
12月17日のなのはな
石の下畑、いいとこ下畑に、夏野菜のピーマンやナスのコンパニオンプランツとしてひっそりと植わっていたパセリ。ピーマンやナスに施された肥料や水を、実はパセリもたくさん分けてもらっていました。そんなパセリは今、もさもさと葉を生やして、大きな存在感を放っています。
このままピーマンやナスが撤去され、畑にいなくなると、トラクター掛けや、新しい畑の準備も始まってきます。旺盛に葉を茂らせたパセリをそのまま畑にすき込んでしまっては、少しもったいないような気持になります。そこで、今日は畑に残ったパセリの収穫と、保存の作業に入りました。

さきちゃんとるりこちゃんと、石の下畑、いいとこ下畑に向かいました。これまであまり目に止めなかったパセリが、しかし今は株が大きくなって、畝の上に、びっしりと葉を伸ばしています。包丁を使って、根元付近から、ざっくりと1株をまるごと収穫します。収穫している間は、パセリの爽やかな香りが一面に漂っていて、すっきりとした気持ちになりました。
葉がくしゃっとして、くるんと丸まっているパセリが、ブロッコリーの花蕾に似ていて、とても可愛いなあと思いました。けれど、茎を見てみると、セロリにとてもよく似ていました。これまでパセリとはあまり接点がなくて、食べることも、そして収穫して、まじまじと見ることもほとんどなかったけれど、こうしてパセリを近くで見ると、とても面白い形をしていて、パセリが少し好きになってきました。

ハウス間畑に移植されたパセリは、今日は株ごと取らずに、畑で冬を越すことになります。パセリは一年草ではなく、冬を越して、また来年、再来年と枯れずに生き続けるようです。今日、株ごと収穫したパセリは、来年まで残ることはないけれど、全体の3分の1ほどのパセリはまだ畑に残って、新鮮な葉を収穫することが出来ます。また、パセリがお刺身の付け合わせや、食卓の彩として出てくることが楽しみだなあと思いました。
収穫したパセリは、しょうやくをして、洗ってみじん切りにして冷凍保存をします。しかし、全てをみじん切りにするのではなく、そのままの形で保存するものもあります。どういう形で、どのぐらいの量を保存するか、どうやって保存するかを、河上さんに教えていただきながら、進めていきました。
みじん切りにしたパセリは、様々な料理に使えるんだ、と河上さんが教えて下さりました。みんなで切ったパセリが食卓に並んでいる光景を思うと、とても嬉しい気持ちになるなあと思いました。みんなで美味しく、パセリを頂けたらいいなあと思いました。
(りな)
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日々進化する、桃の枝吊り。
門松づくりや落ち葉集め、様々なイベントを終えて、再始動しました。
昨夜はやよいちゃんが枝吊りメンバーに召集をかけてくれて、「明日は1日、桃の枝吊りができます!」と、熱のこもった目で話してくれました。
これまで、桃の枝吊りは半日を使っての作業しか行なったことがなく、作業が終わるたびに、「1日中、枝吊りができたらいいのに」 と話していたので、やよいちゃんのお知らせが嬉しいのと同時に、頂いた時間をしっかり活かしたいなと、ほんの少し緊張もしました。
朝食前の1時間半では、みかちゃんと一緒に、今日進める石生の桃畑にセンターポールを運んだり、開墾17a畑のセンターポールと外周ポールの距離を測量したりと、昨夜の作戦会議での目標を達成することができました。それに加えて、昨夜思いついた道具の素材も見繕うことができて嬉しかったです。
その道具は、大したものではないのですが2メートル50センチ強の長さがある竹の先端にVの字に切れ込みを入れたものです。枝を吊るためのエクセル線やワイヤーロープが絡まったときに、樹の中心に12段の脚立を立てるのは大変なので、もう少し簡単に絡まりがとれたらいいなぁと、思っていたら思いついた道具です。
朝から、この道具が今日一日いい仕事をするかどうかというのも、楽しみの一つでした。
当番を終えて桃の枝吊り、午前の部が始まります。
いつもと何ら変わらず、「カラマンモンローちゃん(枝を吊るす線が絡まないように仮止めしておく道具)」とエクセル線を結んでいるとき、ふと、
(これはこのまま、木の枝に結んでしまってもよいのではないか)
ということを話したのですが、1本目はひとまず今まで通り、モンローちゃんを活用しました。
2本目に入り、またエクセル線とモンローちゃんを結ぶ工程に入ります。
ななほちゃんが、
「でも、やっぱりこのまま枝に結んだほうが手間が少なくて、良いんじゃない」
と話し、やよいちゃんも、
「いいね、この樹だけそのやり方でやってみようか」
と話が進み、やってみると確かにモンローちゃんを使わなくても上手くいって、でも、
「モンローちゃんがいたからここまで進化したんだよ」「みんなと作った時間も楽しかったし」
と、モンローちゃんを大事に思うみんなの気持ちが、とても素敵だなと思ったし、わたしも温かい気持ちになりました。
みかちゃんとななほちゃんがワイヤーロープ、やよいちゃんとえみちゃんがエクセル線で枝を吊っている間、わたしは今まで、次の樹にモンローちゃんを設置する仕事をしていましたが、その必要もなくなったため、パイプの先端にキャップを取り付けたり、脚立や道具を移動したりと、たくさんのことを先手先手で進められて、午前中には夕の子桃畑の4本の樹を終わらせて、石生の桃畑へと進むことができました。
石生の桃畑は枝数が少ないから、今までよりシンプルに、手早くできそうだと、みんなと話していましたが、30年近くになる老木は、老木と思えぬほどに枝は上へとしっかり伸びていて、それにより、枝数は少なくても、ワイヤーロープやエクセル線で吊る位置も高いために、絡まりやすく、意外と時間がかかってしまいました。
しかし、えみちゃんやみかちゃんが上手に、今朝作成した竹を使って絡まりをほどいてくれたり、大変だからこそみんなで一本の樹を終わらせていこうという一体感がそこにはあり、難しい中にも楽しさを感じられ、石生の桃畑の1本目の途中まで、午前は全部で4本と半分の樹を進めることができました。
午後の部は、いつにない強風の中で始まりました。
石生の桃畑は風をさえぎるようなものは辺りに全くなく、特に風の力を直に受けやすい畑で、ついには脚立もグラグラとしてしまいました。
やよいちゃんとみんなで、これは危ないし、進みが良くないから、また暖かい日に進めようということで、今日は午前午後を通して、全部で6本の樹の枝吊りを終えることができました。
作業は途中で打ち切りとなってしまい、明日も雪予報で枝吊りの作業は進められなさそうですが、難解な石生の桃の樹をどうしたら少しでも綺麗に作業できるか、考えるのもまた、枝吊りの楽しみの一つでもあります。
次回の枝吊りまでに、改善できるものはしておいて、日々進化する枝吊りをみんなと味わいたいなと思います。
(なつみ)