【8月号⑬】「迫力のある演奏を目指して ―― 勝央金時太鼓『那岐おろし』の練習 ――」つき

 六月いっぱいお休みだった勝央金時太鼓の練習が、七月に入り再開しました。しばらく自主練習をしていましたが、この日、久しぶりに竹内さんから太鼓を教えていただくことができ、とても嬉しかったです。

 久しぶりの太鼓。思いっきり叩く爽快感が本当に気持ちがよかったです。けれど、一か月間が空いた分、身体がなまっていることをものすごく感じました。

 最初の体操では膝を九十度以上曲げて腰を低くすることがとても大変でした。太鼓をたたくと、腕が重たくて自分でも驚くほど上がりにくかったです。練習台を使って練習していたとはいえ、やはり本物の太鼓で練習をするのは全然違うのだと、実感しました。
 
  
 再開して最初の太鼓は、大雨警報のために、残念ながら一時間で切り上げなければいけないことになりました。一か月ぶりだったので、限られた時間のなかで基礎練習をみっちりしていただきました。竹内さんが、基本の姿勢、構え方を改めて教えてくださいました。

 一人ひとりの構えを見て、それぞれに必要な改善点を教えてくださいました。私は太鼓に対して骨盤が斜めになってしまっていたので、しっかりと腰を入れて、太鼓と骨盤を平行にするように、と教えていただきました。何度も教えていただいているのに、どうしても自分の癖が知らず知らずに出ていると思いました。

 自分で気づけていなかったり、忘れてしまっていたことを何度も修正していただけることがありがたいです。自分にとって特に注意しなければいけないポイントを抑えてその通りに叩くと、余計な力が抜けるので、とても叩きやすくなりました。やはり、基本はどこまでも大事なのだと実感しました。

 次の週からは、曲の練習に入りました。私たちが勝央金時太鼓に行くようになって初めて演奏した『風の舞』を久しぶりに叩きました。新しいメンバーも入っての『風の舞』。

 なんだか新鮮な気持ちでした。今では何も考えなくても腕が勝手に動くくらいになって、シンプルな曲に感じました。きちんとレベルアップできているのだと思えて嬉しかったです。 

 初めて演奏させてもらえた曲を度々演奏することで、初心に帰ることができるので、『風の舞』はとても大事な曲だな、と思います。

■太鼓のバトン回し

 今、練習中の『那岐おろし』という曲は、那岐山から降りてくる風を表現した曲です。勝央金時太鼓保存会の方たちが演奏されているのを見て憧れていた曲を、演奏させてもらえることがすごく嬉しいです。

 長胴太鼓の一人ずつのソロ回し、締め太鼓ソロ、大太鼓ソロと、次から次へとバトン回しのように展開されていくのが、とても楽しい曲だと思います。およそ九分ある長い曲でもあっという間に感じ、演奏していてすごく楽しいです。
  
  
 さくらちゃんの大太鼓の打ち込みは何度聞いても格好良いです。その音を聞いていると気持ちが引き締まり、曲の気持ちにスッと入ることができます。その後を追うように長胴太鼓と締め太鼓が加勢していくところは、つい気持ちが乗ってしまってテンポが速くなっているということを竹内さんに教えていただきました。

 言われてみると、必死になって叩きすぎてしまっていたな、と思いました。竹内さんにテンポキープをしていただきながらその部分だけを練習してみると、弱くなりがちな左手のアクセントをしっかりと打ち込むことができ、とても叩きやすく感じました。聞いていてもこのくらいのほうが聞きやすい、と竹内さんに言っていただけて嬉しかったです。左手が重要だと、いつも竹内さんが教えてくださいます。

 個人的に、左の音や叩き方はまだ課題があると感じているので、しっかりと左手の打ち込みを意識して、より迫力のある『那岐おろし』を演奏できるようにしたいです。

■大きくてキレのある音

 曲の練習以外にも、大きくて切れのある音を出すためにどうしたらよいかを教えてくださいます。大きな音を出すためには力を入れないことが一番。腕を鞭のように柔らかく使って、肘から下ろし、太鼓を打つ一瞬だけに力を入れる。イメージとして、手を振り上げて振り下ろすまではパーの状態、打つ一瞬だけグーにする。言葉では簡単なように感じるけれど、実際にやってみると本当に難しいです。大きな音を出そうとすると、無意識に力が入ってしまいます。竹内さんが実際に叩いてくださる音は、突き抜けるような大きな音で、すごく格好良いです。同じ太鼓なのに、竹内さんのような音にはまだほど遠く感じます。けれど、竹内さんが教えてくださる通りに打つことができたときは、大きくて切れのある音が出ていることが自分の感覚でも分かり、爽快です。

 練習の最後に、一人ずつ自分の出せる一番大きな音を叩いて、竹内さんがそれぞれに必要な改善点を教えてくださいました。ふみちゃんが叩いた時は、竹内さんと同じくらい大きな音が出ていてすごいなと思いました。竹内さんが、「できてる。太鼓がかわいそうなくらいじゃ」とおっしゃっていたのが面白かったです。

 私は、だいたいはできているけれど、少し力が入っている、と教えていただきました。力を抜こうと思っていても、見られていると思うと緊張してしまったし、さらに自分の出せる最大限の音を出そうと思うとやっぱり力んでしまいます。
  
  
 自分が思っている以上にリラックスして肩の力を抜かなければ、本当に大きな音は出せないのだと分かりました。力を抜きすぎてもいけない、入れすぎてもいけない。その絶妙な感覚を身体に入れていきたいです。

 夏の太鼓はものすごく汗をかいて疲れますが、終わった後は全て力を出し切った感じがして、さわやかな気持ちでいっぱいになります。夜もよく眠れて気持ちがいいです。晴れ晴れとした気持ちで一日を終えることができるので、良いリフレッシュになります。まだまだこれからが夏の本番なので、しっかりと体力をつけて、畑も太鼓も頑張っていきたいです。