【11月号①】「次なるコンサートへ、始まりの一歩 ―― お父さんの誕生日に贈る、六チームから音楽劇のプレゼント ――」なお

10月14日のお父さんの誕生日プレゼントに、管楽器アンサンブルの演奏と、新曲にのせたファッションショーの音楽劇を贈りました! 会場は色鮮やかに飾り付けされ、非日常の空間に。 力を入れた衣装考案では新作衣装や手作りのアイテムを取り入れた、目新しい衣装が続々生まれ、次回のコンサートへの意欲が高まる、素敵な会となりました!

 

 音楽劇とファッションショーのステージ。

 なのはなファミリー一人ひとりの、お父さんへの思いを、演奏や劇、衣装、ダンスという形にした、大好きなお父さんへの誕生日プレゼントです。

 私は、まえちゃん、なおとさん、あやかちゃんと四人でお父さんのお誕生日会の実行委員をしました。実行委員のメンバーをまえちゃんから聞いたとき、私は思いました。

(良いチームワークでできる。きっと素敵な誕生日会が作り上げられる)

「この四人の中で誰かが抜けてしまったらうまくいかない。四人だからいい形でできる。そう思って実行委員を託してもらったんだと思う」

 まえちゃんが話してくれたことです。四人がお互いに補完し、アイディアをより良いものにする相乗効果を生み出し、作れるものがあります。

   
   

それはこの中の二人でも三人でもできないことです。四人の凸凹がうまくかみ合い、『実行委員』というひとつの形ができるのだと思いました。まえちゃんの言葉が、実行委員として動く中ずっと私の中にありました。まえちゃん、なおとさん、あやかちゃん、そして私も、お誕生日会を作り上げる中で欠くことのできない存在でした。 

 一人の中の一人として、自分にできる精いっぱいで役割を果たして、そしてたくさん助けてもらって、前に進もうと思いました。

 準備が難航しても、きっと形になると私は信じていました。そして本番までの準備期間、まさにその通りの日々となりました。 

   
  
 お誕生日会でお父さんに贈るプレゼントは、新曲を使ったファッションショーとアンサンブル演奏です。それを、ひとつの会として構成することが実行委員の役割です。あゆちゃんが、大まかに立てた会の流れを伝えてくれました。

 一部でアンサンブル、二部でファッションショーとなっています。四人で集まり、実行委員としての役割分担を決めて動き出しました。私はまずは全体の進行やオープニングの演出を考えることになりました。

■アンサンブルと音楽劇

 二部構成の会をイメージします。まずは、アンサンブル。新しく楽器を始める子や、これまで経験のない楽器にチャレンジする子もいる、新編成の演奏での幕開け。

「音楽の感動は、演奏する側と聴く側の間にある」 
 お父さんがいつも話してくれる言葉が浮かびます。
    

フルートパートによる『リベルタンゴ』

  
 イベント出演が少なくなり、楽器を持ち人前で演奏する機会は以前より減りました。そんな中、アセスメントやギター教室の発表会などで演奏があると、演奏する喜びの大きさをあらためて感じます。

 お父さんも、「やっぱりなのはなはこうでなくちゃ。音楽があるって良いね」としみじみと言います。なのはなのみんなでの演奏は、音楽が大好きなお父さんへのなによりのプレゼントになると思いました。

 私たちとお父さんの間に、喜びや感動を作り出すアンサンブル演奏にしたいと思いました。メインがファッションショーでアンサンブルは幕開け、という形ではない何か、と考えました。

■脚本書きの始まり

 会のオープニングとしてファッションショーにつなげる演出でありながら、アンサンブルをより良い形で見せるためには……音楽劇だ! なのはなといえば、音楽劇。 コンサートへの一歩となるお誕生日会としても、それはふさわしい形だと思いました。なによりも、自分が音楽劇が好きで、それを作りたいと思いました。
  
  
 思い立ったが吉日というか、猪突猛進というか、私は、会の一部で実行委員四人が役者となり、みんなのアンサンブル五曲をつないでいく音楽劇にするイメージ一色になりました。まえちゃん、なおとさん、あやかちゃんに、そのアイディアを伝えました。

「もし、できたら、なんだけど(と言いつつ私の心はかたまっている)、アンサンブルを音楽劇の形にするのはどうかな?」

 三人もあゆちゃんも、「それ面白いね! やってみよう」と言ってくれて、音楽劇案で演出の考案が始りました。 会のテーマや、二部のファッションショーにつながる劇にしたいと思いました。

 もちろん、ウィンターコンサートのごとく三時間にわたる音楽劇ではありません。会全体の時間を考えて、曲含めて四十五分ほどの、ショートストーリーです。

 

トロンボーンパート 『ルーマニア民謡舞曲』

  
 お父さんに贈るということはもちろん、作るみんなも、劇と曲をサンドイッチにした演出や、出はけを体験して、ウィンターコンサートのイメージを少しでも持てたらいいねとまえちゃんと話しました。

 みんなのコンサートへのモチベーションが上がったら、それもまたお父さんへのプレゼントになると思いました。さあ、脚本書きの始まりです。

 ここからが、難産でした。私の傾向として、大きく生もうとして形になる(生まれる)のに時間がかかるということがあります。小さく産んで大きく育てる、の逆をいってしまうのです。物語のテーマや素材を決めようというとき、なおとさんが、お父さんが集合で話してくれたことを教えてくれました。昨今のアパレル業界のお話です。

「それだ、それ! それを物語の題材にしよう」

 お父さんのお祝いが大きなテーマであり、それをファッションショーとつなげつつ、いまの社会問題や私たちの生き方をからめよう、と壮大なことを考えてしまいました。

■伝える物語

 関連する本を借りて読み、調べ、としているうちに迷走していきます。なんとか最後まで書いたものの、この脚本はだめだろうとわかりました。
  
  
 まえちゃん、なおとさん、あやかちゃんに、忌憚のない意見を求めました。ストレートに伝えてくれるメンバーであったことに、私は助けられました。 

 題材としては面白いが、いかんせん四十五分の音楽劇。うち二〇分は演奏の時間。劇の収集がつかなくなり、伝えたいことが絞られておらず、面白みという点でも、気持ちを伝えるという面でも中途半端になっていたと気づきました。

 三人と話して、登場するキャラクターは生かしつつ、物語そのものを白紙にもどして書き直すことにしました。まえちゃんが一緒に、曲順や、どんなシーンを作るかを考えてくれました。いま、お父さんに伝えたいこと。

■ゴールにたどり着くまで

 お父さんと出会って、いま私たちはどんな生き方をしたいと願っているのか、それを伝える物語です。

 拙くてもいいと思いました。うまく面白く物語を書こうという雑念をなくして、シンプルに、気持ちを伝える劇にできたら、と願いました。そしてみんなのアンサンブル曲があります。その演奏と劇が、お互いの表現を引き立て合いたいと思いました。
  
  
 そこからも、するりと生まれたわけでもなく、三歩進んで二歩、どころか三歩下がるという状態でした。会本番へのカウントダウンが静かに、しかし確実に進む中で、まえちゃんとあやかちゃんは、飾りをすすめ、なおとさんは司会のつなぎに使う、映画や音楽に関するトリビアを調べてくれていました。

 いよいよもって、もう間に合わないというとき、まえちゃんが最後の最後、書き上げるゴールにたどり着くまで、隣で一緒に伴走してくれました。こんなセリフはどうか、とアイディアを出し、大丈夫、絶対できあがるよ、と応援してくれました。そして、お父さんへの気持ちを込めた物語が完成しました。

 なおとさんは、台本を渡してセリフを発すると、すっと役に世界に入っていきます。立ち位置や動きが決まっていくごとに、なおとさんの演技ものってきます。あやかちゃんはセリフはほとんどなく、動きや表情で演じる役でした。

 あやかちゃんと役が私の中で自然につながり、あやかちゃんの柔らかでどっしりとした笑顔と、大丈夫と信じてくれている存在感に大丈夫、いいものができるんだ、と思えました。

 まえちゃんは、四人でつくる実行委員という形を信じて、舵を取ってくれました。ときには気持ちがぶつかっても、まあいいけどとさじを投げるのではなく、真剣に向き合って四人で作りたいと伝えてくれました。やっぱり、この四人だからできるんだと感じました。

 前日急ピッチで練習を進め、進行も作り、お誕生日会を迎えました。お父さんに贈りたいという気持ちで、本番に間に合わせてくれました。

■さあ開幕!

 十月十日、当日。お父さんへの感謝の気持ちを込めた替え歌で、なのはなのみんながペアで腕をくんでステップを踏みながら踊って歌うオープニングで会は始ります。さあ開演となったとき、体育館の入口から突然なだれ込んでくる、招かざる客。
  
  
 「ここがなのはなファミリーか!」
 チヨコレイト工場からやってきた、三人組です。
 まっすぐで、優しい、なおとさん演じるチャリーという青年。

 私はチャリーの大切な仲間の、工場長ナウォンカ、あやかちゃん演じるうんぱちゃん。まえちゃん演じるは、三人をなのはなに案内するなのはなの子。

■ここに幸せはある

 ナウォンカの作る夢と希望に溢れるチヨコレイトが大好きなチャリー。うんぱちゃんもチャリーとナウォンカが大好きです。喜んでもらえるチヨコレイトが作りたい、その強い思いを抱くナウォンカの頑張りが、間違った方向へと進んでいく。
 もっと人に喜んでもらいたいという思いが、いつのまにか期待に答えなきゃ、落胆させるのが怖いという気持ちになっていくナウォンカ。

 賞や肩書きを得たら自分の作るものがもっと評価され喜ばれる、それが周りの人にとっても幸せなんじゃないか、もっともっと、とありもしない大きな幸せを追いかけて、大切にすべきものも人も見失っていきます。
  
  
 そんなナウォンカに、
「僕たちの幸せは、評価を求めたどこか遠くではなく、今すでにここにあるんだ」
 と伝えてくれるチャリーとうんぱちゃん。なのはなの子は、なのはなファミリーでどんな風に仲間と生活をしているか、案内をしてくれます。ナウォンカの作るチヨコレイトと同じように、なのはなも生きる希望を表現し、広げているのです。

「賞なんかとれなくても、褒められなくても、僕たちの幸せは変らない。夢と希望を届けるチヨコレイトを作りたいと思って作る、そのチヨコレイトに誇りを持てばいいだけなんだ」

「美しく美味しい、最高の野菜を信念を持って作って、たくさんの人に届けること。それを喜んでもらうこと。それは気持ちを表現することなんだ」

「自分はどれだけちっぽけでも、表現したい世界は限りなく広くて、それが仲間とならどんなことでも実現できて、何者にもなれるんだ」 

 今の私ではまだまだ駄目なんだ、もっともっと、となにかに追われるように生きてしまうナウォンカは私であり、私たちであり、いまここに幸せはあるんだよと確信を持つチャリーも私であり、私たちです。
  

サックス・パーカッションパート 『スリラー』

   
  
 セリフに散りばめられたのは、私たちがお父さんと出会って気づくことができた大切な気持ちや、希望、仲間への思いです。みんなも巻き込んで、ゆりかちゃんややよいちゃんにも自分の気持ちをセリフにしてもらい、劇に飛び入り参加してもらいました。

 私たちは、劇を通して、あるべき生き方を確かにしていきます。ともするとナウォンカのように、誰かの評価や保証の先に幸せがあるのではと、道をそれて決して幸せを感じられない頑張りをしてしまうこともある、ということも確かにしたいと思いました。

 青い鳥ではなくて、良く生きたいと願って、いまその気持ちを畑や、音楽や、職業を通して日々表現しているいまここに幸せはあるのだという、お父さんと出会って拓けた道を確かに心に刻みたいと思いました。
 
 同じ志を持つ仲間との今この瞬間の時間、自分が誇りを持つべきチヨコレイト、そんな大切なものを見失っていた自分に気づくナウォンカ。しかし、そんな躓きすらも、起こったことはすべて良いこと、とチャリーは言います。お父さんは、そう言いました。人生は、いつでも、新しく作っていけます。
  
   
「なのはなのお父さんお母さんは、いつも自分たちには力がある、一人ひとりが尊い存在だと励まし、信じて、伝え続けてくれるんだ。そう信じてもらったことが私の勇気になっている。ナウォンカも同じだよ」

 まえちゃんが演じるなのはなの子は、まっすぐにそう伝えてくれます。私は、このセリフがいまお父さんに伝えたい感謝の気持ちだと感じます。お父さんが話してくれる自尊心のお話は、大切なものです。

■確固たる誇りを持って

 このお誕生日会の音楽劇をつくるとき、お父さんに信じてもらった私の誇りのことを考えました。お父さんが、なのはなに来て間もない頃から、回復して希望を持って生きられる未来をずっと信じてくれていました。信じていたのは、私の誇り、自尊心なのだと思いました。

 なにができるできないとか、能力のあるなしではなく、私が自分は尊い存在なのだ、生きる役割があるのだ、と確固たる誇りを持って生きられる、自尊心を取り戻し、育てていけると信じてくれていたのでした。脚本を作りながら、そのことに気づきました。

 きっとお父さんは、このセリフにあるように、なのはなにいる一人ひとりの誇りを信じて、励まし、伝えてくれたいるのだと思います。

 大切なものを取り戻したナウォンカは、なんの実績もないけれど、それでいいんだ、私はいまここに存在するべくして存在している、と迷いなく思います。そして仲間のチャリーやうんぱちゃんと一緒に、自分たちが信じる最高のチヨコレイトを作ろうと決意します。

 チャリー一行は、なのはなのお誕生日会に乱入してしまったお詫びに、お父さんにファッションショーをプレゼントすることを思いつきます。そうです、この物語は、みんなのファッションショーへとつながります。
  
   
 第二部、ファッションショー。お父さんが「これはコンサートで活躍(登場)させたい!」と思うキャラクターの衣装を生み出すことがテーマです。六チームそれぞれが、曲のイメージをふくらませ、衣装のみならず、ダンスやストーリー、舞台背景に使えるのでは? という大道具など、新しい世界を生み出しました。
  
   
 虹マントやきれいな色の布を生かした衣装に、高さ七十センチはあろうかという長い三角の帽子をかぶった現実離れしたキャラクターなど、これぞ舞台衣装という不思議で鮮やかな世界を作り出した『レインボー』チーム。

 やよいちゃんの器械体操の技を取り入れた演出も、ショーにダイナミックで生き生きとした生命力が吹き込まれていくようでした。
  
  
 お父さんも太鼓判の、スチュワーデスのまき方を取り入れた布使いがかわいらしい衣装で登場の『エイント・ユア・ママ』。

 ちさとちゃんチームです。ちょっと意地悪で、なんだかつんつんと忙しいママたちと、スマイルメーカーとの攻防をコミカルに表現します。ママたちは最後は自分を守っていた鎧、ではなくカツラとエプロンを脱ぎ捨てて、スマイルメーカーとはじける笑顔でダンスをします。「

 ママを演じているのは誰?」と思わせるなりきった演技と、スマイルメーカーの振り付けがとてもかわいらしく、楽しいショーでした。

 卵から孵った鳥が、やがて力強く飛び立っていく『バードセットフリー』。かにちゃんチームは、衣装の羽作りに力をいれていました。

 土台となる骨組み、不織布を重ね合わせた羽は、繊細で本当に飛び立っていくことを思わせるものでした。羽を羽ばたかせて舞うさきちゃんの笑顔には、誇りと希望がありました。なのはなで私たちは、お父さんお母さんと出会い、こうして新しく生まれていくのだと思いました。

■最高にクール!
  
  
 後半は、全員違う衣装で登場の、まえちゃんチーム『アップ・タウン・ファンク』からスタート。衣装に同じアイテムは一つもなし、全員違う出で立ちだけれど、なぜだかチーム全員がひとつになっています。

「これが私、なのはなという自尊心の花ひとつあれば、ハッピーになれる世界なんだよ!」その気持ちがあふれているから、一体感があるのだと思いました。

 あゆみちゃん、ひでゆきさん、たけちゃんもチームメンバーになり踊ります。堂々と、自信を持って着こなし、踊り、ポーズを決めるみんなが最高にクールです。自分の信じた道を突き進み、突き抜けていく、そんな生き方がしたいと思わせるダンスと衣装でした。
  

 続いて『マディー・ウォーター』。のんちゃんチームです。私は、このチームの一員として出演をしました。

 曲のイメージに合わせて、シンプルな金の衣装にカラフルなゼリービーンズを散りばめたような首の飾りをつけたダンサーと、クラシックで重厚なドレスのあゆちゃん、私はシルクハットに赤のシャツにパンツ、黒金のジャケットで決めます。のんちゃんは、演出を考え始めてすぐに、このイメージで踊りたいという動画を見つけてくれました。

 それを解読し、五人のダンサーで振りを揃えて美しく踊ることを求めて練習を引っぱってくれました。
      
 マディーウォーターは、泥水という意味です。冒頭の、深く響く音が世界を創ります。地底から響く音のような、胎動のようでもある音。その響きと共に白い大きな雲が二つ、横切ります。そこには「ハッピーバースデイ」の文字。

■傘を使った演出に挑戦

 傘を持って隊列を組んで登場するダンサー。五人のダンサーの振り付けは、一人の意志を表しているようでした。大きく外側に開いていき、すぼみ、そして上下に波打ち、はじけて散り、またひとつに集まる。

 私の持つ虹色の傘がダンサーの意志を操るように、はたまた意志がシンクロしているように、動きます。泥をまとうような重い過去や痛みすらも、私は味わい尽くして、誰かの希望になる糧にするのだ、そんな意志を思いました。
  
  
 私が求めるのは、詞の中で歌われている“あなた”の救いではなく、仲間との今であり、未来なのだと思いました。のんちゃんチームのみんなで、毎日小さな所も揃えていくことを大事にして、作り上げたダンスです。

 私も、仕事の平日は、晴れていようとも傘を持ちでかけ、昼休みに公園で振り付けを練習しました。このチームでマディーウォーターを踊れたことが嬉しかったです。
  
   
 ファッションショーのラストは、ゆいちゃんチームの『ハッピーフェイス』です。場面場、路地裏のゴミ捨て場。大量生産、大量消費、廃棄されるものたちの行き場の、ゴミ捨て場。

 たくさんのものに囲まれた贅沢な暮らしの中で、どんなにハッピーな笑顔を作っても、虚しさをごまかせない。私たちは、本当に大事にすべきものが捨てられていくゴミ捨て場から生まれる、悲しみを背負ったピエロ。

 でも、諦めることを私たちは知らない。自由な仲間たちにすくい上げられ、私たちは本当のハッピーフェイスでいられる時代を始めよう――。

■時代のカナリア

 ゴミ捨て場から生まれて踊り出す少女は、いまの世の中で生きにくさや、居場所のなさを感じ、こんなんじゃ嫌なんだと飛び出した私たちでした。

 豊かさの中で、仮面のようなハッピーフェイスで生きることができなかった、少女のピエロ。ゴミの魔王と化した道化師。そして舞台背景。そこにひとつの世界が作り出されていました。本当に、コンサートのワンシーンのようでした。
  
  
 私たちは、哀しみや切なさをすぐ側に感じながら、前向きに生きていきます。哀しみを感じてきたからこそ、切実に本当の希望を、ハッピーフェイスを求めてやまないのだと思いました。お父さんが、私たちは時代のカナリアなのだと話してくれました。こんなんじゃ嫌なんだ、と心が警笛を鳴らしたから、私たちはその心をおまかさず、逃げずに、希望を作っていくのです。

 私たちのファッションショーは幕を閉じます。お父さんもお母さんも、衣装、舞台背景、演出をとても喜んでくれました。「これはいいね、コンサートで使いたい!」と気に入ってもらえた作品がたくさん生み出せたことを嬉しく思います。そして、私たち自身も、コンサートに向かっていくのだという気持ちになれました。

■私たちのヒーロー

 お誕生日会のプログラム、とりを飾るのはもちろんお父さんの弾き語りライブです。
  
  
 お父さんの歌と言えばこの曲、私たちを勇気づける『大空と大地のなかで』と『ヒーロー』を歌ってくれました。お父さんを囲み、「ヒーロー」「お前を離しはしない」の歌詞をみんなで歌いました。

 私たちのヒーローのお父さん。いつも私たちを勇気づけ、励まし、背中を押してくれるお父さん。私たちもまた、お父さんのように誰かの希望(ヒーロー・ヒロイン)になるときがくる、それはいま!

 私たちからお父さんへの思いをのせたショーのプレゼントは、おひらきとなりました。私たちには、伝えたい思いがあり、表現したいことがあります。演奏、ダンス、劇、そこに感動や衝撃や、美しさが生まれるのは、伝えたい思いがあってこそだと思います。

 お父さんのお誕生日会のパフォーマンスには、心を動かす感動がありました。自分が表現する側に立っても、みんなの表現を受け取る側になっても、そのことを感じました。人の心に訴え、感動を覚えるのは、この日お父さんに届けたい思いを強くあったからです。
  

  
 お父さんお母さんと出会い、こうして仲間とたくさんの表現ができ人生を歩めることを幸せに思います。これからも、お父さんとみんなと一緒に、新しい世界をたくさん作っていきたいです。お父さん、お誕生日おめでとうございます。