「人生をかけて」 えりさ

9月10日

 

 明日、なのはなファミリーを出発します。

 みんなから離れると考えると、とても寂しいけれど、以前あゆみちゃんに、アメリカに行っても、なのはなのもう1つの店舗だと思って過ごしたらいいよと教えてもらったことを思い出すと、勇気が湧きます。

 場所が違っても、なのはなで教えてもらったことを思い出しながら毎日生活し、みんなと同じ気持ちで成長していきます。
 1人で旅立つことに対する不安な気持ちがあっても、今の自分の中になのはなファミリーと言う、心の支えがあるので、本当に心強いです。
 これから先の人生もどうなるかは分からないけれど、なんだかすごく楽しみで、仕方がないです。こんな気持ちになれたのは、なのはなのお父さん、お母さん、みんなのおかげです。

 

 私はみんなの中で回復しました。

 能力主義で、人を浅いところでしか見ない、利他的な価値観から抜け出し、人のために生きる美しさを深く理解できたのは、みんなが日々、畑に向かう姿勢、ウィンターコンサートに向かう過程、掃除、当番、あらゆる場面で正しいお手本を見せてくれていたおかげです。

 この事実を一生忘れず、人生をかけて、誰かに返します。

 なのはなに来る前にアメリカの「最先端」の摂食障害専門クリニックや、東京で一番大きい精神病院など、いろんなところで治療を受けたけれど、どこにも「答え」と言うものはありませんでした。薬が出されても、回復の動機、正しい生き方は全て患者が自分で見つけるしかない、と言うスタンスでした。医者は医者で、患者は患者であり、明らかに「理解」というものはありませんでした。確かな方向性のない、停滞したような場所ばかりでした。

 私は摂食障害から回復することは不可能だと信じきっていました。
 しかし、なのはなには、具体的で、はっきりとした答えがありました。
 利己的な価値観を捨て、新しい、利他的な価値観を人生の基盤として回復、自立する。

 最初、私はこれを理解することができませんでした。自分を優先しなかったら、空っぽになってしまう恐れがありました。しかしある日、お父さんに「試しに誰かを喜ばすことだけ考えて、3日間だけ生活してみたらいいよ」と言われ、その通りにして見たら、次の日の朝から見える世界が180度変わりました。
 自分の個人的な悩みや自己実現、自分の将来的な利益に対する執着を全て捨てた瞬間、体も心もものすごく軽やかになりました。
 楽しいこと、嬉しいことを今までよりずっと深く感じられるようになりました。景色が一気に鮮やかになりました。

 この喜びをもっとたくさんの人に知ってもらいたいです。

 豊かな世界で生きにくさを感じるたくさんの人たちに知ってもらいたいです。

 じゃないと私の回復は意味がないと強く思っています。

 抽象的かもしれないけれど、この思いを一生忘れず、どこにいっても、真面目に、誠実に、なのはなで育てられた自尊心を持って、自分にも、他人にも肯定的に生きていきます。

 

 みんなと稲刈りまでできなかったのは残念だけれど、香りの良いお米がたくさん収穫するみんなを想像するだけで、暖かい気持ちでいっぱいになります。

 あと、最近定植させてもらったたくさんの秋冬野菜がうまく活着し、ネキリムシに負けず、強く、たくましく成長するのを願います。

 お父さんにたくさんの料理を教えてもらい、本当にありがたくて嬉しかったです。
 シアトルの海辺の魚市場でタイを買って、捌いて、煮付けや、一夜干しにして調理するのを夢見てます。ルームメイトたちのために作ったらきっと喜ぶに違いないです。

 

 今日の夕方、まなかちゃんとみつきちゃんに誘われて、古吉野の周りを少し散歩させてもらいました。池上畑周辺の南国を連想する野道や、金色の稲が垂れ下がる田んぼが見える吉畑ハウスからの景色を見て改めて、ここはユートピアだと思いました。

 

 まなかちゃんもすごく嬉しそうで、本当によかったです。

 幸せは人と人との間にしかない。

 

 まだ書きたいことはたくさんあるけれど、消灯時間なので、ここまでにします。

 

 お父さん、お母さん、みんな、私の本当の家族でいてくれて、ありがとうございます。

 大好きです。本当に、すごく、大好きです!1