【8月号⑩】「進化していく、桃ジャムづくり」まよ

 7月から桃ジャム作りが始まりました。桃メンバーが収穫してくれて、ジャムにするために持って来られる桃も、はなよめから始まり、加納岩白桃、白鳳、なつごころ、紅清水、清水白桃、浅間白桃と移り変わってきています。

 ジャムを作る一日は、朝六時に道具の準備や当日に使う桃洗いから始まり、桃を鍋で煮て瓶詰、脱気、殺菌煮沸、保管という流れです。昨年から、河上さんに教えて頂き、五徳を二段、完成前は三段にし、遠火の強火にすることで、短時間でジャムを作ることができるようになりました。
  
  
 そのお蔭で、前年まではひと鍋を炊くのに一日がかりだったのが、午前、午後と二回戦、最大三人体制で六鍋分のジャムを作ることができるようになりました。毎年、桃の樹も育ち、採れる桃も増えてきているので、時期を逃すことなくジャムにできることが嬉しいです。

 毎日、ジャムの完成を見極めるために味を見ます。河上さんのところへ持っていくときに、河上さんがいつも大切なお話をしてくださり、自分たちが判断すべきところ、判断を仰ぐところ、進め方についてなど教えてくださるのがとても嬉しいです。

 味の見極め方、どのように見極めるのか。味の判断は、ジャムメンバー同士でジャムを見本と比べて判断し、甘さが乗ったと思ったときに、河上さんに見ていただくようにします。お砂糖は、煮る前に桃の二十パーセントの重さ、完成前には十パーセントを入れます。

■凝縮された美味しさに

 完成前に砂糖を加えてから、鍋を混ぜていると、ある瞬間に木べらが重くなるのを感じます。楕円のお玉でジャムをすくって落としてみて、その落ち方が全体にとろっとしてきたタイミングを私は基準にしています。

 ストライクゾーンには入っているけど、あと三十秒、煮たらいいなと河上さんが言われることが多々あって、それをジャムメンバーで「魔法の三十秒」と呼んでいます。
  
  
 鍋を火に再度かけてふつふつしてきてから、あと三十秒炊くだけで、ジャム自体の甘みがぐっと強くなり、桃の香りと果肉と果汁の甘みが一体になりまろやかになる感じがします。その時は、思わず笑顔になるような感覚があります。品種ごとの美味しさが凝縮するようなジャムの味にできたらいいと思います。

 ジャムメンバーで、味、とろみの共通認識をもって均質のジャムに近づけていけている感覚があり、それが嬉しいです。自分で、これはまだ甘みが足りない、今ストライクゾーンに入った、などわかると、それが楽しいと感じます。

 また、以前は一鍋ずつ煮初めていたところが、今は全部の工程を一人ずつで同時進行で進めるようになり、脱気、煮沸を同じ鍋ですることができるようになりました。作業工程が簡略化されて、スッキリとした感じがあり、それも嬉しいです。

■記録づくり

 味、色、とろみ、果肉の粒の大きさなどを揃えて、毎年同じ品質にすることはとても大切です。品種別に見本を見て、例年とずれが生じないようにします。前年は、なつごころや白鳳など、果肉が柔らかく溶け易い桃は、桃のカットの時点で櫛型に切るようにしていました。

 加納岩などの固く若い実は、櫛形に切ったあとに二、三度、包丁を入れて一センチ角にしていました。今年は、あやかちゃんが考えてくれて加納岩白桃も櫛形に切って鍋に溜めていき、一鍋に炊く量の五キロを素早く達成してから、火にかけて沸騰するまでの段階で鍋の中で実を木べらで切っていくという方法をとりました。

 その方法にすると、桃のカットの工程が素早く終わり、時間を有効に使うことができるようになったと思いました。鍋の中で、木べらで実をカットしていき、形が揃っていくのを見ると嬉しい気持ちになります。また、私は灰汁取りの工程がとても好きです。

 沸騰してくると少しずつ灰汁が出てきます。なべ底が焦げないように混ぜながら、灰汁を全部取り除いていきます。きれいにスッキリ、灰汁がとれるとお風呂上りのような気持ちの良さがあります。

 何を、記録として残すのか。日々の記録として、タイムテーブルを昨年は書いていました。しかし、河上さんは毎回、「作業工程を、見て単純なものにすることが大事」と教えてくれます。河上さんが教えてくださったのは、毎日自分たちが質問をして得た解決を日々の記録、掲示板に残すことでした。
  

瓶詰めし完成したジャムは一つひとつが宝石のように思えます

  
 逆に、毎日同じルーチンになっている、作業工程にかかる時間などを記録として残すより、新情報をすぐに来年の人が見てわかるようにする、そういったことが記録することの大切さだと思いました。折角教えて頂いたことを見安く残せるようにしたいと思いました。

 夕方に、あんなちゃんがジャムに使うことのできる桃を運んできてくれます。その桃の熟れ具合を見て、翌日の鍋計画を立てることが、桃が増えるほど管理が難しくなっていました。

 けれど、それも保管場所を一つにして、ジャムにするのか、別の形でいただくのか、二択にするとシンプルになりました。前は難しいと思っていた作業ですが、今は桃を触って翌日に使う桃を選ぶことが楽しいと感じます。

 美味しい桃ジャムを最後までジャムメンバーと一緒に作っていきたいです。

 

『桃花作りを進めています!』

 桃や桃ジャムを嫁入りさせるときに添える桃花は、折り、丸め、組み立ての3つの工程から作られています。1つひとつ、丁寧な気持ちで、手に取る人を思って作ります。
  
  
 室内で過ごす日、みんなとリビングで集中して桃花を折る時間が好き、という子も多いです。