
12月12日のなのはな 前半
半月ほど前から駅伝メンバーのみんなでランニング練習を始め、あっという間に勝央町一週駅伝大会当日を迎えました。なのはなのみんなを始め、たくさんの地域の方に応援していただきながら、これまで共にランニング練習してきた仲間と襷を繋いで合計約21.8キロの距離を走ることができて本当に嬉しかったです。
駅伝メンバーは朝8時に古吉野を出発し、開会式が行なわれる勝央町公民館前へ向かいました。受付が終わり、あゆちゃんが一人ひとりにゼッケンを配ってくれて、みんなで一緒にゼッケンを付けました。頭につけた赤いシュシュは、やよいちゃんのアイディアで、全員でお揃いです。大会から参加賞として手袋や水分補給用のお水なども配られ、今日は比較的寒くはなかったものの、待っているとやっぱり手先が冷たくなるので、暖かい手袋が嬉しかったなと思います。
開会式が行なわれるまで40分ほど時間があったのですが、その間はあゆちゃんが面白いお話や、春のコンサートのお話などたくさん話してくれました。私は初めての駅伝大会だったので、とても緊張していたのですが、あゆちゃんのおかげで少し緊張も和らいできて、待ち時間もみんなで楽しく過ごせて嬉しかったです。

開会式前、いよいよ1区と2区の人が先に輸送バスで出発地点まで向かいます。1区ののりよちゃん、2区のせいこちゃんに向かって、「行ってらっしゃい! 頑張ろうね!!」と声をかけると、2人も笑顔で「行ってきます!」と言ってくれました。2人の背中がとてもたくましかったです。
そのあとには3区のえみちゃん、4区のりなちゃんも笑顔で出発していきました。輸送バスに乗ってからは、それぞれ別の地点へ向かうため、みんなバラバラになってしまうけれど、出発するときのみんなの笑顔を見ると、自然と、(きっと大丈夫だ!)と思えてきました。
そして5区の自分と、6区のちさちゃんも出発する時間になり、あゆちゃんと7区を走るやよいちゃんに見送ってもらって、ドキドキしながらもバスに乗り込みました。
バスが出発するとき、窓越しにちさちゃんが外で私に向かってガッツポーズをしてくれているのが見えたのですが、そのとき、言葉は聞こえなかったけれど、ちさちゃんが、(ファイト!!)と言ってくれているように感じて、パワーをもらえてとても嬉しかったです。
午前10時。みんなの気持ちが込められた襷を手に、いよいよ第1区ののりよちゃんがスタートします。
(よしみ)
午前10時。
総距離21.8キロ、勝央町を1周するコースを7人で繋ぐ駅伝が始まる。
第1区スタートのピストルが鳴り、全22チームが走り出した。
出発前、お父さん、お母さん、永禮さん、よしえちゃん、れいこちゃんの応援に背中を押してもらい、胸にはみんなと繋ぐ赤い襷。それぞれの中継地点や応援に来てくれるみんなの存在を思うと、とても心強かった。
アップダウンの激しい第1区。
上り坂で足が重くなったり、息が切れてきたときも、沿道のみんなや地域の方々、大会スタッフの方々の応援に、走り続ける力をもらった。
沿道には誰もいないと思ったときも、後ろの方から鈴やタンバリンの音が聞こえる。車で移動しながらも、みんなが応援してくれて、いつもみんなと走っているような気持ちになった。
最後の上り坂。第2区を走るせいこちゃん、応援にきてくれたみんなが待つ中継地点へ。
せいこちゃんが力強く襷を受け取ってくれ、レースは第2区へ。
(第1区 のりよ)
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第2区の中継地点。ここは、勝央工業団地の中です。2区の選手は開会式には出ずに、早々にみんなと別れ、この中継地点で、ウォーミングアップをして待っていました。緊張や不安を感じているとき、向かいから車が走ってきました。その中の人たちは、みんな笑顔でこちらに手を振ってくれています。
「ん? お辞儀した方がいいかな……」
そんな風に思って目を凝らしてみると、車に乗っていたのは、まえちゃんやゆいちゃんたちでした。私は、スタート前からみんながそばにいてくれると思っていなかったので、びっくりしたのと同時に、一気に緊張がほぐれました。
またしばらくすると、後ろから、誰かに両肩をポンッとされて、振り向くと、永禮さんでした。それもまた本当に嬉しかったです。
1区のみんながスタートしてから、約15分後。係りの人が「315! 315!」と呼ぶ声がしました。私たち、『チームなのはな』のゼッケンの番号です。遠くから、タスキを片手に、すごいスピードで走ってくる、のりよちゃんが見えます。のりよちゃんは私にタスキを渡す瞬間に、私の腰をポンポンッと叩いてくれて、耳元で、「ファイト!」と言ってくれました。その一声にのりよちゃんの大きな優しさを感じて、スタートダッシュから、思い切って伸び伸びと走れました。
2区はなだらかな坂道はあったけれど、全体的に平坦な道のりでした。走っている道中も、お父さんお母さん、なのはなのみんなが車の中からタンバリンや鈴を鳴らして、こちらに手を振ってくれます。大好きなみんなのおかげで、私は、私史上、最強になれました。今まで練習してきた中でも、今日がダントツで足が軽かったし、走っていて本当に気持ちが良かったです。
あっという第3区に着きました。えみちゃん、タスキを笑顔で受け取ってくれてありがとう! 第3区のえみちゃんに続きます。
(第2区 せいこ)
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のりよちゃん、せいこちゃんからのたすきをもらい、私は3区を走らせてもらいました。3区は、間に少しアップダウンはあったけれど、比較的平坦な道の多いコースでした。
出発前は正直とても緊張していて、走りきれなかったらどうしようといった不安な気持ちになりかけていたけれど、ふと気が付くと道路を挟んだ目の前に、カメラを首から下げたみかちゃんの姿があって、その笑顔を見ると、それまでガチガチに力が入ってしまっていた肩の力が抜けていくのを感じました。
そのすぐ後、誰かに肩をポンと叩かれたと思って振り返ると、そこには永禮さんがきてくださっていたりして、たくさんの応援のみんなの存在が心強かったです。
初めに到着した、一般男子の部の選手の方をはじめとしたチームが何人か通り過ぎて、しばらくすると中継地点の係員の方が「315番!」と読み上げる声が聞こえました。その時、とても嬉しかったです。1分後くらいに、せいこちゃんが満面の笑顔で、力強くたすきを片手に走ってくるのが見えて、それに力をもらってたすきを受け取りました。
いざ走り始めてから、ゴールまではあっという間でした。細い道を通り過ぎて大通りに出ると、どこからともなくタンバリンや鈴のシャンシャンという音が聞こえてきて、3区の応援で来てくれていたみんなの姿が見えました。その後は少し上りの坂道があったのですが、そのてっぺん近くではお父さんお母さんたちが手を振りながら待っていてくれていたのが嬉しくて、きついと思う暇もなく気づいたら下り坂に折り返していました。
またもや後ろから鈴の音が聞こえると思ったら、なのはな車の窓からみんなが手を振ってくれたり、地域の方も沿道に出てこられていて拍手で応援をしてくださって、その中で走っていると、これは本当に自分が走っているというより、みんなに走らせてもらっているんだなというのを感じました。そして何より、走っているのが最高に楽しいと感じた瞬間でした。
4区の中継地点が見えてくると、次の走者、りなちゃんが笑顔で待っていてくれました。せいこちゃんから受け取ったたすきを、みんなのおかげで無事にりなちゃんに繋ぐことができて、安心して嬉しかったです。
(第3区 えみ)
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4区の中継地点。青や緑、赤色のゼッケンをつけた、3区ランナーが次々に4区の中継地点を目指して走り込んできます。「301、301!」「106、106!」ゼッケン番号を呼ぶ、メガホンの音の中に、確かに「315、315!」という数字が聞こえました。自分の胸に付けられたゼッケンをもう一度を見ると、「315-4」。
えみちゃんだ、えみちゃんが走ってくるんだ! 心臓の鼓動がピークに達しました。
曲り道から、全速力で走ってくる人が見えました。赤色のゼッケンに、頭には赤いシュシュ。思い切り、叫んで応援したい気持ちになりました。えみちゃんが赤い襷を、力強く渡してくれました。襷と同時に、えみちゃんや、1区、2区を走ったのりよちゃん、せいこちゃんの気持ちまで受け取ったような気持ちになりました。これまで襷を繋いできた3人の力に背中を大きく押してもらって、スタートを勢いよく切ることが出来ました。
スタートしてからしばらく走ると、見慣れた光景が目に飛び込んできます。右手には魚とり畑、左手には保育園前畑も見えるし、ひと際高いところに立っている六角形の屋根の建物……、古吉野なのはなではありませんか! 普段、何気なく通っている道が、今はもっと賑やかで普段とは違う道のように感じました。
前方から聞こえてくる鈴の音は、もしかしたら、なのはなのみんなかもしれない……! そう思うと、足が軽くなって自然と笑顔になりました。
選果ハウスの隣で、なのはなのみんなが、鈴やタンバリン、カスタネットを鳴らして、温かく応援してくれました。言葉はないけれど、みんなの優しい眼差しや、飛び切りの笑顔から、言葉以上に、心に伝わるものがありました。
通り過ぎた後も、背後でずっと鈴の音が聞こえていて、姿が見えなくともずっと、すぐ近くで優しく見守られているような気持になりました。私一人の力ではなくて、本当になのはなのみんなが、そして繋がれた襷が、ぐんぐん背中を押してくれているようでした。
夕の子畑の坂道をずっと登っていきます。目の前に上り坂が見えます。でも、足が重くなることを忘れてしまうぐらい、終始なのはなのみんなが代わる代わる、応援してくれました。お父さんとお母さんが温かく手を振ってくれました。辛いと感じることは、一時もありませんでした。それよりも、応援してくれたたくさんの人への、感謝の気持ちでいっぱいでした。
坂を上りきって、右折すると遠くに5区の中継地点が見えて、たくさんの選手の姿が見えました。その中で、確かに手を振ってくれている人がいます。よしみちゃんです。よしみちゃんが、笑顔で待っていてくれます。よしみちゃんの満面の笑顔を見て安心して、出せる限りのスピードを出しました。襷を渡すと、よしみちゃんが軽やかに走って行く姿がありました。その姿を見て、これまで駅伝チームのみんなと、ランニング練習をしてきた日々を思い出して、満たされた気持ちでいっぱいになりました。
(第4区 りな)
〈→12月12日のなのはな 後半へ続きます〉