「何よりも大切な」 みつき

10月10日

 楽しい時間は、本当に、あっという間だなあと思います。
 みんなと過ごした3時間が、濃密で、夢のような時間でした。

 今日の午後は、お父さんのお誕生日会のお祝いをしました。
 みんなで夢と希望溢れる、でもちょっと不思議な世界を表現しました。
「おめでとう、おめでとう、だいすきお父さん!」とみんなで歌いながら、ステップで体育館に入場していくだけでも、本当に楽しくて、会の幕開けに、ワクワクが止まりませんでした。

 第一部では、実行委員のみんなが考えてくださった劇も交えて、アンサンブルを披露していきました。
 みんなの演奏を聴いていると、それぞれの楽器の音が身体中に沁み込んできて、うっとりとしてきました。
 それだけでなく、みんなが堂々と、真剣に楽器を吹いている姿。演奏後の、パッと花が咲いたような笑顔。
 ああ、とても綺麗だなあと、見入ってしまいました。

 最後、サックスとパーカッションのみんなで『スリラー』を演奏させていただきました。
 お父さんが、「もっと強弱を意識して、盛り上がるところを見つけるといいよ」と教えてくださったことを意識しながら、ジャムブロックを叩きました。少し緊張もしたのですが、それよりも、「楽しい! もっともっと!」という興奮の方が、圧倒的に大きかったです。
 サビでさきちゃんがクラッシュシンバルを叩いたとき、「みんな、お父さん、お母さん、見て! わたしたち、最高に楽しいんだ!」という気持ちが、ぶわっと溢れてきました。
 表現するって、こういうことなんだなと、気が付きました。

 第二部は、それぞれのチームのファッションショーでした。
 どのチームも、「素敵! かわいい! わたしもそれ、やりたい!」と褒めちぎりたいくらい、素晴らしかったなあと思います。
 こんなものが作れるんだ、という大発見ばかりの衣装やダンスに、目をつぶるのが惜しいくらいに、ずっと夢中になっていました。
 
 わたしのチームは、かにちゃんリーダーで『バード・セット・フリー』を踊らせていただきました。
 最後の最後まで、みんなで「ここはこの方がいいかな」と振付や衣装を修正し合ったり、お互いの衣装を確認したり、その時間が、本当に、あたたかかったです。みんなで作った頭の被り物も、さきちゃんの大きな翼も、ひとつひとつのパーツにみんなの気持ちが込められていました。

 かにちゃんは、いつも、「それぞれが綺麗に見えるように、見ているお父さんやみんなに伝わるように」と、頭の先からつま先まで、考え抜いてくれました。
 チーム結成の当初は、不器用で、ダンスも上手とは言えない、こんなわたしが役に立てるのか、と不安な気持ちもありました。
 でも、チームみんなや、かにちゃんの力になりたい、お父さんのお誕生日を全力でお祝いしたい。その気持ちだけでいいのだな、と気が付いたとき、身体が動きやすくなって、何より、とても楽しくて、しょうがなかったです。

 本番、自分としては、大大大満足のショーが披露出来て、やり切った気持ちでいっぱいでした。
 ちょっと間違えてしまったところがあったとしても、全く動揺しなくて、堂々と居られました。
 目の前のみんなの笑顔、歓声、笑い声。こんなにもあったかくて、包み込まれている空気で、みんなの前に立たせてもらえたことが、本当にうれしかったです。
 
 『バード・セット・フリー』では、たまごから、わたしたちが扮する、鳥のヒナたちが生まれてくるという表現がありました。ヒナたちは、会場のみんな、お父さんお母さんのおかげで、安心して、元気よく、笑顔と自信いっぱいで生まれてくることができました。
 それは、わたしも、同じです。
 1年前の今日、わたしがはじめて、なのはなに来た日です。
 その頃のわたしは、常に不安や恐怖が隣り合わせ、自分の殻に閉じこもっていました。
 でも、今は、みんなと、こうして、生きています。こうして、もう一度、生まれ直させてもらいました。

 お父さんのライブをみんなで聴いているとき、涙が出てきました。
 ここは夢の世界なんかじゃない。現実世界なんだ。
 みんなが居れば、みんなの力があれば、夢の世界みたいな現実世界は、作れるんだ。
 夢は覚めてしまうけど、ここは、覚めることなんてない。
 みんながいきいきと、笑顔で過ごしていける、夢みたいな、そんな世界なんだ。
 そんな気持ちが、身体の底からこみ上げてきました。
 わたしがこうやって過ごしていけていることは、決して当たり前のことではありません。
 今が、本当に、しあわせで、何よりも大切な、宝物だということ。
 それを、お父さんが、教えてくださいました。

 大、大、大すきなお父さんのお祝いができて、またひとつ、わたしの心に宝物が増えました。
 ありがとうございました。