11月28日
今朝は霧が濃く、ひと際寒く感じたのですが、早朝に駅伝メンバーのみんなと一緒にランニングをすると、とても身体が温かくなりました。それでもやっぱり手はかじかんで、朝食の時にあまり手が思うように動かないことが、もう冬なんだなあと思わせました。
日中になるとカラっと空が晴れてきて、午後はみんなと金管五重奏の演奏を見に行くことが出来て嬉しかったです。
私達も今、コンサートに向けて全体演奏の楽器練習を始めているので、今日の演奏で、少しでも吸収したいなあと思いました。プロの方の演奏はあまり聞いたことがなかったので、ワクワクしました。
勝央文化ホールが会場でした。毎週水曜日、太鼓を習わせてもらっているステージが、今は舞台袖が白い壁でがっちりと覆われ、サイドにいくつもの照明器具が置かれ、見覚えのあるステージとはガラッと印象が違いました。ステージの上には、演奏者の方が座られるイスや、譜面台、そして変わった形のトランペットが置かれていました。トランペットのようだけれど、管がチューバのように、だ円形に丸まっていて、普通のトランペットよりも少し大きく見えました。照明の光を反射して、キラキラと輝いていて、楽器の見た目もとても綺麗だなあと思いました。
時間になって、観客席が暗くなると、花道から演奏者の方々が楽器を吹きながら登場されました。トランペットやトロンボーン、あまり見たことのないホルン、そして胴体を隠してしまうぐらい大きなチューバ。色んな楽器がそれぞれ異なる音色を出していて、でも耳に聞こえてくるのは、全ての音が重なり合って、一つの楽器のように思えるぐらいぴったりと合わさっていて、凄いなあと思いました。
一つひとつの楽器の紹介をしてくださいました。中でも面白いなあと思ったのが、ホルンの管を全部伸ばすと7メートルある、ということや、ホルンのベルの中に手を入れずに吹くと、強烈な音が出るということです。また、チューバ一つで、15キロほどの重さがあるそうで、キャベツをいっぱいにいれたコンテナ一つ分ぐらいかな、と想像すると、本当に重いんだなあと知りました。
トランペット主旋のアンサンブルでは、トランペットの華やかな、澄んだ音がとても綺麗だなあと思いました。こんなに小さなベルから、ホール中に響き渡るぐらい、音量の大きい音が出ることが凄いなあと思いました。
一つひとつの音が力強くて、それでいて突き刺す音がなくて、まろやかでした。音と音の間が滑らかで、川が流れているようだなあと思いました。
一つひとつの楽器が、五重奏の中でどんな役割をしているのかを教えて下さいました。ピッコロトランペットは上のほうでキラキラと輝いている音を出して、トランペットは主旋、トロンボーンは主旋律をより際立たせる対旋律、ホルンとチューバは表拍と裏拍をそれぞれ刻むベース。一つのアンサンブルの中で、それぞれの楽器がどんな音を出して、どんな役割なのかを知りました。楽器のそれぞれの役割を知ってから、再び演奏を聞くと、主旋律をただ聞くのではなくて、主旋律を引き立たせる音も聞こえてきました。小さな音や、大きな音、ミュートを使った少し変わった音など、一つの楽器でも出せる音の幅が広いんだなあと改めて感じました。
私は楽器はクラリネットを担当しています。大きな音を出すことも難しいけれど、小さくて綺麗な音を出すことも、大きな音を出すぐらいとても難しいなあと思います。でも、今日の演奏を聞いて、楽器は違うけれど、綺麗な音のイメージが持ちやすくなったなあと思っいました。
演奏が終わった後は、とても楽器を吹きたい気持ちになりました。楽器を練習する活力をもらって、また気持ちを入れて、春のコンサートに向けて、練習を頑張りたいなあと思いました。
夜にやよいちゃんの放送を聞いて、体育館の発声練習に参加しました。大きな声が出せないというわけではないのですが、気が小さくなってしまったり、縮こまってしまうことがあります。これまでずっと発声練習に参加したいな、と思っていたのですがなかなかいけなくて、でも今日は勇気を出して体育館に赴きました。
やよいちゃんが、
「今日は2019年のウィンターコンサートのセリフを言います!」
と言ってくれました。プリントを見ると、あかりのセリフと、その下には、少年レオナルドのセリフが書かれていました。
体育館の端に立つ人に聞こえるぐらい大きな声で叫んでいると、悩んでいることや、自己否定も全部吹っ飛んでいきました。人の評価を気にしたり、ビクビクする気持ち、枠に閉じ込められたような気持があったけれど、そんな気持ちがとてもちっぽけに思えて、気持ちがすっきりしました。
レオナルドの言葉は、久しぶりに出会ったセリフでした。最初は気持ちを入れられなかったセリフ。でも、ウィンターコンサートの練習を仲間を一緒に進めている中で、やよいちゃんが夜もずっと演劇練習を見続けてくれたり、レオナルドファミリーのみんなと通したり、みんながダンスや、演劇や、コーラスで、気持ちをさらけ出して、伝えようとしている姿を見て、私もセリフを気持ちを込めて言えるようになったなあと思いました。今、大きな声が出せることも、明日を安心して迎えられることも、私にとっては当たり前ではなくて、なのはなのみんなにウィンターコンサートを通じて救い上げてもらったからだなあと思いました。
少年レオナルドのセリフを、みんなが思い切り叫んでいる姿も、切実で、心に伝わってくるものがあって、こうしてセリフが生きているのが嬉しいなあと思いました。