
なのはなでは、毎年元旦におせちをいただいたあと、お屠蘇を飲み、元朝参りをして、新しい年の始まりを迎えます。
年の順で食堂の外に並ぶと、リビングの前までの長い列になり、こんなにもたくさんの家族がいるんだなということを改めて実感しました。
私の目の前には卒業生のひなのちゃんが、後ろにはりんねちゃんがいました。すでに緊張感のある洗練された空気が周りにあって、自分も少しドキドキしながら食堂の中に入りました。
あけましておめでとうございます。家族全員が同じ空間に集まり新年の挨拶をしたあと、お父さんのお話がありました。
■新たな年へ
二〇二一年は、なのはなにとって、それから日本や世界規模で見た時にはどんな年だったか。そして、今年二〇二二年は、どんな流れに向かっていくのか。そんなことを、お父さんが自分たちにも分かりやすいように一つひとつ説明してくれました。
物に溢れて一見満たされているような世の中。その陰にある地球温暖化問題や、自分たちと同じように精神的に追い詰められる人達がたくさんいる現状。それは、自分には関係ないものとしてこのまま流していっていいものでは決してないと思いました。

なのはなの子の一人として、世の中を良いものに変えていくために、ちゃんと自立して生きていくんだ。その決意や、スプリングコンサートに向けての意欲が高まる機会でもあって、お父さんお母さんのお話がありがたくて嬉しかったです。
お話のあとには、年齢の上の人から順番に、お父さんお母さん、みんなの前で自分の今年の抱負を発表し、お屠蘇をいただきました。
前に出て自分の抱負を言うのはすごく緊張したけれど、みんなに今年をどんな年にしたいか聞いてもらうことで、決意がより固まるような気がしたなと思います。
私は、今年、大きな声と笑顔でいることを心がけて、外向きな気持ちを作っていきます。そして、謙虚に、未来を信じて、なのはなの気持ちを自分の中に積み上げていきたいです。
内にこもって自分を守る癖を無くして、周りの人の役に立つために、心も身体も百パーセント人のために使う。その気持ちで、新しい自分にちゃんと生まれ変わっていきたいです。
お父さんお母さんに教えてもらったように、人ともっと波長を合わせて行動できるようにも意識をしていきたいなと思いました。
■仲間と前を向いて
みんなの一人ひとりの抱負も聞かせてもらって、一緒に共有させてもらうことで、自分にとっても大切だなと思うことがたくさんあったりして、こうやって前を向いて一緒に生きていく仲間に囲まれて生活させてもらえることが本当に幸せなことだなと思いました。
自分もそうあらないといけないな、とその場にいるだけで気持ちが引きしまる思いがして嬉しかったです。

元日は、朝起きて窓の外を見ると外は真っ白でした。雪が一面に降り積もっていて、珍しくホワイト・ニューイヤーでした。
景色はとても奇麗だったのですが、朝もまだちらちらと雪がちらついていたので、歩いて元朝参りに行くにはちょっと大変かな、それまでにはやんでほしいな。そんな話を、おせちをいただきながらしていたのですが、晴れ男のお父さんパワーで、みんなと元朝参りに外に出るころにはちょうど雪がやんで晴れ間が差していました。
外も思った以上に寒くなくて、天気のいい空気の澄んだ中で諏訪神社まで歩いていくことができて嬉しかったです。

道の両脇や田んぼ、畑に雪が降り積もっている光景のなか、近くの人とたわいもない話をしながら、歩いている時間も、温かくて幸せな時間でした。
■諏訪神社へ
諏訪神社の近くにも、なのはなでお借りしている田んぼや畑があるのですが、そこを抜けてしばらくしたところに神社の鳥居が見えてきました。
階段を上って小さな丘の上に、諏訪神社があります。つくと地域の方々もたくさん訪れていて、「おめでとうございます」とあいさつをしてくださり、温かい気持ちになりました。
今年もいい年になりますように。と願いを込めて、お父さんお母さんを先頭にみんなで列に並んで参拝をさせてもらいました。おもちつきの時の豆知識クイズであゆちゃんが教えてくれた、二礼二拍手一礼の正しい作法を思い出しながら、正しい日本の文化をこうして覚えられるのも嬉しいことだなと思いました。
参拝をした後には、神社の本殿の周りに祀られている神様一人ひとりに、ご挨拶をして回りました。特に何をお祈りするわけでなくても、その場にいた何人かの子と手を合わせて回っていると心がどんどん清められていくような、穏やかな気持ちになっていきました。
参拝が終わると、来た道をもう一度歩いて古吉野まで戻りました。今年一年も頑張るぞという思いが高まった、一月一日の始まりが嬉しかったです。