
1月13日のなのはな
1日かけて新曲『マディ・ウォーターズ』の振り入れをしました。朝食の席で、この曲の振りは分子や原子をイメージしていて、真ん中のあけみちゃんたちが陽子や中性子、ほかのみんなが電子になる、と教えてもらい、卒業生が作ってくれた、このダンスは一体どんなダンスなんだろう、とわくわくしながら体育館に向かいました。
そのわくわくは振り入れが進むごとに実感に変わっていきます。振り入れは、まず最初のフォーメーションを形作るところから始まりました。中央にあけみちゃんたちを囲む三重の円です。そこからカウントで振りを教えてもらいました。「振り」というより「動き」に近くて、三重の円になったみんなが、ひとつの生き物、もしくはひとつの意思のある物体になったような、そんな感じがしました。自分が今までやったダンスのなかで、ある意味、最もみんなが一体となっている感覚がしました。
それぞれが、その生き物を作っている1パーツになったみたいで、自分が動いていないところでも、このひとつの生き物の別のパーツが動いていることをはっきり感じます。振動してみたり、波打ってみたり、弾かれたように転がったり。今までにないような動きが出てきます。ダンスにストーリーやモチーフがあると、こんな動きもダンスの一部になってしまうんだ、と驚かされます。
特に、少し前からこの曲の振りで使うかもしれないと言われていた前転。綺麗にできたらすごく効果的で面白い動きになるだろうな、と思います。今のところは大分苦戦を強いられています。頭を床に打つと音がうるさくて痛いし、頭を打たないように、と思うと大回りになってしまって遅れる上にみっともないし、いかに速く奇麗に回れるかは、もっと練習しないといけないな、と思います。

曲の2番では、みんなが床に仰向けに倒れた状態で振りをします。音に合わせてV字腹筋をする動きがあったり、手が波打ったり、腕が左右に振れる動きがあります。寝ころんだ自分の視界に入る周りのみんなの動きを感じるだけでも、ダンスの一部、というより、1つの個体が何かの刺激を受けたときの内部のパーツたちの反応をダンスで表現したらこうなった、というような、不思議な感じがします。
午前は前半の振り、午後には後半の振りに突入して、詰めていくのはあとにして、とりあえずどんどん形を作って身体に入れていく方式で練習が進んでいきました。午後に練習した後半の動きは、フォーメーション移動をしながらの動きが主でした。
1つの二重の円だったものが、2つの二重の円に分裂していきます。いつもなら、2つの円になっていく、というところですが、分裂していく、という表現がしっくりくるのが、このダンスの面白いところだ、と思います。
1つの個体だったものが、それぞれあけみちゃんやしほちゃんを核にして分裂して、またじわりじわりとステップを刻みながら1つになっていきます。最後は中央にギュッと集まって、パンっと弾けるように核を残して捌けていくところまでが振りなんだ、と教えてもらって、その最後まで曲の世界観を貫いた粋な振付に、思わず「うわ~」とみんなからため息みたいな感嘆の声がこぼれました。
本当にこの曲は今までのどの曲とも違って、みんなでダンスをしているというより、みんなで1つの生物になっている、という感じがします。踊っていると神秘的な気持ちになっていきます。まだまだ考えないと次の動きが分からなくなってしまったり、振りが飛んだりするところがあります。これからもっとみんなで身体に落とし込んで、この摩訶不思議で神秘的なダンスを、振りや曲が表現したい高いレベルでできるように練習していきたいと思います。
(のん)