「大きな海のよう」 まち

12月14日
 
 午前はなつみちゃんと、ブロッコリーの水やりをしました。ブロッコリーは頂花蕾が大きいもので直径15センチくらいのものもあって、株の中央にぱっと華やかなドームがあると、まるで花嫁さんのブーケのようだと感じて、見ているだけで癒されました。

 最初、10時半くらいに水やりをしようとすると、ホースが凍っていてばきばきで、水がちょろちょろしか出なくて、参ったね、となつみちゃんと話し、いったん古吉野に帰ってスタッフさんに相談して、まおちゃんがしていたアズキ磨きをやったり、ちさとちゃんが声を掛けてくれて、加工用の黒豆の選別をしたりしました。そのあと、11時45分頃になったら、陽が出て来て、温かくなったので畑に戻って、今度はちゃんと水やりをすることができて嬉しかったです。アクシデントがあったけれど、結局、色んなことができたし、ちさとちゃんもとても喜んでくれたので得した気分でした。
 
 午前はずっとなつみちゃんと二人で一緒だったけれど、終始なつみちゃんが笑顔で、優しくて、作業をリードしてくれていて、明るくて前向きななつみちゃんが素敵だと思いました。発電機が使えなくなったときも、ガソリンが入っていなかったときも、ホースが凍っていて水やりができなかったときも、どんなハプニングでも、焦ることなく、笑顔で、じゃあこうしよう、と前向きに提案してくれて、そっと方向を示してくれるなつみちゃんにとても救われました。

 午後はせいこちゃんやさきちゃんと、ナスの撤去をしました。スズランテープをカッターやかまでザクザクと落としていくのが、爽快で楽しかったです。竹を抜いたり、竹を縛ったり、竹を運んだりするのを、みんなでやっていると、気持ちが良くなりました。ナスも半年以上もってくれたんだな、と思うと、竹もすごく頑張ったんだな、と思って、お疲れ様です、という、暖かい気持ちになりました。

 4時半頃に、ふっと顔を上げると、ものすごく綺麗で大きな夕日が私たちを包み込んでいました。赤くて、周りはピンク色で、明るくて。すごく優しい、と思いました。

 夕方に玄関下を通ると、立派で上品な門松が、両サイドに置かれていて、とっても素敵だと思いました。おじいちゃんの手にかかると、どんなものも綺麗に美しく作ってしまうので、まるで魔法みたいだと思います。今日は、お昼も夜も、おじいちゃんとごはんを食べることができて嬉しかったです。

 おじいちゃんは大きな海のようだと思いました。おじいちゃんが、私たちの顔を見たら元気が出た、とか、私たちと一緒にごはんを食べるとすごく美味しい、と言ってくれるのが、本当に嬉しいし、私たちも、同じ気持ちだと思いました。

 夕食の配膳をさせてもらっているのですが、りゅうさんの分も取り分けてあって、こうやって、食事を、りゅうさんやおじいちゃんと分けて食べていて、それは家族だから当たり前かもしれないのだけれど、こういう雰囲気が、とても優しくて私は幸せな気持ちになります。これが、昔は、血縁関係のない人同士で行うのが、普通だったんだよなあ、と思います。もし私が自立して生活するようになっても、こうやって、お隣さんとか、周りの人に、自分が作った料理をお裾分けし合うのが普通でいたいし、そうやって生きていきたいと思います。

 お風呂に入ると、ピンク色のサザンカが生けてあって、すごく綺麗だと思いました。湯船では、のえちゃんが輪ゴムを使った手品を披露してくれました。なんとかタネを暴きたかったし、これが正解かな? と思う方法も分かったのですが、それを上手くのえちゃんみたいに手品をするのが難しかったです。手品をするのえちゃんや、それを見るどれみちゃんとかまおちゃんとかしなこちゃんとかと、一緒にわいわい話せた時間が、とても暖かかったです。

 お風呂にはたけちゃんもいました。たけちゃんがいるだけで明るくなって嬉しい気持ちになります。お風呂も、最近は慣れたみたいで、泣かずにご機嫌で入っていて、こうやってみんなで育てるのがすごく嬉しくて、みんな、どの子どもも、こうやって育てていけば、どんな社会になるんだろう、と思いました。

 利他心とは、例えて言えば、隣の人とおかずを分け合う感覚である。お父さんが教えてくれたこの言葉が、ものすごく好きです。ただの優しさとか、人が喜ぶことをすることが利他心ではなくて、おかずをみんなで分け合うような感覚。それが当たり前の社会。自分の中に、自分と人との垣根をなくして、こうやって生きていけばどれだけ幸せだろう、怖いことがないだろう。そう思います。

 みんなが私を守ってくれる感覚になります。みんなが優しいから、私が不出来なところも、許してくれて、受け入れてくれて、優しく誘ってくれています。それは当たり前ではなくて、自分もそうやって、人に暖かさを分けられる人間でいたいです。

 お母さんが、紅白歌合戦で一緒に歌う人を募集します、と言ってくれて、私はめちゃくちゃに歌いたい気分だったし、お母さんと、みんなと、思いっきり歌ってすっきり今年を締めくくりたいと思ったけれど、ちょっと恥ずかしくて、怖い気持ちもあって、お母さん、良かったら、私の背中を押してください。甘えてしまってすみません。

 優しく生きられますように。いつもありがとうございます。お父さん、お母さん、なのはなのみんなに感謝します。優しく生きられていることに感謝です。読んで頂いてありがとうございました。