【12月号⑱】「冬の古吉野で南国フルーツが穫れた! ―― パパイヤの初収穫 ――」 ななほ

 初夏の桃の樹が葉をいっぱいに茂らせているころ、盛男おじいちゃんがパパイヤの苗を下さいました。 そのパパイヤには、『紅天狗』という名前がついていました。

「パパイヤは非常に日光が好きなので、日当たりの良い暖かい所で育ててくださいね」

 盛男おじいちゃんがパパイヤの話をして下さるまで、私はパパイヤという名前は知っていても、どんな花が咲き、どんな実がついて、その実がどんな形で、どんな環境が好きで、何て考えたこともありませんでした。

 それからというもの、草丈が20センチも満たない程に小さかったパパイヤの幼木は、8月の夏の盛りに花を咲かせました。ふっと、いつものようにパパイヤの植わる吉畑手前ハウスに水やりをしに行くと、どこからかジャスミンのような、クチナシのような、爽やかで甘い香りが胸いっぱいに広がりました。

 南国の夜、暖かい風が吹いてパパイヤの香りが広がっていく。そんな光景が目に浮かぶくらい、上品に静かに、パパイヤは花を咲かせました。
  

一本の木に約二十の実がなり、直径十五センチになっています

   
 本来、パパイヤは高さ5メートルから大きいものでは10メートル近くにまで成長するらしいのですが、盛男おじいちゃんが下さったパパイヤは『矮性パパイヤ』のため、大きくても2メートルほどにしか背丈が伸びません。でも、そんなパパイヤもひと夏にして、20センチから2メートルまで成長しました。
    
 そして、盛男おじいちゃんとパパイヤの植え付けをした日から、半年がたち、パパイヤは初収穫を迎えます。

■たくさんの花を咲かせて

 今、一緒にパパイヤや晩白柚の担当をしている、るりこちゃんと一緒に朝起きてすぐ、吉畑手前ハウスに向かいました。パパイヤはメキシコ原産の為、暑さには強いけれど、寒さには弱いです。そのため、秋に入ってからはるりこちゃんとパパイヤの二重ハウスを作りました。

 パパイヤは品種によっても形が違うのですが、『紅天狗』はどこかラグビーボールを連想させるような形をしています。

 今回は試し採りとして、1つだけ収穫したのですが、収穫したそばからパパイン酵素という白い酵素の液が切り口から溢れてきて、パパイヤ独特の、爽やかな香りが広がりました。
 
 パパイヤは早いもので植え付けをした1年目から収穫が始まるので、とても育てやすく、その成長は著しいです。
      
 パパイヤは30度以上の気温が保たれた場所であれば、年中、収穫することができます。

 なのはなファミリー付近の畑は、ハウスの中でも冬場は零度を下回る日が続くため、年中、収穫を続けることは難しいようにも思うのですが、今もたくさんの花を咲かせ、実をつけているパパイヤにとって、良い形で収穫まで結べるよう、これからもハウスの温度管理や、日々の手入れをしっかり進めていきたいと思います。

 パパイヤはまだ熟れが進んでいなくても青パパイヤとしてサラダや、炒め物などで頂くことができるのですが、黄色く熟れて甘ーくなるまで、追熟させ、みんなで冬に南国の味を楽しみたいと思います。