
9月18日のなのはな
体育館にずらっと並べられた、浴衣と帯。
今日は、収穫祭のための浴衣を、みんなそれぞれが選んでいきました。
しかし、今回の浴衣選びで、大事なポイントがひとつ!
「誰のアドバイスももらうことなく、自分ひとりで浴衣を選ぶこと」
自分が好きなものと似合うものは違う、ちゃんと自分が評価ができて気持ちができてくれば、自分に似合うものがだんだんと理解できて選べてくる、そんなお父さんお母さんのお話を聞かせてもらい、いざ浴衣選びに挑戦しました。
長幼の序で、年齢の高い順から、浴衣選びに向かいます。
ついに、自分の順番が来た!と、ワクワクドキドキの気持ちで、さっそく浴衣を見てみると…。
「おっと…‥‥。さあ、どうしよう!?」
すぐに、自分に似合うだろうというものが見つけられず、戸惑ってしまいました。
すると、その中に、ビビッと来る浴衣がありました。それは青色で、赤い花が描かれたものでした。
普段わたしがあまり着ない色のものですが、見たとき、「あ、この色好きだなあ、着てみたい!」と、感じました。
しかし、身体に当てて鏡を見てみると……。またもや襲ってくる、浴衣のシンキングタイム!
「本当にこれでいいかな、似合うかなあ……」
隣で浴衣を胸に当てているえみちゃんやさきちゃんと目が合って、フフフと笑い合いました。みんな、同じことを考えているようでした。
また、帯も、黄色や赤色、緑色など、沢山の色が揃っていました。
同じような黄色でも、レモン色やマスタード色など、わずかに色が異なっていて、感じられる雰囲気も変わります。そこがまた、難しいなあと感じました。
「えーい!これに決めた!」
最後、勇気を出して、衣装部のあやかちゃんとつきちゃんの元に持っていきました。少し不安な気持ちもあったけれど、それ以上に、自分で選ぶというのはとても楽しかったです。
何より、自分で好きなように浴衣を選ぶことができるくらいに浴衣があるなんて、本当に贅沢なことだと感じます。
自分が選んだたったひとつの浴衣を今の自分で、自信と愛着を持って、着こなしたいです。
収穫祭で、みんなが選んだ浴衣を見させてもらえるのが、とても楽しみです!
(みつき)
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校長室の机を囲んで、お父さんを先頭にそれぞれの果樹の担当が集まりました。
これは、初めての果樹会議。
今、なのはなにある果樹をより良い形で栽培していこう。そんなお父さんの思いで開かれた果樹会議。
現在なのはなではイチジクやブルーベリー、柿、栗、ブドウ、ユズ、ポポーなどが収穫されていて、季節ごとに毎日の食卓をにぎやかにしてくれています。
季節を感じさせる果物が食卓に並んでいると心が弾みます。
私は今季桃の栽培に関わらせてもらう中で、甘くておいしい桃を育てることのできる方法をなのはなの先輩たちが試行錯誤しながら積み重ねて進化させてきたことを作業をするなかで体験し感じさせてもらいました。
これからもその積み重ねをもっと進化させて、本当に甘く美味しく美しいものを作りたい、自分もそこに携わっていきたいとそう思います。
美味しい果物を作るために、それぞれの果樹の担当代表が集まり話し合いが始まりました。
まずは、現状報告。なのはなには何本、その果樹があって、今どれほど収穫ができているか。
次に、施肥設計。特に、ユズや柿などは生り年や裏年がありますが、お父さんは、確実に肥料や手入れを行なえば、毎年しっかり実をつけるはずだと話してくださって、まずそれぞれの肥料の量や種類を考えることが宿題として出されました。
また、今月行いたい手入れもそれぞれの果樹で報告しました。
最後に、それぞれの果樹でファイルを作成し、手入れや施肥設計、資料をまとめて積み重ねていこうという話をしました。
わたしは桃を見させてもらっていますが、あんなちゃんが今まで積み重ねていてくれた桃についてのすべてを、事細かく、年ごとに資料でまとめてくれています。
まだ見ぬ誰かに繋ぐ資料。あんなちゃんが、細かく丁寧に作ってくれている資料を見ると、心が正されます。
積み重ねてきたものを、生かして栽培し続けることが、まず今のわたしたち桃部会にできることです。
桃は果樹会議とは別に、桃部会で会議が開らいてより密に計画を立てたり作業ができる体制を作っていきます。
果樹会議のみんなと協力すればきっと果樹の栽培をより良くできると思えます。
初回で、わたしも果樹会議に参加させてもらい、もっと桃を知っていきたい、そう思うような熱意を担当のみんなから与えてもらって、本当にありがたかったです。
夕方には空に虹がかかりました。
その虹がきっと、この果樹会議も実りあるものになるという応援のように感じて嬉しかったです。
(なつみ)
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夕方、東の空に太くて濃い、虹がかかりました。
雨間にみんなでグラウンドに出て、空を見上げました。
今日の虹は一体、どんな嬉しいニュースを古吉野に運んできてくれたのかな。
それはとてもとても、嬉しいお知らせでした。
お父さんが運転するコンバインと、永禮さん、あゆちゃんチームのコンバイン3台体制で進んだ、ミルキークイーンの稲刈り。
収穫後に籾すりのためにライスセンターに預けていたお米が、午後に古吉野へ運ばれてきました。
「お米が届きました!」
まえちゃんの放送が鳴ると、みんなが鉄筋校舎に集まりました。
みかちゃんがライスセンターから運んできてくれた米袋が1.5トントラックのエルフに高く、山積みに積まれてあります。
それらを1袋ずつ、みかちゃんとまことちゃんが手渡してくれて、それを繋ぐように1人1袋ずつ、米置き場まで運び、収納していきました。
みんなで一列に並んで、自分の番が来るのを待ちました。
「よし!」と気合いを入れている子や、「持てるかな?」とそわそわしている子。
それぞれが番が回ってくるのを思い思い待ちました。
ですが、先頭の子にお米が渡されたとたん、緊張や不安は一気に吹き飛んで、まるで運動会をしているような楽しさに変わりました。
米袋を受け取って、抱きかかえ運んでいくみんなが30キロの米袋を持っているとは思えないような笑顔で軽やかに横を通り過ぎていきます。
いよいよわたしの番が回ってきました。
まことちゃんから米袋を受け取ったとたん、両腕、腰にずしっと重みがかかりました。
抱きかかえるようにぎゅっと身体に力を入れると、安定した持ち方ができました。
米粒1つひとつはあんなにも小さいのに、それらが集まると、こんなにも重量が増すのかと思うと、とても不思議な気持ちがします。
でもその重みを感じると、満たされたような気持ちになりました。
米置き場まで運ぶと、まえちゃんとなおとさんが待ってくれていて、米袋をきれいに重ねて収納をしてくれました。
持っていくたびに高く積み上がっていく光景は圧巻で、改めてこんなにも収穫できたのかと驚くほどでした。
みんなで運ぶと、エルフに山積みにあった米袋も1人1~2往復足らずでエルフで運び終わりました。
またすぐに、みかちゃん、まことちゃんがライスセンターまで取りに行ってくれて、計5回、エルフの荷台から米置き場までのお米運びが行われました。
30キロの米袋を1袋運ぶだけで、身体がかーっと熱くなって汗が出てきました。
運ぶのは1人ひとりだけど、それでもみんなと一体となって運んでいるという空気があって、みんなと力を出し合って行う作業はとても楽しいです。
「お米が届きました!」という放送が入るたび、リビングから鉄筋校舎までみんなで駆けつけていくだけでも、大人数作業の楽しさを感じました。
5往復もあったけれど、あっという間に進んでいったお米運び。
最後の1袋を収納し終え、改めて運んだ米袋の量をみると、前年よりも明らかに袋数が多く見えました。
みんなで運んだお米の前で、お母さんとたけちゃんも一緒に写真を撮りました。
その夕食の席。今日運んだミルキークイーンの米袋数を数えたまえちゃんが、嬉しい報告を聞かせてくれました。
「今年のミルキークイーンの収量は反当り8.1俵でした!」
ミルキークイーンはもともとあまり収量が多くとれる品種ではなく、反当たりの平均が7俵前後らしいので、結果としてまずまずの良い出来だったとのことでした。
まえちゃんが教えてくれた報告を聞いて、夕方にみんなで見上げた虹は今年のミルキークイーンが豊作だった、喜びの虹だったのだなと思いました。
新米が食卓に上がるのが楽しみです。新米をみんなでいただける日が待ち遠しいです。
(るりこ)
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