「私たちの大切な日」 りな

 1月9日は、成人式当日。新成人の3人は、朝早くから、着付けやヘアメイクがありました。特別な日で、私もとてもドキドキしました。

 数日前から、成人フォトムービー撮影班が始動しました。私は、撮影班の一人として、えみちゃん、りんねちゃん、ひなのちゃんのそばに居させてもらいました。振り袖選びのときにも、一緒に居させてもらって、3人の振り袖姿が見られる日をとても楽しみにしていました。

 リビングには、「成人おめでとう」の文字。そして、体育館は、色々な種類のおめでたい飾りが付けられて、とても華やかになっていました。撮映をしている間、みんなが率先して、飾りを作ってくれたんだなあと知りました。家族みんなと、新成人3人の、節目の日を一緒になって、迎えて、お祝いできることがありがたくて、嬉しいなあと思いました。

 玄関から降りてきた3人は、日本人形のお姫様のように、とても美しかったです。華やかで、それでいて上品で、こんなに綺麗なものを見て良いのだろうか、と思うぐらい、3人がとても綺麗で輝いていました。
 えみちゃんは薄紫色の、小花がたくさん散りばめられたような着物に、ピンクの帯。りんねちゃんは赤いツルの絵柄が描かれた着物にキラキラした白い帯。ひなのちゃんは菊や、梅や、カラフルな花が描かれた、青い着物にオレンジ色の帯をしていました。着物も、着ている人も、お互いが引き立て合っていて、とても似合っていました。

 なのはなの卒業生が着てきた歴代の着物は、色あせることなく、その人の魅力を最大限引き出せるパワーがあって、凄いなあと思いました。そして、その着物を着て、背筋を正し、凛として佇んでいる3人の姿から、勇気や覚悟を感じて、とても感動して心に響きました。

 10時から、勝央文化ホールで成人式が執り行われました。なのはなの新成人3人は、ステージから一番近い最前列席へ、見守る私達は、2階席へと移動しました。2階席から、首を伸ばすと少しだけ、3人の姿が見えました。式が始まるまでの待ち時間、3人は、ピンと姿勢を正して、落ち着いて式が始まるのを待っていて、凛した品のある空気がありました。3人のうなじがスラっと伸びている後ろ姿も、とても綺麗でした。

 式が終わり、ホールの前で写真撮影をしてから古吉野に帰りました。そして、お客様玄関の前で、成人の3人を前に、家族全員での集合写真を撮りました。「成人おめでとう!」というムービーも撮りました。

 撮影班は、成人の3人と一緒に、奈義コースの田んぼの農道に向かいました。那岐山を背景にした写真を撮るためです。今日は、成人式にふさわしく、天気が良く、暖かかったです。スカッと晴れているわけではないけれど、少し雲に太陽のギラギラした光が遮られて、撮影をするには絶好の天気でした。

 てっぺんに雪を積もらせて、尾根を白く縁どらせている那岐山がとても壮大で、室内では再現できないような背景がすぐ身近にありました。その那岐山をバックに、写真撮影をしている3人も、本当に綺麗でした。

 昼食を食べて、午後にはなのはな写真館が開かれました。カメラマンはかにちゃん、あゆちゃん、まえちゃんの3人で、3ブースに分かれて撮影することが出来ました。時間を区切って、成人の3人が、ローテーションで3ブースを回ることができるスケジュールになっていました。

 去年までは、カメラマンも、写真撮影できる場所も一つで、撮影できる時間も限られていました。しかし、今年から新しい試みで、「なのはな写真館」を、家族みんなで開くことになりました。撮影班だけではなく、全員で、成人の子のフォト撮影のお手伝いが出来て、一緒に過ごせることが出来ることがとても嬉しいなあと思いました。

 私は、かにちゃんカメラマンのブースで、撮影班のみんなと一緒に居させてもらいました。そのブースでは、お父さんがこの日のために購入して下さったストロボを使うことになりました。お父さんとかにちゃんが、初めてであることにも関わらず、すぐに使い方を把握して組み立てることが出来ることが、本当に凄いなあと思いました。

 ストロボの組み立てをしている間、撮影班のみんなでひなのちゃんを囲んで、色々なお話をしました。ひなのちゃんが今勉強していて楽しいと思うことや、興味深かったこと。紅白歌合戦のこと……。たわいもない話だけれど、ひなのちゃんが目をキラキラさせながら、みんなの話を聞いていたり、嬉しそうに話してくれる笑顔を見ていて、とても心が温かくなりました。場所は離れていても、いつでもなのはなの気持ちを心の軸して勉強しているひなのちゃんの姿を思うと胸がジーンと暖まって、ひなのちゃんが、家族として居てくれることが改めて嬉しいし、希望だなあと思いました。

 撮影が始まってからは、みんなで色んなポーズを考えたり、アイテムを持ってきたりしました。「した瞼を開いてね!」「目をキラキラさせて!」無理難題を言ってしまうこともあったと思います。それでも、ひなのちゃんや、りんねちゃん、えみちゃんが、忠実にしようと努力してくれました。どんなときも、疲れた表情一つ見せず、笑顔でいてくれました。その姿が、本当に綺麗で優しいなあと思いました。

 私は数日前から、3人のフォト撮影チームとして、そばに居させてもらいました。撮影が始まったばかりは、その場の空気を作ることだけで完結していて、自分自身で、出来る役割を小さくしてしまっていました。
 でも、あゆちゃんからあるべき心持ちを教えてもらって、本当の、私達撮影班の役割を知ることが出来ました。

「振り袖や成人式、初めてのことばかりで、成人の3人は不安なことや、戸惑うこともたくさんあると思う。自分一人だけでは管理しきれないこともきっと出てくると思う。だから、一人で出来ないところはみんなでカバーして、安心して成人式を迎えることが出来るよう、3人を支えてほしい。一人ひとりが、小さなスーパーマンとなってほしい」

 あゆちゃんの言葉が心に響きました。深くて優しい心持ちを教えてもらって、気が付くところ、納得するところがたくさんありました。そして、撮影班としての果たすべき使命を強く感じて、やる気が湧いてきました。

 自分の役割を小さくせず、一つひとつのことに責任を持って行動したいと思いました。3人が、安心して撮影が出来るように、空気づくりをすることももちろん大切です。しかし、それだけではなく、3人が考えなくても進むように、撮影班のみんなで、先のことを考え、先回りしてきびきび行動し、3人を誘導していくことも、大切な役割なのだなあと思いました。3人を支える小さなスーパーマンとなりたいと心から思いました。

 撮影班のみんなと、心持ちを共有して、むかえた撮影。背景の花の壁紙を、試行錯誤しながら作った時間、成人の子を取り囲んで、声掛けを言いあった時間。一体感があって、まるで小さな成人フォトファミリーのようでした。
 そんな、暖かい時間を過ごしているうちに、撮影班である私達が、新成人の、えみちゃん、りんねちゃん、ひなのちゃんに救われているなあと感じるようになりました。
 成人の3人を支えたい、3人と同じ気持ちを持って、成人式に向かいたい、と思っていました。でも、新成人の3人は、もっと深く大きく、覚悟の気持ちや優しい気持ちを持って、成人を受け止めていました。

 なのはなの代表として、成人を迎える3人の姿がとても勇ましく、凛としていました。私達もそんな、強くて優しい姿に、こうであらないといけないな、と正しい気持ちをもらったような気持になりました。振り袖を着て、成人式に向かう姿、式の間、待ち時間……。3人の背筋の伸びた姿や、終始笑顔でいる姿に、何度も、優しいほうへ引っ張ってもらいました。 

 そして、なのはな写真館では、本当にたくさん、可愛くて綺麗な笑顔をもらいました。りんねちゃん、えみちゃん、ひなのちゃんが、とても輝いて、キラキラして見えました。普段、畑作業ではいっぱい達成感を感じて、ダンス練習、ソフトバレーでいっぱい気持ちを共有して、子供会議でいっぱい遊んで、日々の生活でたくさん気持ちを共有した大好きな家族が、成人を迎えます。人生の中でも、一回しか来ない、大きな節目の日を生きています。そんな、大切な日を、たくさんの家族とお祝いすることが出来ます。同じ気持ちで、一緒に考えたり、笑いあえます。その一瞬一瞬が、本当に幸せだなあと思いました。

 これまでのフォト撮影の時間や、りんねちゃん、えみちゃん、ひなのちゃんの大好きなところがたくさん思い出されて、とても心が満たされた気持ちになりました。心から、笑っている3人の笑顔を見ると、私達も笑顔になって、幸せな気持ちをたくさんもらいました。

 この時間が終わって欲しくないなあと思いました。私は、ななほちゃんと3人の振り袖の着替えのお手伝いをさせてもらえることになりました。でも、振り袖姿がもう見られなくなるのだと思うと、寂しい気持ちもありました。
 でも、たとえ振り袖から着替えてしまったとしても、3人がずっと家族として居てくれるし、成人式フォトムービーもあります。フォトムービーがまた、みんなで見られることが楽しみだし、見た時に、成人式まで向かってきた気持ちや、その時見た光景を思い出せたらいいなあと思いました。

 夜の集合では、お父さんから、成人式を行う意味を教えてもらいました。私は、なぜ成人式を行うか、よくわかっていませんでした。でも、お父さんの解説はとても分かりやすくて、理解することが出来ました。
 成人するということは、その町に税金を納めて、町のため、社会のために働く人になる、ということなのだと知りました。社会に貢献する一人の人として、自立して生きる節目の日が、成人式なのだなあと思いました。

 成人の3人のそばに居させてもらって、成人を迎える覚悟の気持ちを感じました。そして、お父さんのお話で、どこまでも、自立することの大切さを感じました。3人の成人式を迎えて、私も、人生の中の一つの節目の日として過ごすことが出来たことがありがたいなあと思いました。また、新しいスタートが切れるよう、気持ちを新たに持って、積み重ねていきたいなあと思いました。

 えみちゃん、りんねちゃん、ひなのちゃんの成人式を、家族みんなでお祝いできて、その時間が幸せでとても嬉しかったです。

 

 

感想文メニュー・・

「暖かい気持ちを返していけるように」 ひなの(卒業生)

「優しさに包まれた成人式」 りんね

「みんなの中で気持ちを作り上げてもらって」 えみ

「私たちの大切な日」 りな

「3人から学ぶ『大人のあり方』」 せいこ

「お祝いする喜びを」 ななほ

 

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