「あゆちゃんの見ている世界」 ななほ

1月12日

 一昨日の夜、消灯の15分前くらいに、
「あ、しまった。桃の軽トラックにブルーシートをかけ忘れてしまった」 
 と思い、なつみちゃんと1年生教室に行きました。
 すると、やよいちゃんが、「大丈夫だよ」と言いながらも、
「じゃあ私が、軽トラックを玄関下に動かしてくるね」
 と言ってくれました。

「じゃあ、私もついていく」
 そう言って、ライトを持ってやよいちゃんの後ろについていき、「え~、1人でも大丈夫だよ」とやよいちゃんは言いながらも、3人で行けて良かったです。

 久しぶりに夜、星を見てみると、10時前だったこともあり、星が一つひとつ、くっきりと浮かび、キラキラと瞬いていました。
 やよいちゃんの後ろにピョンピョンと私となつみちゃんでついていき、「星が綺麗だね」と話しながら帰ってくる時間が嬉しかったです。

 本当に当たり前の会話ができて、日常が幸せだなと感じます。
(何がそんなに幸せなの)
 と思うかもしれないけれど、誰かと星を見たり、綺麗な夕日を見たり、誰かと一緒に、もう2度と同じ景色を見ることはできないような自然の景色を見ると、心が穏やかな気持ちになるのを感じました。

・音に気持を込めて

 昨夜はアコーステックギター教室があり、今まで練習してきた『レインボーチェイサー』と『花』とは別に、スプリングコンサートに向けて『奇跡の山』の練習が始まりました。
 私は初めてギター教室で演奏した曲が『奇跡の山』で、本当に素敵で好きな曲をもう1度、演奏していけると思うと嬉しかったです。

 指を忘れている所や動きにくい所も多いのですが、何小節かを弾くだけでも、この曲が好きだなという気持ちに包まれます。
 藤井先生から、
「指は大体、動いているから、後は1音1音の音色をくっきりと、綺麗な音を、と思ったらいいね」
 と教えて頂き、藤井先生から指をずらしながら弦を鳴らして和音のような音色を作る方法を教えて頂きました。

 一つひとつの音を確実に、綺麗な音にする事を心がけていると、この曲で表現したい世界や気持ちが自然と目の前に広がります。
 音に気持を込めて、自分の気持ちも曖昧な部分や雑味を無くし、透明な音色を奏でられるように練習していきたいです。

・たけちゃん

 昨日はたけちゃんのお迎えに行かせて頂いたのですが、玄関で待っていると遠くのほうから、嬉しそうに笑って声を上げながらたけちゃんが走ってきて、そのまま抱っこをしました。
 たけちゃんの嬉しそうな笑顔に、さきちゃんと「朝から元気だね」と笑って、あゆみちゃんに手を振りました。

 やっぱりたけちゃんは、いつもみんなと一緒にいたいから、あゆみちゃんに手を振る時は小さくなっていて、たけちゃんは優しいなと思いました。
 
「これは、み・ど・り~!」「これは、あ・か~!」
 さきちゃんと一緒に傘を差しながら古吉野へ向かう時間も、たけちゃんはずっと、「キャッキャ、キャッキャ」と笑っていて、可愛かったです。

 午前中は、たけちゃんとフルメニューをしたのですが、たけちゃんも一緒に身体を伸ばしていたり、みんなの所へお手伝いをしに行っていました。
 途中、誰かの時計を見つけたたけちゃんは、真っ先に私のほうへ持ってきたのですが、そのまま、
「これ、るりこお姉ちゃんに渡してきて」
 と言うと、るりこちゃんのほうへ行き、るりこちゃんが、「これ、のんお姉ちゃん」と言うと、今度はのんちゃんに渡していて、まだみんなの名前を言葉にはできないけれど、たけちゃんの中では顔と名前は一致しているんだなと思いました。

 モダンダンスの基礎練習も、たけちゃんがずっと16ビートを刻んでいたり、途中でたけちゃんが眠たそうだなと思っていた頃、自分から、「抱っこして」と手を伸ばしてきて、抱っこすると、ころっと眠る体勢に入りました。
 たけちゃんを抱っこしながらのアップダウンやステップを踊るのは、いつもの何倍もふくらはぎの筋肉を使い、ものすごくピリピリしていたのですが、たけちゃんはその後も昼食の前までぐっすりで、よく眠れたようで良かったです。

 夜もたけちゃんと一緒に眠りました。
 たけちゃんが初めてなのはなに泊まった時は、夜に4、5回くらい目が覚めて泣いていたのですが、今では1回泣くか泣かないかで、本当にぐっすりと眠ってくれます。電気を消すと眠る時間と分かるようで、自分から横になって、私やなつみちゃんのほっぺたを触りながら、眠りモードに入るたけちゃんは、本当に天使のようです。

 今日は朝から雪が降っていて、たけちゃんも朝までぐっすりで、嬉しそうに廊下を歩いているたけちゃんが可愛かったです。

・あゆちゃんの見ている世界

 また午後からは、新曲の『マディ・ウォーターズ』のコーラス練習をしました。明日からはダンス練習も始まります。
 『マディ・ウォーターズ』は少し神秘的で不思議な曲のように感じていたのですが、コーラスで思いっきり声を出して歌ってみると、今までよりもこの曲が好きになりました。

 さとみちゃんやせいこちゃんがなのはなバージョンの楽譜を作って、コーラスの音を作ってくれて、その音やこの曲で伝えたい事をイメージしながら歌いました。
 途中、あゆちゃんが練習を見に来てくれて、
「もっと鋭いような声を出すんだよ。音も人と同じで、初めの1音から全力で出し切って、余韻は後からついてくる。最初から強く出すんだよ」
 と教えてくれました。

 その後、もう1度みんなでコーラスを合わせると、歌っている私まで分かるくらい、全体のボリュームが何倍にも増し、歌っていると鳥肌が立ちました。あゆちゃんが腹筋を使って声を出すということを教えてくれて、実際にあゆちゃんが歌っていると、腹筋がスピーカーのウーハーのように動いていて、本当にすごいなと思いました。

 あゆちゃんの中には、その曲で何が伝えたいのか、そして自分たちはこの曲を通して何を伝えるのかということがハッキリしているから、こんな風にすぐに力強く、伝わる表現ができるんだなと改めて思いました。あゆちゃんの歌声を聞いていると涙が出そうになります。初めてなのはなに来たときに聞いて、涙が止まらなかった『ルナ』を歌う、あゆちゃんの姿が思い起こされます。

 私もあゆちゃんのようになりたいし、あゆちゃんの見ている世界を見て、あゆちゃんのように表現したいと思いました。
 コーラス練習の途中で、『マディ・ウォーターズ』の音源を大音量で何度も、何度も繰り返し聞きました。

 この曲の歌詞は分からないけれど、すごく訴えるものがあって、それは私たちの生きにくさと深く共通するものがあるような気がしました。
 洞窟のような背景に、上から光がさして、外には巨大な岩のアーチが広がって、どこからか水滴が落ちている。
 高音でピアノが入る所が、水滴のようでそれが音を奏で、泥水のように濁ってしまった心を少しずつ浄化していくような、不思議な景色が見えるような気がしました。
 きっと、この曲をもっと歌いこんで、この曲を知ったら、もっと違う世界が目の前に広がるような気がします。サビの幻想的な音や、壮大さ、スケールの大きさが本当に綺麗な曲だなと思います。

 この曲をなのはなで演奏できるのが嬉しいし、どんな脚本でどんな世界を表現できるのか、とても楽しみです。
 明日のダンス練習も前転をすると聞いているのですが、なのはなのコンサートらしい、迫力のある私たちにしかできない表現ができるように、ダンスも頑張ります!