「無数に光る星」 ななほ

11月29日

・発声練習
 夕食の時にやよいちゃんが、「鬱憤を晴らしたい人がいたらぜひ、今夜の発声練習に来て下さい」と話していて、(これは行くしかない)と半分は冗談ですが、自然と身体が動いていて発声練習に行きました。
 実際に、最近はあまり大きな声を出す機会がなくて、声が出にくいなと感じていたのでこんな風に、発声練習で声を出す機会があるのは嬉しいなと思いました。
 
 やよいちゃんが考えてくれて、『ネバー・ギブアップ』の和訳を4行ずつ、みんなで回したり、2019年のウィンターコンサートのセリフからいくつか言えて嬉しかったです。
 ウィンターコンサートのステージの上で、雨の音に言葉をかき消されそうになりながらも、必死で言葉を出すアカリを思いながら、発声練習に向かいました。

 発声練習に参加するのは初めてだったので、最初は緊張していたのですが、こんなにも声を出すことで心がスッキリして、無理にでも大きな声を出すことで気持ちが外向きになるんだなと思いました。

 えみちゃんやほしちゃん、まおちゃんも一緒に練習したのですが、みんなの声が綺麗で透き通っていて、その人の魅力をまた1つ、見つけたようで、その人のことが今まで以上に好きになったように感じます。

 夕食後すぐだと、私は月曜日から日曜日まで別のことで埋まってしまっているのですが、また機会があったら行きたいし、日ごろから大きな声でハッキリと喋ったり、言葉と言葉の間を区切って、周りの人に優しい態度をとれるように気持ちを使っていきたいと思いました。

・無数に光る星

 午後からは河上さんに教えて頂きながら、りなちゃんとユズの加工の作業に入らせて頂きました。
 前回、ユズの加工をした時に20キロのユズから絞り出した2.5リットルのユズ果汁を、今回はユズポン酢にする為、調味料を揃え、瓶の煮沸消毒などをしました。

 朝食当番や夕方、夜などはあっても、日中に台所で作業をするのは年に数回くらいなのですが、河上さんが終始、笑顔で教えて下さり、私もつい嬉しくて笑顔になってしまいました。
 ユズポン酢は醤油やみりんとユズ果汁を合わせた後に、かつお節と昆布でだしをとり、今夜は一晩寝かします。

 また明日、りなちゃんと瓶詰めできるのが楽しみだし、河上さんが「明日、ユズの種で化粧水を作ろうな」と言って下さり、とても楽しみです。
 その後もユズの選別などをしていたのですが、綺麗なユズが約30キロ、少し傷のあるユズが20キロほど、まだありました。

 河上さんと相談して、今後綺麗なユズはユズ味噌にして、傷のあるものは皮をむきコンポートや追加でユズポン酢を作ることになりました。りなちゃんとざっくりと、今後の計画立てをして、またお父さんお母さんにも相談して、いい時にユズのコンポートもみんなに出せるように、りなちゃんと一緒に考えたいなと思いました。

 
 夕暮れ時、崖崩れハウスのビニール閉めに2人で向かったのですが、外は薄暗くなる中、西の空がオレンジ色に染まり、一番星が輝いていて、オレンジから紫、紺へと空がグラデーションになっていました。

「わー。綺麗だね」
 その空を見た瞬間、視界がパーッと開けたような、心に光が差し込んだような、気持ちになりました。
(何があってもなのはなのみんなと空には嘘がつけないな)
 そんな風に感じるくらい、空が私たちを待っていたかのように輝いていて、立ち止まってしまいました。
 段々と辺りも暗くなり、ハウス三棟のビニール閉めをしていると、セロリも、向かいにいるりなちゃんの顔ですらも見えなくなってしまったのですが、それでもハウスからうっすらと差し込んでいる星の小さな光がハウスを照らしていました。

 ハウスからの帰り道、りなちゃんと2人並んで空を見上げながら古吉野へ戻ると、さっきまでは一番星だけが目についていた空も、無数の星がキラキラと輝いていて私たちを見ていました。
 りなちゃんと、「どうして星は、光っているんだろうね」「今見ている星は、ずっと昔の星の光なの?」と話しながら、りなちゃんが、「これはオリオン座だよ」と教えてくれたり、北斗七星やカシオペア座を探したりして、歩いて帰りました。

 途中からは時計を見るのも忘れてしまったのですが、丁度、玄関に入ると夕食の放送がなり、食堂に行くと暖かくて、たくさんの人がいて、家族がいて、私は幸せだなと思いました。
 星が無数に光る星がみんな集まって空に浮かんでいるように、私たちもみんな集まってなのはなにいて、一緒に光っていて、幸せだなと思いました。

 りなちゃんと星を見ることができて、久しぶりにゆったりとした気持ちで、空を眺めた時間が嬉しかったです。

 山小屋便りも完成したと聞いて、今回は編集をかにちゃんとるりこちゃんに任せっぱなしにしてしまったのですが、またホームページにアップしたり、来月は少しでも貢献できたらいいなと思います。