【10月号㉑】「お米と野菜の実りに感謝! なのはな収穫祭!」ちさ

 
 ピーマンやゴーヤの一日の収量は七十キロ超え。秋茄子は嫁に食わすなといいますが、今なおたくさんとれているナス。反当りの収量は比較的少ないミルキークイーンですが、平均八.一俵という大豊作を成しました。

 農の神様への感謝の気持ちを込めて、野菜たちへ、たくさん実をつけてくれてありがとうと思いながら、そして、冬に向けてこれから頑張ろうと種をまかれた葉物野菜や、ジャガイモたちの豊作を願って、みんなで収穫祭を開催しました。
  
  
「ワッショイ、ワッショーイ」と、おみこしを担いだ実行委員のみんなの寸劇からお祭りは始まります。
 お母さんの案で、子供組のみんなと作ったこのおみこし。竹をつかい、空き箱をつかい、包装紙をつかい、どうしたら本物のおみこしのようになるか、身の回りにある材料からひねり出していきました。

 お面をつけてみたらどうか。しめ縄の飾りがいい!一人の人間の限られた世界を超えて、七人そろったからこそできる、豊かな思いがあふれたおみこしが生まれていくことがうれしかったです。私は屋根を担当しました。

 支柱立てで鍛えた技術と知識がこんなときに役に立つとは。篠竹を組んで屋根を作ってみよう、となつみちゃんと挑戦しました。うまくいくかどうかわからない。けれど、結果は置いておいていろいろ試してみようと手を動かし、想像を形にしていくことはとても夢の広がる作業でした。

 建築士になったような、小学生の子供に戻ったような、いろんな気持ちを体験できる時間。お祭りのためのお祭りじゃない。お祭りを開催することを通して、とおり過ごしてきてしまった子供ならではの遊び心に再び種をまいて息吹かせ、成功体験として蓄える。レベルが高い、最も楽しい遊びだと感じました。

■私を呼んでいるよう

 収穫祭のメインイベントは浴衣コンテストです。一度だけじゃ着足りない、もう一回着たい! もう一回みんなの浴衣姿を見たい! そんなみんなの思いを形にしようと、このイベントが企画されていきました。

 誰が選ぶでもなく、自分が着たい浴衣、着るべきたった一枚の浴衣を自分で選ぶのです。ずらっと並べられた百四十枚を超える色とりどりの浴衣。その中からたった自分が着るべき浴衣はどれなのか、浴衣選びの時間はとても楽しかったです。

 着てみたい浴衣と似合う浴衣は違う。自分が似合うものはどれなのか、鏡を前にいろいろなものを当ててみては戻す姿。帯を選ぶのも、定番の組み合わせがあるようで、やはりその人の顔や年齢や見せたいものによって、組み合わせなんて何通りだってある。浴衣の奥深さゆえ、とても難しくもあるけれど、だからこそとても面白いと思いました。
  

紺に目の覚める黄色の帯を合わせた、 ちさちゃんの浴衣姿

 

 そんな中から私は紺地にユリのお花柄の浴衣を一枚。手に取ったときから、自分にはこれしかないような気がしました。ユリの淡いピンクに合わせて、同系色の赤系の帯が無難かとも思いましたが、反射的に手に取ったのは明度の高い黄色。

 吉と出るか凶と出るかわかりませんが、なんだかこの帯が私を呼んでいるようなそんな気がしたのでした。髪飾りだって即決でした。暖かいピンクの桃の花の飾り。小さくて周りの飾りにの中に埋もれていたけれど、確かに私を呼んでいて、他に目を向ける間もなく惹きつけられたのでした。

 どんなふうになるのか、また、みんなもどんな浴衣を選び、どんな着こなしをするのか、聞きたい気持ちをぐっとこらえて本番のお楽しみに。

  そして当日。レッドカーペットの上を、つつましく美しく歩く一人ひとりの姿は、それぞれの色の輝きを持っていました。あぁ、この人らしいな。その人の魅力を引き出す浴衣というのがあるのだと感じました。

  

見事、グランプリを勝ち取ったのは、白地の浴衣に黄色の帯を纏った、さとみちゃんでした!

   
 自分が見ていた時は目に留まらなかったけれど、その人のことを待っていたんだな、というような。着る人によって、人も浴衣も映えるものがあるのだと自分で一からすべて浴衣を選んでみたからこそ、服の奥の深さを実感しました。
 この浴衣はどう着たらいいのだろう、と思っていたものが、着る人と帯との組み合わせが生かしあい、自分も着てみたい、と思うような魅力的なものに大変身しているのも面白い、と思いました。
 
 お父さんとお母さんが一人ひとりにコメントをしてくれました。浴衣と帯の柄の大きさは同じでないほうがバランスがいいこと、年齢によって一番きれいに見える着こなしや、帯色。同じ青の中でも、水色、青、濃い青、紺、とたくさんあります。
 少しの違いだけれど顔映りは全然変わること。そして、今の気持ちにあった浴衣ではなく、二年後の理想の自分に合った浴衣を選ぶといいこと。

■普段の生活から

 ただ浴衣のコーディネートを披露するのではなく、自分の気持ちを表現する場なのだと感じました。
  
  
 二年後、どんな自分でありたいか。どんな浴衣が似合う女性、どんな魅力のある女性になりたいのか。明確に自分の理想を持つこそ大事なのだと思いました。普段の生活もそうでないといけない、と思いました。

 生身の自分はおいておいて、なりたい自分を演じる。そう演じたなら、言動や行動、立ち振る舞いが変わる。そうやって自分を磨いていくのだと思いました。次浴衣を選ぶときはもちろんのこと、普段の生活から意識していきたい、と思いました。
      
 日が暮れてきたころ、取れたてのおいしいお野菜もたっぷりのバーベキューの時間。改めて、自分たちで作って食べられることはすごく強いなと思いました。これも豊作の神様の恵みあってこそだと。

 お腹も満たされてきたとき、サプライズのお父さんお母さんのライブが待っていました。
 思いをまっすぐに、全力でギターを弾き、全力で歌うお父さんの姿、隣でやわらかく微笑み、お父さんの歌声にやさしく重なるお母さんの歌声を聞くと、ただそれだけで安心した気持ちが広がりました。

 ラストは『大空と大地の中で』私の大好きな一曲です。
 「生きることがつらいとか、苦しいだとかいう前に、野に育つ花ならば力の限り生きてやれ」
 お父さんとお母さんの生きる姿そのものだと思いました。
 
 楽しいことばかりなんかではありません。苦しいこと、むごいと思ってしまうこと、人間をやるのには同じくらいつらいことだってあるけど、絶対に負けないでここにいる仲間と手を取り合って、力尽きるまで戦い続けよう、力の限り生き抜こう。改めて心に誓いました。
 
 
 みんなで一緒に歌う時間は大きな幸せを感じました。みんなが今同じ思いで、同じものを見て生きようとしている、そのことが大きな力となります。やっぱりこの曲が大好きです。
    

 夜も更けてきたころ、最後はかき氷屋を永禮さんが開いてくれました。たくさんの味に迷いましたが、今日はラムネに挑戦。みんなでいろんな味見をしあう他愛のないこんな時間もまたいいです。

 秋に入り始め、今季最後のかき氷。夏ももう終わり。改めてたくさん実をつけてくれた夏野菜たちに、実をならせてくれた農の神様にお礼を言えてうれしかったです。