「喜びあえる仲間」 ななほ

10月29日 

 

 最近、何か面白いニュースはないかなと思いながら朝、畑に行くと、ごく身近に嬉しいニュースがたくさん転がっていました。

 今朝は、るりこちゃんとホウレンソウの収穫をしたのですが、第1弾のクロノスだけをとるつもりが、第2弾の寒じめホウレンソウがとりたくなってしまい、急遽、寒じめホウレンソウの初収穫をしました。

 「わー、肉厚だね。お父さんとお母さんにプレゼントしようよ」。るりこちゃんと私、2人揃ったらつい、誰かに野菜をプレゼントしたくなってしまいます。

 「なんだか、私たちって、プレゼントするの好きだよね」

 以前、るりこちゃんがそう話してくれた時、確かにと思いながら、私たちは(誰かに喜んでもらいたい)という気持ちとは他に、(この野菜を調理される前の状態で、誰かに見てほしい)という気持ちの方が強いのかもしれないなと思いました。

 るりこちゃんと一緒にいると、特に何か会話しなくても、考えていることが同じで、つい笑ってしまうようなことが多いです。

 「私、お父さんとお母さんにプレゼントできるように、袋に詰めておくね。入るかな?」
 るりこちゃんとそんな話をしながら古吉野まで帰ってきました。

 そして、朝食後。るりこちゃんが片手に何かを持って「ななほちゃーん。見てみて」と小走りで来た時、るりこちゃんの手にピザのように平たく、柔らかそうなホウレンソウが乗っていて、その迫力に嬉しくなりました。
 「なんだか、ピザみたい」、そういうと「え、私も同じこと思っていた。」と言って、「よし、ラッピングはピザをテーマにしよう」ということになりました。

 夕方、ゆったりモードの時間にるりこちゃんと箱を持ってきて、色画用紙でピザをモチーフとしたポップを3つ作りました。でも、箱が普通では、面白くない。そう思い、コピー用紙を持ってきた私たちは、「お父さん、お母さんへ。宅配のピザが届きました」と書きました。

 「なんだか、私たちだけで渡すのは少し寂しいから、集合の時にピンポーンと言って、ホウレンピザを届けようよ」と私が言うと、「え~みんなの前で、そんな勇気ないよ」と笑いながら言われてしまったのですが、「じゃあ、夕食の時にお父さんお母さんの前に置いておこう」ということになりました。

 夕方、体育館でホウレンソウを箱に詰め最終仕上げをしていたとき、お父さんが手をパンパン叩き、鼻歌交じりで体育館にやってきた時は、るりこちゃんと顔を見合わせて笑い、「まだお楽しみ」と言いながら、後ろへ箱を隠しました。

 「ん?調べ物していたのか?」、お父さんのその言葉にはいとも、いいえとも言えない私たちは、「まだ、お楽しみです」とだけ伝えたのですが、あと後考えて余計に怪しいよなと思い、お父さんに「ふーん。そうか」と言われるのも無理はないなと思いました。

 

 その後、リスクをとらずに食堂へ置きに行こうと言ったのですが、お父さんの後ろをついていくと、お父さんが校長室のある右、ではなくて、食堂のある左へ身体をくるっと回転させてしまい、その時は思わず笑ってしまいました。きっと、お父さんの心の中では(この2人、どうしてこんなに笑っているんだ?何か、変なことしたっけかな)というような気持ちだったと思うのですが、夕食の時に種明かしをするように、お父さんとお母さんへホウレンピザをお渡しすることができて嬉しかったです。

 るりこちゃんとラッピングをしている間も、お父さんとお母さんや、みんなの喜んだ笑顔を思い浮かべるだけで嬉しくなりました。今日は何かが足りないような、何か新しいこと、モノがほしいようなそんな気分だったのですが、るりこちゃんと一緒にいるだけで、気持ちが晴れて力が湧いてきました。

 こんな小さなことで気持ちが上がったり、下がったりしてしまう自分が少し恥ずかしいのですが、でもこんな小さなことだとしても、心から喜んで面白がってできる仲間がいるのは幸せだなと思いました。

 

 また、今日は午後から、いつもアコーステックギター教室でお世話になっている藤井先生の版画の作品が展示される展覧会にもみんなで行くことができて嬉しかったです。

 お父さんが「好きな作品はどれかを考えながら見てね」と出発前に話して下さっていたので、そう思いながら作品を見て回りました。

 

 木版や銅板、色のついた綺麗な版画など色々な作品があったのですが、やっぱり、藤井先生の作品は色が温かく、その作品の前にいると心が落ち着きました。

 以前にも見せて頂いた『無・我』という座禅を組んだお坊さんの手を映した作品はどこか安心するような温かさと、1人ぼっちではないけれど切ないような気持ちになり、その作品が好きだなと思いました。

 藤井先生の作品は本当に優しくて、藤井先生の心や穏やかさ、温かさが版画に表れているのを感じました。

 

 また、他の方の作品でも、雪の降る中のお城と風景の版画があり、その作品はとても繊細で、版画とは思えないくらいに美しかったです。

 平日なのでお仕事組さんや学校組さんとは行くことができなかったのですが、たくさんのみんなと藤井先生の展覧会に行かせて頂けて嬉しかったです。