
10月29日のなのはな
アコースティックギター教室の藤井先生にお誘いいただき、今日は、みんなで版画展に赴きました。以前も、アコースティックギター教室のメンバーで展覧会へ行かせていただいたことがありましたが、今回は、家族揃って行けたことが、とても嬉しかったです。
展覧会場は古吉野から車で15分ほど、勝央文化ホールのすぐ隣にある、勝央美術文学館でした。
『第44回 瀬戸内版画展』として、藤井先生含め、16名の会員の方が版画作品を出展されていました。
展示場は、図書館と併設されていることもあり、落ち着きのある、上品な空間でした。版画の優しい空気と、会場がぴったり合っていることを感じました。
会場へ入ると藤井先生がいらっしゃり、笑顔で迎えてくださいました。ギター教室ではない場所でも、こうして藤井先生とお会いできることが、とても嬉しいなと思いました。
出展されていたのは、全て版画の作品でしたが、種類は、紙版画、木版画、銅版画、白黒、多色刷り、と多岐にわたるため、作家さんによって、同じ版画とは思えないような作風の違いがありました。
一番入り口に近く並んでいたのは、黒地に、白い細かな点のみで表現された、仏像や人の顔の版画でした。
藤井先生から、
「これは、紙に穴を開けて表現をしとる」
と教えていただきました。
教えていただいた通り、穴を開けるだけのため、完全に白と黒の2色しかありませんでした。けれど、近くで見ると、ハイライトの部分は一つひとつの穴を大きく、白い面積を多くしていて、陰の部分は穴を小さく、細かくして暗さが表現されていました。
細かな点だけで表現されているのが不思議に感じられるほど、深みのある人の表情が表されていて、すごいなあと思いました。
その隣の作家さんの作品も、同じく白黒で、釘で穴を開けることによって表現されていました。
3枚の絵の題材は、どれも“シーラカンス”でした。これも、とても繊細に、シーラカンスのウロコやヒレが点々で表現されていました。
大きく迫力のある作品で、「生きる化石」と言われるシーラカンスが、真っ暗な深海を、静かに、厳かに泳いでいる様子が伝わりました。
次に目に映ったのは、写真のように色彩豊かな、雪に覆われた松山城の版画でした。
藤井先生が、
「この方は、もう80代になっておられて、ベテランの先生じゃけん」
と教えてくださいました。
冬の晴れ空に、白い塀の連なる道から見た、雪の積もる松山城の景色でした。雪の白と、お城の庇のくっきりとした影がコントラストを成していて、鮮明に版画が浮き立っていました。その場所の、澄んだ空気まで伝わるようだと感じました。
この作家さんは“松山城”を題材にした作品が多いということを教えていただき、それぞれ、本当に好きなものを題材にして作品を作られているのだなあと思いました。
私が印象的に感じたのは、池の水面に、2羽のタンチョウがとまっている版画で、『春の訪れ』という作品でした。
主に白、灰色、黒で表現されていて、タンチョウの頭だけが赤く、色が添えられていました。
濃い灰色の濃淡で表現された、池の縁の茂みや、薄い灰色を細かく刻んで表現された、池の水面が、とても繊細で優しい作品だと感じました。
藤井先生の、優しく色鮮やかな作品も、ぱっと目に飛び込んできました。
南天の、緑の濃淡のある葉と、赤い実の作品。
『無我』という題名の、青緑の濃淡で表現された、静かで澄んだ心が伝わる、胡坐の上に組まれたお坊さんの手の作品。
半分簾のかかった水瓶から、ひょっこりと顔を出した一輪の睡蓮の花の作品。
私は、これらの作品を前にも見させていただいたことがありましたが、やはり、藤井先生の作品は、優しくて、本当に大好きだなあと感じました。



藤井先生の版画の作品は、なのはなの校舎内にも飾られています。お客様玄関、図書室には額に入った美しい版画が壁にかかっていて、6年生教室にも、年賀状で頂いた版画が並べられています。
そうした、藤井先生の穏やかで優しい版画が、日常の景色を彩ってくれていることが、とても嬉しいなあと感じます。
今回は、藤井先生にお誘いいただき、みんなで、素敵な作品をたくさん観ることができて、とても嬉しかったです。
また、これから新しく、藤井先生から版画を教えていただく教室も始まると、お父さんがお知らせしてくれました。お父さんからは、
「心から表現したいものを、作品として作ることに意味がある」
と教えてもらいました。
私も機会があれば、お父さんの言葉を心に置いて、藤井先生から版画を教えていただきたいなと思いました。
藤井先生の版画教室がなのはなで始まっていくことが、とても嬉しくて、楽しみです。
(りんね)
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「なるべく高畝にしてもらえると嬉しいです!! みんなの作った畝次第で、来年の玉ネギの収穫がどうなるか決まると思って頑張ってください!!」
やよいちゃんの心の底からのお願い事を聞いて、畝立てチーム、いざ! 畑へ出発です。
午前の大人数作業は2つのチームに分かれ、私は玉ネギの畝立てチームに入りました。玉ネギ担当のあやかちゃんを中心に7人で、山畑に定植する予定の玉ネギの畝を作りました。
玉ネギは水はけの良い砂地を好む野菜であるため、なのはなの畑で育てるときもしっかり畝を高くして水はけを良くする必要があるそうです。
山畑の土はとてもフカフカしていて、くわで土をあげてもフカフカすぎてまた土が落ちてくるほどで、良い玉ネギが育ちそうだなと畝立てをしていても感じました。
作業時間を半分過ぎた頃、あやかちゃんが、
「それでは、今から畝立て選手権を始めます!」
と提案してくれました。今回の選手権はチーム戦です。2チームに分かれて、3分間という時間制限の中で、どちらのチームがより長く畝を立てられるか対決しました。
スタートと同時にみんなが一斉に猛スピードで畝を立て始めたのですが、みんなびっくりするくらい速くて、特になつみちゃんとまちちゃんは驚異的な速さで本当にすごかったです。
私はさきちゃん、ひろこちゃんと同じチームだったのですが、惜しくもあと30センチというところで相手チームのみんなが一列完成し負けてしまいました。でも、どちらのチームも3分かからず一列の畝を立てていてすごいなと思ったし、全力で畝立てをする時間が楽しかったです。
それに、勝負中はあやかちゃんが実況中継をしてくれていて、あやかちゃんのユーモア溢れる実況も面白かったです。
そんな感じでみんなで楽しんで畝立てをしていると、気がついたら全ての畝立てが終わっていて、残り時間で畝ならしも進めることができました。畝はこれまでの畝の中でもトップを争うほどの高い畝になっていました。
畑の隅では今、玉ネギの苗床があり、玉ネギの苗たちがすくすくと育っています。玉ネギの発芽は難しいそうなのですが、苗床には立派な玉ネギの苗が苗床びっしりに育っていました。
大きい物では草丈が25センチを超えていて、定植されるのを今か今かと待ちわびているように見えます。すくすくと育っている玉ネギの苗たちを早く定植できるように、みんなで協力して畝立てを進められてとても嬉しかったです。
(よしみ)
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ギュッと葉っぱを縮らせて、旨みと甘みを両手いっぱいに握りしめるように葉を開くのは、第1鉄塔畑で育てている『寒じめホウレンソウ』です。
寒じめホウレンソウは、甘じめホウレンソウと呼ばれるほどに、とても甘く、葉が柔らかいのが特徴的です。
そんな寒じめホウレンソウ。本日、担当者のるりこちゃんと一緒に初収穫をしました。
今年は9月下旬ごろから10月上旬にかけて比較的、暖かい日が続いたため、種蒔きから約40日での収穫です。

るりこちゃんと毎日、畑に見回りや手入れをしに行くたびに、畑全体にホウレンソウの緑色がどんどん増えていき、その度に心の中の嬉しさもどんどん増えていきました。
収穫した寒じめホウレンソウは広げた状態で横幅が30センチ以上もあり、るりこちゃんと、
「なんだか、ピザみたいなホウレンソウができたね」
と笑いました。
その位、とても迫力のある寒じめホウレンソウなのですが、ふんわりと軽く、葉がひらひらとしていて、これからたくさん収穫できると思うと楽しみになりました。
また、午前中にはホウレンソウ第3弾の間引き・追肥・草取り・土寄せの作業を進めました。
ホウレンソウは株間10センチで種をまいているため、くれぐれも間引きのときに2本抜いてしまわないように、そして草と一緒にホウレンソウを抜かないようにいつもより、普段より目を見開いて作業を進めました。

ホウレンソウの畑には、時々ホウレンソウと瓜二つの雑草が、(私もホウレンソウですよ。だから、抜かないでくださいね)と言わんばかりに、ホウレンソウのすぐ隣にちょこんと根をはっています。
草取りをしているとつい、(ん? これはホウレンソウか?)と思うこともあるのですが、その子たちにも紛らわされずに、ホウレンソウだけを見て、草取りも綺麗にすることができました。
第3弾のホウレンソウはまだ本葉が6枚前後と小さいのですが、発芽率が限りなく100パーセントに近く、生育が揃っています。
お父さんややよいちゃんが考えてくれた、培土でサンドウィッチする種まきの方法は、なのはなファミリーの種まきを、画期的な新しい未来に導いてくれました。
それからというもの、ホウレンソウ4弾、5弾にコマツナ1、2、3弾とほとんどが100パーセントの発芽率で、1日2回の水やりのお陰で、とても元気いっぱいです。
今、第1鉄塔畑はホウレンソウ、コマツナ、ミズナで畑が埋まっています。
最後まで、虫食いのない、綺麗でおいしい葉物野菜をみんなへ届けられるように、るりこちゃんやみんなと一緒に野菜を見ていきたいです。
(ななほ)