【9月号⑪】「全力で走って、繋ぐ! ―― 大人数で牛肥の追肥ツアー! ――」りな

 サマータイムでのスケジュールが始まって、夏が真っ盛りになってきた八月。大人数で追肥ツアーを回りました。

 まえちゃんが、「ピーマン、キュウリ、ナス、ゴーヤ、出来たらラッカセイの追肥まで終わらせたい!」という目標を伝えてくれました。作業時間は限られています。その中で、どこまで進めることが出来るのか、ワクワクして、気合が入りました。

 まず向かったのは、ピーマンが植わっている石の下畑です。牛肥を山盛りに積んだエルフ(一・五トントラック)にまえちゃんとちさちゃんが乗ってくれて、牛肥がいっぱいになったテミを、渡してくれました。
  
  
「はい!」「はい!」テミを受け取るみんなの明るい声が絶え間なく聞こえてきます。受け取ったテミを手に、走って畝間に入り、畝に筋状に撒いていきます。そして、空になったテミを片手に、エルフの元まで走ります。

 誰もが移動中走っていて、でもみんな笑顔で、活気ある空気がとても楽しかったです。疲れも、夏の暑さも忘れて、夢中になって、牛肥を撒きました。

 一人一畝担当で、責任重大です。ピーマンにとって、多すぎず、少なすぎない牛肥の量を追肥できるように、みんなで共通確認をしました。
  
    
 どんどん畝に、牛肥の山脈が出来てきました。一畝撒き終わった人は、まだ終わっていない人をヘルプして、みんなで一つの畑を終わらせました。

 大人数で取り掛かると、一つの畑を十分ほどで追肥を終わらせることができ、本当にあっという間に感じました。とてもスピーディに、スムーズに畑を回ることが出来て、一つひとつのミッションをクリアしていく感覚が、とても楽しかったです。

 崖崩れ下ハウスに植わっているキュウリの追肥を終わらせて、次に向かったのはいいとこ下畑です。いいとこ下畑は奥行きがとても広い畑です。

 でも、一往復して、もう一度同じ畝間に入ると、その間に牛肥が撒かれているところが進んでいて、本当に進みが速いなあと思いました。
  
  
 一人の力がたくさん集まると、とても大きな力になって、この仲間とならどんなことでも出来るような気持ちになりました。みんなの存在がとても心強くて、その中の一人として、目いっぱい力を出し切れることが、とても気持ちが良かったです。

■いっぱい汗をかいて

 エルフが牛肥を取りに行った休憩時間も、誰が言うでもなく、みんなが率先してナスの草取りをしてくれていました。楽しく、笑顔で自主的に草取りを進めているみんなの姿が、とても綺麗だなあと思いました。

 牛肥を取りに行っているほんの数十分でも、ナス畑の広い面積が草が抜かれて綺麗になっていました。

 ゴーヤの畑では、ゴーヤが支柱に絡まり合って、グリーンカーテンがずらーっと並んでいました。追肥をしていても、ゴーヤの良い香りがふんわりと漂ってきて、ツルからは大きくてごつごつしたゴーヤの実がぶら下がっていました。
  
 ゴーヤの株もとに敷き詰めるように、牛肥を薄く広く撒きました。みんなで汗をいっぱい掻いて、終わらせた後に飲んだ冷たいお茶が、身体に染み渡りました。

 雨雲が近づいてきて、天気が怪しくなってきました。残る畑は、アスパラ畑と、落花生の植わっているゆず畑の二枚です。天気が悪くならないうちに、目標を達成したい! みんなで気持ちを奮い立たせました。
  
  
 なのはなのアスパラ畑の追肥では、私はちさちゃんと一緒に、エルフの上に乗らせてもらいました。スコップで、ひたすらテミに牛肥を入れていきます。スコップをちさちゃんと交代で使いながら、前に並ぶみんなのバケツリレーに繋ぎました。

 ちさちゃんが、猛スピードでスコップを動かして、テミにどんどん牛肥を入れてくれました。そのスピード感とパワーに驚きました。ちさちゃんの手が止まらないように、必死になってテミの受け渡しをしました。

■空からのプレゼント

 私も、スコップで牛肥を入れさせてもらいました。牛肥は、下に行くほど転圧されて重くなってきます。それをスコップで持ち上げることが、想像以上に力が要りました。全力で牛肥をテミに入れて、それでもすぐにみんなのバケツリレーに繋がれていきます。改めて、大人数でのバケツリレーのスピード感に驚きました。

 エルフにたくさん積まれていた牛肥も、いつの間にか、底が見えそうなぐらいの量に減っていました。

 なのはなのアスパラ畑のほうから、まえちゃんの声が聞こえてきます。なのはなのアスパラ畑の追肥が終わった、ということでした。あと残り時間十五分になっていました。
   
  
「絶対に終わらせるぞ!」

 ちさちゃんとそう言いあって、走ってゆず畑に向かいました。

 一畝にテミ二杯の牛肥で、株もとにドーナツ状になるように追肥をしていきます。いつの間にか、アスパラの畝の均しをしていた人もたくさんヘルプに来てくれて、みんなで落花生の追肥を終わらせました。
  
  
 風のように時間が過ぎていきました。目標だった落花生の追肥まで終わらせられた時、とても達成感がありました。

 気が付くと、パラパラと小雨が降ってきました。天気が私達を見守ってくれていたのかなあと思うぐらい、ベストなタイミングで雨が降ってきました。野菜たちにとって、恵みの雨になったらいいなあと思いました。追肥した牛肥が、雨で土にしみ込んで、野菜たちの栄養になってくれたらいいなあと思いました。
  

作業が終わるのと同時に、空に虹が架かりました!

    
 古吉野への帰り道、目の前の空を何気なく見上げると、薄っすらとかかる虹が見えました。みんなで見ることができました。今日、みんなで頑張ったご褒美を神様が下さったのかなあと、とても幸せな気持ちになりました。