12月29日(水)「繊細に、手際よく、おいしい料理を ―― おせち作り1日目」

12月29日のなのはな

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 年末年始に向かって、紅白歌合戦の準備や、お正月遊びの準備を進めています。そして、忘れてはならない、おせちづくり。なのはなファミリーでは、おせちを全て自分たちで、収穫した野菜から調理して、大晦日にお重に詰めます。私は、出汁と数の子を作るチームに入っていて、今日は、出汁を取る工程を進めました。

 出汁は、おせちの中でも特に重要で、数の子や、煮しめ、そしてお正月三が日に食べるお雑煮にも欠かせません。昨夜、だし昆布を水に浸けていて、今日はその昆布の入った水を火にかけて、かつお節を入れて、出汁を取りました。

 昆布が浸かった水は、すでに少し色が付いていました。沸騰直前になったら昆布を取り出して、そのあとに一気にかつお節を鍋の中に投入します。昆布を沸騰してから取り出すことも、かつお節を水の状態から投入することも、間違っていて、その微妙な時間やタイミングで、良い出汁が取れるかどうかが決まります。そう思うと、とても緊張しました。

 気持ちを引き締めて、河上さんに見ていただきながら、チームのみんなと鍋を火にかけます。

 

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 出汁を取っている間に、数の子の塩抜きも同時に進めました。

 数の子は、塩漬けにされていて、そのまま食べるととても塩辛いです。その塩を抜くために、塩水につけます。なぜ塩を抜くためなのに、塩水につけるのか少し疑問に思っていると、河上さんが、
「塩水は、呼び水のような役割を担っているんだよ」
 と教えて下さりました。塩水は、数の子の中よりも塩分濃度が低く、浸透圧の関係で数の子の中の高い塩分と、塩水の薄い塩分が入れ替わるそうです。

 昔の人は、そうやって、数の子を美味しく食べられるような塩加減にしていたんだなあと思って、知恵が凄いなあと思いました。

 そうしているうちに、少し鍋の中がふつふつとしてきました。昆布を取り出して、かつお節を投入します。かつお節を投入して少しすると、白いアクが出てきて、お玉ですくい取ります。たくさん温かい湯気が出る中で、作業していると、かつお節の良い香りが漂ってきて、とても嬉しい気持ちになりました。

 

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 出来上がった出汁は、冷ましてから、漉してペットボトルに入れて保管します。漉すときに、出汁が濁らないように、ゆっくり慎重に漉していきます。ペットボトルに入った出汁は、透き通って、琥珀のような、黄色がかった綺麗な色をしていました。この出汁が、他のお節料理で使われていくんだなあと思うと、達成感があってとても嬉しい気持ちになりました。

 数の子も、塩水につけてから、チームのみんなと時間を見て見回りに行き、良い塩加減でザルに上げることが出来ました。
 明日は、第3弾の出汁を取る作業があって、また気持ちを引き締めて、チームのみんなと頑張りたいです。
 
(りな)

 

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 おせちづくりでは、31日までに全部のおせち料理を完成させてお重に詰められるように、今日と明日の2日に分けて下準備や調理を進めていきます。今日はその1日目で、スケジュール表に沿って各チーム家庭科室に集まって、河上さんに教えていただきながら作業をしました。

 

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 私たちのチームでは、今日は煮しめ作りに取り掛かりました。実際に調理をするのは明日なのですが、煮しめは使う野菜や食材がたくさんあることもあって、今日の半日を使って材料を切り揃えて準備をしました。
 ただおせちを作るだけでなくて、それぞれの具材に込められている意味を知ることも大事だよ、そういって河上さんがおせちの意味を一覧にした資料もみんなに見せてくださりました。煮しめに入っている具材、例えば蓮根やニンジン、里芋、こんにゃくにはこんな意味が込められているそうです。

 蓮根・・・蓮根には穴が空いていて先が見えることから、将来の見通しが良くなりますようにという意味。

 人参・・・梅の形に飾り切りしたものを「ねじり梅」という。梅は古来から縁起物として愛されている。人参は蓮根同様に最後に「ん」が付いていることから、「運」が良くなるという意味。

 里芋・・・親芋にたくさんの子芋がつくことから、子孫繁栄の意味。

 こんにゃく・・・真ん中がねじれたこんにゃくは「手綱こんにゃく」と呼ばれる。手綱を締めるように自分を律するという意味。

 私は、おせちにはそれぞれ意味があることは知っていたけれど、具体的にどんなものなのか知らないことも多くて、すごく面白いなと思いました。

 

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 今日だけでも、煮しめチームではたくさんの種類の食材を切りました。中でもニンジンやこんにゃくは「ねじり梅」や「手綱こんにゃく」という切り方をして、おせち料理ならではの切り方もみんなと体験できて嬉しかったです。
 「ねじり梅」と作る時は、ニンジンを5ミリくらいの厚さに輪切りしたもの1枚1枚に、包丁で5枚の花びらを切り込んでいきます。河上さんの見本を見せてもらってから自分も切ったのですが、予想以上に難しくて、数枚作るだけでも結構苦戦したなと思います。

 

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 かなりたくさんやることがあったので、チームのみんなだけでは5時までに終わらせるのは大変かなと思っていたのですが、気づいたら家庭科室にいた他のチームの人達が手伝ってくれていたりして、何と時間に余裕を持って最後の片付けまで終わらせることができて、本当にありがたくて嬉しかったです。
 明日の午後にはいよいよ調理の工程に入るので、美味しい煮しめや田作りを完成させられるようにまたみんなと協力して頑張りたいなと思います。

(えみ)

 

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〈下町川畑でとれたダイコンとニンジンを使った紅白なますや、たたき牛蒡、カブの甘酢漬けなども仕込みました!〉

 

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〈各チームでの、紅白歌合戦の練習や、お正月遊びの練習も進んでいます〉

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〈音楽室では、紅白歌合戦のバンドの練習や、歌と合わせた練習も行ないました〉

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