
野菜の王道、ナス、ピーマン、キュウリはもちろん、少し稀なズッキーニ、落花生の収穫も一度は経験済み。
なのはなで育てている野菜の収穫は全て制覇! と思っていたら……。ありました、まだ収穫をしたことがない野菜が。
それは、ゴボウ。なのはなのお正月のおせち料理には欠かせない、ゴボウ。
決して目立つわけではないけれど、無いと物足りなさを感じさせる、ゴボウ。
わたしにとって、今回が初めてとなる、ゴボウの収穫ができたことがとても嬉しかったです。
ゴボウの収穫は昨日の引き続きで、まだ収穫ができていない、畑の約3分の1の面積を掘り上げました。
葉はすでに刈り取られていて、切った茎の断面は赤く、それがどこにゴボウが植わっているかの目印となっていました。
一体、ゴボウはどうやって収穫をするのか? 株に沿って、スコップを突き刺してしまったら、真っ二つに折ってしまうことになるけど……。
長い長いゴボウの根を切らないように、真っ直ぐの状態のまま収穫をする方法。
それはまず、目印となる茎からゴボウが伸びている方向に向かって、上部の土をクワでかくように軽くさらいます。
このときに深く削りすぎないことがポイント。ここで深くクワを入れすぎてしまうと、ゴボウの根を傷つけてしまうことになります。
はやる気持ちを抑えて、慎重に、慎重に。ある程度軽く土をさらっていくと、トタンの凹凸に沿って、真っ直ぐに伸びているゴボウの根が見えてきました。
土をはらうと、それは太くて、立派なゴボウでした。
こんなに美しいゴボウを折らないよう。最後まで集中力を切らさないで、スコップを使って、少しずつ土をはらいよけ、ゴボウを引っ張り上げていきました。
そして、スコッ! と抜けたときは快感でした。
鼻を近づけると、ほのかにゴボウの香りもして、本当に良い香りでした。
収穫をしたゴボウは古吉野に持ち帰り、体育館の軒下に設置した干場で乾かしました。
限られたスペースを最大限に使えるように工夫をして、屋根の梁を利用することにしました。
梁に2本のマイカ線を結びつけ、間に2本の角材を通します。その角材と角材の間に、両端を掛けるようにゴボウを干しました。
風通しも良くなるので、良い干場ができたのではないかと思いました。体育館の軒下の一角に干された、たくさんのゴボウはまるで市場のように見えました。
続いて、ゴボウが植わる池上三角畑の隣の畑へ移動し、ブドウ畑の土壌改良のためにぶどう畑に籾殻を入れました。
先日、永禮さんがダンプを出してくださり、たくさん集めた籾殻がいよいよ使われます!
畑の一角に籾殻の山。
その大量の籾殻をブドウ畑一面に広げました。籾殻だけでも厚さ10センチくらいあるのではないかというくらいに、本当に多くの籾殻を畑にまきました。
土と草で覆われていた畑が一瞬にして、黄金色の景色に様変わりし、上から眺めているだけでも圧巻の光景でした。
そしてさらにその上に、今度はサツマイモのツルを広げました。
こちらも籾殻に負けないくらいに、大きな山。
みんなでバケツリレーをして、ブドウの幹の周りにもたっぷりと敷くことができました。
ほんの45分足らずの間で、畑の景色が次から次へと移り変わっていきました。
美味しいブドウのためにと、自分たちの手で畑を改良していけることが嬉しく思いました。
最後に畑の上を歩くと、籾殻とサツマイモのツルでふかふかとしていました。
これはとても最適な土壌改良になるだろうと確信ができ、今後、どう畑が変わっていくのか、その変化を感じ取るのがとても楽しみだと思いました。
(るりこ)
***
一昨日は緑が茂るサツマイモ畑。
昨日は一変して、畑の一角に高さ2メートル、奥行き40メートルほどの蔓の古墳が出現し、畑は黒マルチでおおわれていました。
そして今日の夕方には黒マルチも蔓の古墳もすべて回収されて、土の中でサツマイモが掘り出される時を今か今かと待っています。
明日予定されている、家族全員でのサツマイモ堀りに向けて、今日は蔓を桃畑や池上ブドウ畑に運び、堆肥として、土壌改良材として桃の木やぶどうの木の周りに敷きました、その後午後からは数人で大きなサツマイモ畑のマルチ回収を行いました。
蔓運びでは、ちさとちゃん、つきちゃん、まちちゃんが軽トラを運転し、桃部隊のななほちゃん、りんねちゃん、わたしが助手を務めました。
最初に梅見畑にみんなで集まり、大変に絡まっている蔓を解し、小山にするという作業を行いました。
つきちゃんとななほちゃんが、みつぐわを持ってきてくれて、まるで古墳のように山になっている蔓たちにみつぐわをさして、2人でエイサホイサと引っ張り出すのは、まるで綱引きの様で面白かったです。
6人で力を合わせて、古墳の半分ほどを何十という小山に解し、それぞれが軽トラに蔓を積んで、さぁ、蔓運びが始まります。
わたしとちさとちゃんが担当するのは池上桃畑。
昨日までに、3本の木に蔓を敷いてくれていたので、残るは11本。1本に軽トラいっぱいなので11往復。これは時間との戦いです。
安全に気を付けて、素早く動けるところはテキパキと、メリハリをもって作業をしていると、膨大な量の蔓を運ぶことに対する途方もない感覚も、やがて、「わたしたちならできる!」と思えるようになっていて、本当に楽しい作業でした。
1往復目を終えて、サツマイモ畑に戻ると、最初にみんなで作った小山がすでになくなりかけていて、これでは最後に回るブドウ畑分の蔓は無くなってしまうということに気が付き、やよいちゃんと相談して、残りの蔓をすべて、約軽トラ6杯分を池上ブドウ畑にみんなと運びました。
はじめ立てていたプランが崩れてしまっても、直ぐに、ちさとちゃんややよいちゃんが新しいプランを頭で立て直して、根拠を持って推し進めていく姿勢が、とても潔く、その責任感がかっこいいなぁと思いました。
果てしないような量の蔓が、みるみるうちに減っていくのを見てななほちゃんは「100年たっても終わらないと思っていたのに」と言っていて、本当に、みんなとなら何でもできてしまうんだなぁと、そのみんなの中に自分も入っているんだなと思うと、くすぐったいような、嬉しい気持ちになり、パワーが出てきました。
トントンと作業は蔓を桃の木の下に敷くところまで完結して、無事にサツマイモ畑から蔓を撤去することに成功し、嬉しいことに、桃の木には堆肥として、土壌改良材として姿を変えて、活用することができて、いいことづくめな蔓運びでした。
午後からは最終準備。真っ黒な海と化した畑から、マルチを回収し、明日はすぐにサツマイモ掘りができるように準備を進めていきました。
最初は、5人で、70メートルほどある畝の畝間に入り、竹ペグやトンボ、マルチ止めをバケツに入れて回収していったのですが、マルチが飛ばないように、みんながしっかりと差し込んでくれていて、なかなか抜けなくて、難儀しました。
また、一畝が長く、途方もないような気がしてしまいました。
しかし、コツコツと回収を進めていくと、当たり前ですが、確実に終わりに近づいていき、最後の短い3畝はりなちゃんが根気強く回収をしてくれました。
これは大変だと思い始めたとき、やよいちゃんが「マルチ回収選手権を開催します!」と発表してくれました。わたしたちは4ペアに分かれて、やよいちゃん主催の「マルチ回収選手権」に挑みました。
左手はひたすらくるくる回し、右手でマルチが綺麗にぴんと張って巻いていけるように補助をして、気持ちは向かいのほしちゃんと一つに。
1畝向こうで、ライバルが見えますが、早いペアはいったいどうやって手を使っているのか、どんな技術を駆使しているのか、見て盗んで、どのペアもお互いが良くできるようにと、高めあって回収していき、気が付けばマルチ回収もるりこちゃんとよしみちゃんが入っている一畝のみとなり、本当にあっという間に終わってしまいました。
最後には、草刈りをしてくれていたまちちゃんとさきちゃんもきてくれて、綺麗に片付けまで終えることができ、気持ちのいい作業でした。
きっと明日の夕方にはスコップで掘り返された跡が畑に残り、古吉野にはサツマイモが、まるで紫色のじゅうたんのように、校庭に敷き詰められ、また景色が変わっていきます。
みんなと表現していく時間を大切に、明日は家族全員でのサツマイモ掘りを全力で楽しんできたいなと思います。
(なつみ)