「みんなの中で気持ちを作り上げてもらって」 えみ

 

 今年、なのはなで成人式を迎えさせてもらって、りんねちゃんとひなのちゃんと一緒にみんなの中でたくさんお祝いしてもらい、過ごさせてもらった時間が本当にありがたくて幸せでした。みんなから優しい気持ちをたくさん向けてもらって、ただただ嬉しかっただけでなく、そこから自分の中でも、この機会を通して、気持ちがだんだんと変わっていくのを感じました。

 成人式に向けてのフォトムービー撮影が始動して、衣装選びから始まったその日は、みんなにお祝いしてもらっているのに、なぜだか逆に気持ちが落ちてしまっていました。元から人前に出るのが苦手で、なるべく目立たないようにしてきて、成人式とは言えみんなから注目される緊張感に耐えられませんでした。みんなが褒めてくれる言葉も、どうせお世辞なんじゃないか、自分が見られるのが恥ずかしい、怖い、こんな自分のためにお祝いしてもらうなんで申し訳ない、そんな気持ちのほうが大きくなってしまっていて、当日を迎えるのが不安でたまらなかったです。

 でも、実際に衣装を着て1日、2日と撮影チームのみんなの中で撮影をさせてもらって、どの衣装を着ても、みんながもったいないくらいに口々に褒めてくれて、優しさを向けてくれて、綺麗な写真を残すために心と身体を最大限自分たちのために使ってくれるのを感じました。ヘアメイクやポージング、背景など色んな工夫を撮影班のみんなが考えてくれて、こんなにも大切に思ってくれる仲間がいてくれることにありがたい気持ちと、自分は本当に幸せ者だなという思いでいっぱいになりました。

 そう思ったら、自分が恥ずかしいという気持ちがすっと消えたなと思います。自分に自信がなくて、くよくよしているときが多いけれど、ちゃんとシャキッとしないといけないなと思いました。優しく生きようとしている仲間の存在自体が自分にとっての誇りなんだな、そんなみんなの力になれるように、自分もしっかりと生きたい、そう感じました。

 

 

 卒業生のひなのちゃんも前日になのはなに帰ってきてくれて、3人揃って成人式の当日を迎えることができました。
 朝早くから、あゆちゃんやゆりかちゃんがヘアメイクをしてくれて、この日のために毎年着付けを手伝ってくださる村上さんや、河上さんも来てくださって、3人分それぞれの振袖を着つけてくださりました。

 前日の夜は、やっぱり緊張はしていて、いつもよりは寝付くのが遅かったです。でも、眠れなくなるほどの怖さはもうなくて、1度は途中で起きたけれど不思議と朝までぐっすりと眠ってしまいました。6時からヘアメイクの約束だったのに、起きたのはなんと5時57分。「誰も起きてこなかったからびっくりしたよ」そうあゆちゃんに言われながらも、でも全然怒ったりはせずにそのまま暖かい空気の中でお化粧や髪型を整えてくれて、ありがたくて嬉しかったです。

 着付けのほうは、少し時間は押してしまったけれど、村上さんや河上さんが丁寧に、一人ひとりに合った帯飾りも工夫して着つけてくださりました。朝早くから衣装部のつきちゃんやあやかちゃん、撮影担当のみんなも起きて準備をしてくれていて、ただただありがたい気持ちでいっぱいでした。

 

 

 勝央町成人式に参列しました。コロナで開催できるかぎりぎりまで分からなかったということだったけれど、節目の日として、みんなと参列することができて嬉しかったです。
 例年なら、そのままの流れで成人の人達は写真館に言って、古吉野に帰ってくるのはお昼すぎというのが普通だったようなのですが、今年は、なのはな写真館でみんなに写真を撮ってもらえるので、みんなと一緒になのはなに帰ってくることができました。

 その後も、雪が薄っすらと降り積もった那岐山をバックに写真を撮りに行ったり、心のこもったお昼のご馳走をみんなと頂くことができて、午後半日もたっぷりとなのはなのみんなの中で過ごすことができました。これはこれまでになかったことなんだと知ると余計、こんなに素敵な成人式の日を過ごさせてもらえて特別だなと思いました。

 午後からは、みんなが今日のために飾りを作って準備をしてくれた、なのはな写真館で、ひたすら撮影をさせてもらいました。
 写真館の中は3つのブースに分かれていて、あゆちゃんブース、まえちゃんブース、かにちゃんブースを3人で順繰りに回って写真を撮ってもらいました。あゆちゃんブースでは吊るしびなや羽子板、花などの小物を使った、ちょっと遊びのある写真、まえちゃんブースでは常陸手毬の飾りとの写真、かにちゃんブースでは振袖姿の基本形の写真を主に撮ってくれたのかなと思います。

 それぞれチームもみんなの雰囲気も少しずつ違って、でもどこも明るくて優しい雰囲気を作り出してくれていて、こんなにも写真を撮られるのを楽しいと感じられたことは生まれて初めてでした。お祝いしてもらっていたり、撮ってもらっているのは自分だけれど、その時間をそれぞれみんなが喜んで楽しんでくれていて、自分も変に申し訳ないとか、苦しい気持ちになることがありませんでした。

 いつもお互い様の関係でいられる、なのはな写真館が、本当に素敵だなと思ったし、今日だけでなくて他の機会にも実現できたらいいなと思いました。

 

 

 最後の時間には、成人の抱負を、かにちゃんがビデオで撮ってくれました。ビデオで一生残ると思うと、その時はものすごく緊張して、頭が真っ白になって覚えた抱負も全部飛んで行ってしまいました。途切れ途切れになってしまって、もうダメだと後悔に陥ったのですが、多分上手くつなげてもらえるかなというのを信じたいです。
 なのはなに来るまで、自分が成人を迎える日が来るのが、信じられませんでした。いつか来てしまうのが分かっていたけれど、怖くて信じたくなかったです。実際、今も自分がすでに20歳であることを半分信じられていないところもあるけれど、でも、今回みんなの中で成人式を過ごさせてもらって、大人になる怖さがだんだんと薄らいでいったなと思います。

 まだ将来の夢が決まっているわけでもないし、未来が保証されているわけでもありません。年齢として成人を迎えたけれど、自立していこうとしている途中だし、将来が分からない不安は大きいです。でも、自分はもう一人じゃなくて、本当に安心していいんだな。どれだけ不出来でも、自分を大切にしてくれて、自分も大切にしたいと思える仲間がいるんだな。決して甘えが許されるわけではないけれど、みんなの中で自分の果たすべき責任や役割をしっかり果たして、新しい人生をここで作り直していけるように、ちゃんと成長していきたい。その強い気持ちを持たせてもらうきっかけになって、それが何よりもありがたくて嬉しかったです。

 

 

 夜の集合では、お父さんお母さんが、「美しく尖る」ということについての話をしてくださったのが、心に残りました。
 いつも誰かの後をついていって、流されるような生き方はしてほしくない。我を張るのではないけれど、本当の美しさ、いいものを求めて、自分がリードしていくんだという、「美しく尖る」気持ちでいてほしいんだということ。

 自分は、その気持ちがまだまだ足りないです。自分がどう思われるかが最優先になってしまっていて、その気持ちに囚われて、本来見るべき視点から物事を考えられていないと思います。
 でも、もう、そうやって流される生き方は嫌です。ちゃんと生きたいです。未熟で、できていないところだらけで、その道をまだ探っている途中だけれど、その気持ちだけは持ち続けたいなと思いました。

 なのはなで成人式を迎えられたことは、一生の宝物です。この経験をしっかりと自分の中に落とし込んで、これからの生活の中でも、前向きに頑張っていきたいなと思います。

 

 

感想文メニュー・・

「暖かい気持ちを返していけるように」 ひなの(卒業生)

「優しさに包まれた成人式」 りんね

「みんなの中で気持ちを作り上げてもらって」 えみ

「私たちの大切な日」 りな

「3人から学ぶ『大人のあり方』」 せいこ

「お祝いする喜びを」 ななほ

 

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