【10月号㉒】「夏を締めくくる、浴衣コンテスト」あやか

 

 色とりどりの浴衣を纏い、髪を結い上げ、華やかに装ったみんなが、体育館の前の廊下に列をつくります。今日のイベントが始まるときを、ドキドキしながら待っています。今日は、収穫祭です。

 浴衣の着こなしの品評会をしよう。そんなお母さんのアイディアから企画が持ち上がった収穫祭。いつもは、お父さん、お母さんに選んで貰う浴衣。それを、今回は自分のセンスだけで選びます。
  

 自分に合った柄、顔映りの良い色味の浴衣を選べているか。浴衣と帯の組み合わせ。着こなしのセンス。
 その人がどんな浴衣を選ぶかで、その人の今の気持ち。どんな自分になりたいか。着るもので、何を表現するか。また、自分のキャラクターを客観的に理解することができているか……。いろいろなことを、見てとることができます。

 それぞれ、悩み、楽しみながら選んだ浴衣。その浴衣を纏って、いざ、収穫祭の舞台で、体育館中央に敷かれたレッドカーペットの上を歩きます。
 収穫祭は、実行委員さんの寸劇からスタートしました。

 寸劇では、子供チームのみんながつくってくれた御神輿が登場します。紅白幕や、稲穂など、収穫祭をイメージした飾り付けがされた御神輿が、掛け声と共に担がれます。晴れやかな幕開けです。

 オープニングの寸劇が終わり、早速、みんなの選んだ浴衣のお披露目が始まります。順番は、五十音順。名前が“あ”からはじまる私は、なんと、トップバッターです。

 緊張を胸に、衝立から飛び出し、ランウェイを歩きます。レッドカーペットの上を歩き、審査員席のお父さん、お母さん、永禮さんの前へ。そこでポーズを取ります。「シンプルには、纏まってると思います」お父さんから、そんなコメントをいただきました。

 収穫祭では、一人ひとりの着こなしについて、お父さんとお母さんが、講評をしてくれます。それぞれの人に合った色味。色によっても、明度や彩度によって、顔映りが変わってくる。年齢によって、似合う柄の大きさが変わること。適切な丈の長さや、裾の処理といった、着こなしのこと。

 また、“なりたい自分を浴衣で表現する”ということ。今の等身大の自分の気持ちのままの柄、ではなく、(こうなりたい)と願う、一歩先の自分を浴衣の柄で表現する。ファッションは、自分を表現するための手段なのだと思いました。とても勉強になりました。
  

コンテストで賞を得た5名

  
 印象的だった浴衣がいくつかありました。ひとつはあけみちゃんです。
 青地の浴衣に黄色い帯の、スッキリと潔い着こなしがピッタリと似合っていました。自分に拘る気持ちがなくて、気持ちがサッパリしているから、そういう柄の浴衣が選べるのかなと思いました。

 黄色の帯には、目立たないですが黒いラインが入っていてます。(使い方が難しい。人を選ぶな)と思っていました。けれどそれが、あけみちゃんのキリッとした雰囲気に凄くマッチしていて、格好良かったです。

 もうひとつは、グランプリを取ったさとみちゃんです。
 浴衣は白地に紺の柄で、色味はシンプルです。けれど、さとみちゃんのセンスで着ると、衝立から登場した瞬間に(えっ!?)と思うくらい華やかな着こなしになり、本当にびっくりしました。

 色とオレンジの柄の入った帯と、頭の髪飾りがゴージャスだけれど上品で、バランスも良くて、ちょっと別格のオーラを放っていました。あらためて、(浴衣って面白い)と思いました。

 浴衣の品評会のあとには、お楽しみのゲームを行ないました。その名も“パートナーゲーム”。ゲームのルールは、こうです。人や物など、何かの単語の書かれたシールを額に貼って貰います。
  
  
 自分の額のシールに何が書かれているのか、自分では見ることができません。自分以外の人に、“はい”か“いいえ”で答えられる質問をして、自分が何かを推測していきます。

 自分に貼られたシールに書かれた単語が何か分かったら、つぎに、自分のパートナーを探します。例えば、『包丁』と『まな板』。『オーストラリア』と『カンガルー』など、それぞれの単語には、対になるパートナーが存在しています。
 その人を見つけ出し、正解であればゲームクリアです。

■雲が晴れたような思い

 私は、額に『トマト』というシールを貼られていました。自分が『トマト』であることは結構早い段階でわかったのですが、トマトに対応するパートナーが何かわからず、相手を探して会場を彷徨いました。

 『ゴーヤ』のシールを付けたさやちゃんと出会い、野菜仲間でパートナーではないか、と思って確認にいったのですが、答えはハズレで、さやちゃんのパートナーは『佃煮』の札を付けたまなかちゃんでした。

 じゃあ、『トマト』のパートナーは誰なのか。みんなの額に付けられたシールを観察しながら相手を探していると、『バジル』の札を付けたのえちゃんに出会いました。(もしかして……)という思いが、次第に(間違いない)という確信に変わり、のえちゃんの手を引いて、お父さん、お母さんのもとに確認にいきました。今度は見事正解でした。
   

パートナーゲームやバーベキューのあとは、お父さんとお母さんがサプライズで弾き語りを聴かせてくれました

  
 そのあとは、みんなでバーベキューをしながら、お父さん、お母さんのミニライブです。そのあとは、この夏最後の永禮さんのかき氷をいただきながら、楽しいひとときを過ごしました。華やいだ気持ちのあとの、心安らぐひとときが、心地良く過ぎていきました。

 そして最後に、もうひとつ。マック組さんによる企画。パーソナルカラー診断が、興味深く、面白かったです。
 肌の色や髪、瞳の色などによって、似合う色味のタイプを、スプリング、サマー、オータム、ウィンターの四種類に分類する、というもので、私はオータムタイプとのことでした。マック組さんが、なのはなのみんなを、タイプ別に分類してくれていました。
 
 自分に似合う服がわからない。ファッションセンスに自信が無い。そんなモヤモヤした気持ちが、“色”というとっかかりを得て、ちょっと雲が晴れたような思いがしました。

 実りある企画が、たくさん盛り込まれた収穫祭でした。この夏最後の浴衣を楽しみつつ、秋の実りを喜び、気持ちが、夏から秋へと滑らかに切り替わっていきました。