【12月号⑰】「豊作のユズが大活躍」 りな

   
 ゆず畑を通るたびに、1本の木に視線が注がれます。畑の中に1本ぽつりと植わっているのは、ユズの木です。ついこの間まで葉の色に同化した、深緑の実だったのに、11月に入り、急に朝夕の気温が低くなってくると、ユズの実も、冬の訪れを感じたようで、一斉に実が黄色く色づき始めました。

 この時期だけ、ユズの木はとても存在感を放ちます。丸くて黄色い実が遠くからでも光っているように鮮やかに目に映って、まるでクリスマスツリーのオーナメントをぶら下げているようです。木を見るたびに、収穫したい! という気持ちが増してきます。香りのよいうちに、何回かに分けて、ユズの収穫を始めました。
  
  
 1巡目はさやねちゃんと、2巡目はつきちゃんと一緒に、ユズの収穫を回りました。なのはなのユズの木は3本あります。1本目は野畑横の、新しくお借りした畑、2本目はゆず畑、3本目は崖崩れハウスの奥にひっそりと植わっています。こんなところにユズの木があったんだ! 黄色く色づいて初めてユズの木の正体がはっきりします。

■甘くて爽やかな香り

 ユズの収穫には、軍手が必須です。なぜなら、鋭い棘が、葉や枝に無数にあるからです。太くて長い棘は、服を着ている上からでも、伸ばした腕をチクチクと攻撃をしてきます。その攻撃をかわしながら、とげのある枝に隠された、黄色い実を採ります。ユズの収穫をしていると、イバラの森に潜まれた、お姫様を救出するような気持ちになります。スリリングで、勇気の要るゆずの収穫が、難しく、楽しくもありました。
  
  
 鋭い棘に隠されて、守られるようにして生っているユズ。手の平に収まった時は、達成感を感じて、たった1つのユズが、とても愛おしく感じます。デコポンのように、少しでこぼこしているユズだけれど、収穫かごにたくさん詰まっている光景は、とても可愛いなあと思います。ユズの収穫をしている最中、甘くて爽やかなユズの香りに包まれて、満たされた気持ちになりました。

 手の届かない高い位置になるユズの収穫をするとなると、さらに難しくなります。収穫かごを肩に下げて、脚立に登ってユズに近づきます。高いところに付いているユズは、大きくて色付きも良く、とても綺麗でした。

 栄養を蓄えるために木にお礼肥もたっぷりとやって、来年の実の収穫に向けて、ユズの木の手入れもしっかりと行なっていきたいです。
  

収穫したユズは皮を剥いて絞り、柚子ポン酢にしました。他にも、皮は柚子味噌に、そして種は柚子化粧水に加工する予定です!

  
 脚立から落ちてしまわないよう、気を付けながらも内側に隠されたユズに手を伸ばすのは、少し怖くて気合がいります。でも、ユズ風呂や、ユズ味噌、ユズが、みんなに喜んでもらう形で変身する姿を想像すると、気持ちが奮い立たされました。

 あっという間に収穫かごがユズでいっぱいになり、肩にずっしりと重みが掛かります。持ち重りのする収穫かごも、とても豊かなことだなあと思って嬉しかったです。
  

絞り終えたユズは手ぬぐいに包んで、お風呂に浮かべました。湯船に浮かんだユズから爽やかな香りが充満し、心も体もさらに温まりました

 

■様々な料理に変身

 ユズは生り年と、不作の年が交互に訪れるようです。しかし、去年、実がたくさん収穫できた後に、たっぷりと追肥を行なったおかげで、今年も不作にならずに、大豊作でした。ユズの木3本から収穫できたユズの総量は、なんと、100キロ以上にもなりました。
  
  
 収穫をしたら終わりではなくて、保存や、これから始まる加工も、ユズの香りを生かして、良いように進めていけたらいいなあと思いました。ユズは、皮も、果汁も、全て料理に使うことが出来て、食卓の彩になったり、風味になります。加工すると、ジャムや、ポン酢や味噌、様々なものに変身出来て、オールマイティプレイヤーです。これからどんなものに変身していくのか、ワクワクします。