「古畑の桃の枝吊り」 ななほ

12月6日

 今朝はえみちゃんとりなちゃんとオリーブの全収穫をしました。私は朝食当番までの間だったのですが、オリーブや2人の写真も撮れて嬉しかったです。
 また、午後からはえみちゃんとりなちゃんがオリーブの加工にも入ってくれて、河上さんに教えて頂きながら、オリーブのシロップ漬けをしたそうです。まだ完熟ではないものは塩漬けにしたそうなのですが、シロップ漬けは2~3週間で頂けるのかなと思い、どんな風に仕上がるのか楽しみです。

 話は変わってしまうのですが、午前はフルメニューの後にダンスとコーラス練習もしました。ここ数日は、ユズの加工やレポートなどでフルメニューやダンス練習に出られない日が多かったのですが、なぜか以前よりも身体が柔らかくなっていてホッとしたし、図書室でりなちゃんとみつきちゃんと、大きな声でハッキリとコーラスを練習できました。

 ダンス練習もゆりかちゃんがメニューを考えてくれて、2人で見合いながら自分の癖になっている振りを修正したり、『レインボー』もタメをつけて、粘り強く踊る練習もして、明日の演奏がより楽しみになりました。

・桃の枝吊り

(どうしてこんなに楽しいのだろう)。そんな疑問を抱いてしまう位、桃の枝吊りが楽しかったです。
 一昨日から始まった、桃の枝吊り。昨日は枝吊りの作業に出ることができなかったのですが、毎晩の作戦会議の効果もあり、日に日に進化しています。

 昨夜、お父さんが、
「ワイヤークリップを留める時に、インパクトが使えたらいいね」
 と話されていて、今日、実際にインパクトを持ってきました。
 ワイヤークリップのネジは8ミリの為、ネジとネジの間も狭いので、インパクトの厚みが心配だなと思っていたのですが、ロングサイズとショートサイズの型を合わせてみると、ショートサイズが桃作業にはピッタリで、みかちゃんとなつみちゃんと思わず飛び跳ねてしまいました。

 朝食前の時間にみかちゃんとなつみちゃんが準備をしてくれたエクセル線とステンレスワイヤーをセンターのポールの、単管ベースに縛ってきました。
 一昨日に作業をした時は、今まで付けていたロープが全て繋がっていたので外しにくいなと思っていました。でも、作戦会議をした時に話したように、センターポールを倒して、単管ベースにワイヤーを縛ってから、センターポールを立てると作業効率もよく、とても楽しかったです。

 みかちゃんやなつみちゃんが、昨日習得した技もつたえてくれたり、こんな風にしたら一発で解けるんだよと手順も伝えてくれて、少しでも良い作業を、少しでも無駄のない作業をと思い進めて行きました。
 エクセル線やステンレスワイヤーを結ぶのは少し力がいるのですが、ギューッと縛って、ガチガチに固定されるたびに(やったー)と心の中でガッツポーズをしました。

 その後は、桃の外周の支柱を固定するためのエクセル線を結んでいきます。
 なつみちゃんが12段の脚立に乗り、私はセンターポールを押さえていたのですが、テコの原理が加わって、少しでもエクセル線を引っ張られると、そのままポールも倒れてしまいそうになり、全力でポールを押さえていました。
 
 みかちゃんが地面と垂直になっているかを見てくれて、すこし食い気味でエクセル線を結ぶと、3本のエクセル線が天井で綺麗な三角屋根を作っていて、ビヨンと指で弾いたら音がなりそうなくらい、ピンピンに張ることができました。
 そうこうしている間に時間も経ってしまったのですが、ちさとちゃんが、「おやつ、届けに来たよ」と焼き芋を届けに来てくれて、丁度、休憩がてら、3人座って、桃の樹の下で焼き芋を食べました。

 その焼き芋の甘さがとても優しくて美味しかったし、桃の話をしながら、桃の事を思いながら、なつみちゃんとみかちゃんとおやつを食べていると、幸せな気持ちになりました。
 なのはなに来るまで、まさか自分が桃を育てるなんて思っていなかったし、12段の脚立に乗ることも、桃の樹の下で焼き芋を食べることも、それ以前に、こんな風に外に出て動いているなんて想像もつきませんでした。

 でも、こうして新しい仲間と一緒に、助け合いながら桃の枝吊りをして、試行錯誤しながらもお互いに思いやり、力を合わせて、桃にとって良い作業をと考えられる今が、本当に幸せだと思います。
 今日は、初めてインパクトレンチも使いました。インパクトは自分の中で難しい印象があったのですが、やってみると簡単な力でネジが入っていき、とても気持ち良かったです。

 今まではものすごい力を入れながら、ワイヤーを押さえつつ、レンチを使って不器用さ丸見えのまま、必死にネジを締めていたのですが、インパクトを使うと、本当に一瞬でした。
 ワイヤークリップは2つのネジがあるので、交互に少しずつネジを締めていき、みかちゃんが、「さっきよりも、早くなってる」「さっきよりも、上達したね」と自分のことのように喜んでくれて、私も嬉しくなりました。

 また、4時ごろからはふみちゃんが枝吊りの助っ人として来てくれて、なつみちゃんとふみちゃんがエクセル線、みかちゃんと私でステンレスワイヤーの枝吊りをしていきました。
 今の桃の樹形や大きさ、コンデションと共に、少し先の未来を見て、夏に桃の実がついた時をイメージしながら、その木にあった場所に枝吊りをしました。

「もう少し、後ろの方がいいんじゃないかな」
「ステンレスワイヤーは、こっちの枝の方がいいと思う」
「亜主枝よりも主枝をメインにステンレスワイヤーを使ったらどうかな」
 なつみちゃんやみかちゃんと意思疎通をしながら、桃に優しいやり方で、より効果的な作業と結果が出るように考えました。

「少し大変かもしれないけれど、もう2本、エクセル線で枝をつりたいね」
 そう、話してエクセル線を追加でつけることにしました。
 センターポールの横に12段の脚立をセットして、エクセル線を片手に登っていくと、このまま、空高くまで、どこまでも昇っていけそうな気持ちになりました。でもちゃんと、足元には気を付けて、慎重に脚立に乗っているのでご安心を。

 12段の脚立の上までくると、丁度、西の空に夕日が沈むところで大きな、大きな夕日が私たちを見守るように、そっと山に沈んで行きました。
 その光景は山なのに、海を連想させるくらいに四方八方にオレンジ色の光が散って、その向こうに虹が見えるような気がするくらい、絵にかいたような夕日でした。

 こんな風に脚立に乗りながらも、安心した気持ちで夕日を見られるのも、みんなと「綺麗だね」と夕日が沈むのを見られるのも、なのはなだからだなと思いました。
 夕方のお散歩をしていた板坂さんが、「おう、脚立から落ちないようにね」と声をかけて下さったり、作業が終わったみんなが手を振ってくれたり、みんなの存在を感じながら作業ができて嬉しかったです。

「みかちゃんとななほちゃん、本当にかわいい姉妹みたいだね。お姉ちゃんが妹に教えてるように見える」
 なつみちゃんがそう言ってくれて嬉しかったし、そういうなつみちゃんとふみちゃんも、ずっと昔から一緒にいる姉妹のようで、改めてこんなに素敵な家族がいて嬉しいなと思いました。

「終わったね。終わったよー!」
 みかちゃん、なつみちゃん、ふみちゃんと喜びました。

 夕方の時間も暗くなるまで、少しみかちゃんとポールの修正をしたら、誰が見ても文句なしなんじゃないかというくらい、ピンピンにエクセル線を張ることができて達成感を感じました。
 早く、明日の明るい時に、お父さんお母さんや、やよいちゃん達にも見てほしいです。

「ななほちゃん、本当に桃の作業が好きなんだね」
 みかちゃんが笑いかけてくれて、明日も、明後日も、桃の枝吊りができると思うとワクワクするし、もっと進化できるように、今夜も作戦会議をしたいです。

 お父さん、枝吊りをする畑の順番は、古畑から始まり、奥桃畑、石生の桃畑、池上桃畑、夕の子桃畑、開墾26アール、17アール、新桃畑という順番でどうかと考えています。
 また、新桃畑と開墾26アールの4年生の樹に関しては、誘引の作業は必要だけれど、まだ樹も若かったり、樹勢も良かったりして、枝が下がっていないので今年はまだ枝吊りをしなくてもよいような気もしました。
 お時間のある時に、相談ができたら嬉しいです。