桃の枝は、樹自体の負担も多く、枝が下がりやすいです。そして、それだけの重みを支えるロープもよっぽど、丈夫でないといけません。
去年の夏頃からお父さんたちと相談して、お父さんが、ステンレスワイヤーとエクセル線を使った、今までに見たこともない新しい枝吊りを考えてくれて、今の枝吊りシステムが確立しました。
一番最初に桃の枝吊りを始めたときは、道具の使い方も不慣れだったり、手順や流れが全く確立していませんでした。
(ステンレスワイヤーやエクセル線は何メートルにカットしたらいいんだろう)
(外周のポールでセンターポールを支えるにはどうしたらいいんだろう)
最初はお父さんに教わりながら、作業の手順を確立していきました。
それから約2か月。もちろん、雨や雪の日、年末年始の行事の準備などで毎日枝吊りをしていた訳ではないのですが、本当にあっという間に枝吊りも残す所2本となり、今日で全ての枝吊りが完了しました。
「最初は半日で1本、1日で2本か3本の枝吊りができたら良いペースだね」
とメンバーのみんなで話していて、そのときは、(じゃあ、全て終わるには?)と先が長く感じていたのですが、半日に2本、3本、5本と枝吊りをするスピードが日に日に速くなっていきました。
桃の樹はそれぞれ大きさや形、枝を吊る箇所も違います。
あんなちゃんがそれぞれの桃に枝を吊る場所の印をつけてくれたり、センターポールから外周用のポールまでの距離を測って、それに合わせてエクセル線をカットしたり、毎晩『桃の枝吊り会議』をして、どんどん枝吊りが進化していきました。
特に、エクセル線をカットするときに線が絡まりやすく時間がかかっていたのですが、なのはな建築隊長の須原さんにお願いして、エクセル線が絡まらずに伸ばすことのできるマシーンも作ってもらいました。それは、須原さんの名前から『カラマンデショウジ・スパラット』と私たちは呼んでいます。

桃の幹に沿って立てるセンターポールの先端には、単管ベースという部品を取り付けます。その単管ベースに10本以上のエクセル線などを結んでからも、線同士が絡まりやすく困っていたのですが、枝吊りメンバーのみんなと『カラマンモンローちゃん』を生み出し、それのお陰で格段にスピードアップしていきました。
1本の桃の枝吊りをするのに、1時間かかっていた所から、今では15分で終わるくらいにまで、枝吊りチーム内でも動きや流れが確立していき、それの過程がとても濃く楽しかったです。

「桃の枝吊り、77本、終わりました~!」
最後の1本を終えたとき、やよいちゃんがそう言っていて、嬉しかったです。
枝吊りが終わってしまったら、少し寂しいような気持ちもあり、(誰か、枝吊りをしてほしい方はいませんか~?)とみんなに声をかけて回りたいくらいなのですが、やっぱりこの上ない充実感や達成感を感じました。
日々、進化する桃の枝吊り。本当に仲間と一緒に、何もなかったところから、桃の枝吊りのシステムを確立していく過程がとても楽しくて、みんなに気持も上に、上にと吊ってもらったような気がします。
毎回の枝吊りを新鮮な気持ちで迎えて、いつも(もっとより良くしたい)と向上心を持って、メンバーのみんなと最後まで進化させ続けられたことに喜びを感じ、77本の桃の枝吊りが完了して嬉しかったです。
(ななほ)
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午後は、待ちに待っていた落ち葉集めの作業です。
「落ち葉集め」と聞くと、まるで、サプライズのプレゼントを貰ったかのような喜びを感じます。
畑に撒く落ち葉堆肥をつくるために、みんなで精を出して、落ち葉を集めます。
永禮さんも来てくださり、ダンプを出して下さって、みんなと車に乗り込んで、大井が丘まで向かう温かい空気や、みんなと汗をかきながら、走り回って、落ち葉を集める活気のある空気や、ダンプにたくさん積まれたありたけの落ち葉を見た時の達成感、その時の空気が、大好きだな、と感じます。
作業前に玄関下に集まったみんなの表情からも、その気持ちを感じました。
今シーズンは、これまでにおよそダンプ6杯ほどの落ち葉を集めてきましたが、今日は、いつもとは逆の方向から、大井が丘の山の中に入って、作業を始めました。
初めて行くところで、そこにも、落ち葉が絨毯のようにたくさんある「落ち葉スポット」が、次々に、見当たりました。
しなこちゃんとひろこちゃんが、竹ぼうきで、次々に作っていってくれた落ち葉の山に、みんなで取りついて、テミに入れて、ダンプの上に乗っているさやちゃんとのえちゃんに渡します。
「はい!」と威勢のいい声とともに、どんどん落ち葉が溜まっていって、走って次の落ち葉の山に取りついて……を繰り返して、身体も温まります。
まるで、スポーツをしているかのようです。
夢中で落ち葉を集めて、気が付けば、ダンプの上は満タンに。
その落ち葉を見ると、これ以上ないほどの達成感、充実感を感じます。
その時の夕日がきれいで、みんなとその空を見られたことが、ご褒美だな、と思いました。
帰る道中の車の中では、「あ! ここにも落ち葉がたくさんある!」「ここ、取りたい!」という声も聞こえて、至る所が宝の山に見えて、新たな落ち葉スポットもたくさん見つかって、また落ち葉集めの作業に行きたいな、と思いました。
(ほし)
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