「たくさんの本を」 ななほ

1月19日
(朝)

  ハウスMTで『好き嫌いについて』を質問した時、お母さんが、
「好き嫌いがあるのはいいことなんだよ」
 と教えてくださいました。
  そして、お父さんが、
「でも、本を読む時は同じ人ばかりではなく、色々な人の本を読んでみるといいね。最初の5ページを読んで、面白くないと思ったら次の本を読んだらいいよ」
 と教えてくれました。

 ということで、昨夜は読書家のなつみちゃんと本の話をしていて、カズオ・イシグロの『忘れられた巨人』を読むことにしました。

 MTが始まってから無性に高田郁さんの『みをつくし料理帖』が読みたくなって、もう1度読むのはあまり良くないと思いながらも、第1巻から読み始めると止まらなくて、今は同時に2冊の本を読んでいます。
 高田郁、野口健、宮本輝、椎名誠、ヘミングウェイなどはなのはなにある本棚で大体は読んだのですが、他の人は1冊ずつくらいしか読んでいなくて、なかなか手に取りにくかったです。

 年齢によっても、なのはなに来たばかりの頃は椎名誠が読みやすく、その後、宮本輝を読んで、今は高田郁さんや山本周五郎さんの小説が読みやすく感じます。
 なつみちゃんと、
「どうしてお父さんは、たくさんの人の本を読んだほうがいいと言ったと思う?」
 と話して、「人間は多面的だからね」という結論になりました。

 カズオ・イシグロの本は、読むのは初めてだったのですが、1ページ目から、もうすでにその世界に引き込まれていきました。
 消灯のギリギリまでその世界で動いた後、本を閉じたら、(あ、面白いな)と思いました。

 本の世界はとても面白くて、魅力的です。1冊の本の中の主人公や登場人物の気持ちを自分も体験して、たったの2時間くらいで1冊の本は読めてしまうのに、主人公の1日、1時間、1年、時には一生をその時間に体験できるような気がします。

 言葉の表現の綺麗さ、文章の書き方、物語の雰囲気はやっぱり、その作家さんによって全然違って、だからお父さんはたくさんの人の本をと勧めてくれたのだと思いました。
 そして、誰の本でも今の私は読めるんだなと思います。スッとその世界を理解できて、スッと何も考えなくてもその世界に引き込まれていき、なのはなにある本は、端から端まで全部読んで、喜怒哀楽と心をもっと深く、深く、耕します。

 また、なのはなのコンサートもそれに向かう3か月の過程が、私にとっては、1年、いや、5年くらいの充実感や濃さがあり、今年もお父さんの脚本で、今いる仲間と新しい世界を表現できるのが楽しみです。

 もう1つ、今日はハウスMTの最後に、お父さんから、お母さんについて聞かれました。
 私はそれにすぐに答えられなくて、お父さんに「間で分かりました」と笑われてしまったのですが、どうして私はすぐに答えられなかったんだろうと思った時、お母さんにピッタリの言葉が一言では見つからなかったからだと思いました。

 お母さんはいつも真剣です。そして、いつもお母さんは誰かの為を考えています。
 その子にとって一番良い答えを、今その子に言ったら分かってくれる、この子なら本当の意味で分かってくれる、そう信じてくれているからお母さんはいつも正しいことを教えてくれて、私はそれが怖いとは感じないのだと思いました。

 上手く言えないのですが、お父さんお母さん、あゆちゃんはいつもそうです。その子のコンディション、その時の状況を見て、言うタイミングを考えています。
 お母さんが、
「時間と人と場所が違えば、答えが変わるんだよ」
 と話してくれる意味が、改めて分かったような気がします。そして、私もそれができるような大人になりたいと思いました。

 ハウスMTの時間をずっと楽しみにしていて、昨日はハウスMTでたくさんのお話を聞かせて頂けたことが嬉しかったです。
 最近は朝の時間に選別や細々とした作業を進めていて、朝から気持ちがシャキッとして嬉しいです。

(夜)

 今日はのんちゃんから『ホーリーウォーター』の振り入れをしてもらいました。
 『ホーリーウォーター』の曲を聴くのは今日が初めてだったのですが、スケールが大きくて、切実な思い、尊い思いが込められている様な曲で、出だしを聞いただけでこの曲が好きだと思いました。

 また、午後からは桃の枝吊りも進み、1時間半くらいの時間だったのですが5本の桃の枝をつることができました。残すは2本です。最後まで緊張感を持って、進化する桃の枝吊りを、より進化させます。