【8月号⑦】「緑豊かな稲に囲まれて ―― 田んぼの草取り ――」さや

 田んぼの草取りは、みんなで並んで田んぼに入り、雑草の多いところでは一人二〜三条ずつ、少ないところでは一人四条ずつ担当して、条に沿ってまっすぐ進んで行きます。
  
  
 田んぼの二大雑草はホタルイとヒエ。

 腰をかがめて水面に目線を近づけると、水面からぷつぷつと突き出ているホタルイがよく見えました。ホタルイは、ネギやノビルのような筒状のつるっとした葉の先を小さくとがらせています。

 水の中に手をいれて、ホタルイの束の根に近いところを、半分泥に手をうずめるようにしてつかみ、自分に引き寄せるようにしながら水面から引き上げると、ホタルイが根ごとごそっと抜けて、その感触が気持ちいいです。

■間違い探しのよう

 ヒエは穂を付けるまでは、姿形が稲にそっくりです。しかも稲に寄り添ってまるで稲の一部であるようなそぶりで生えていたり、きちんと条に沿って、植えられた稲の一株のような佇まいで水面から出ていたりするので、ちょっと間違い探しみたいです。

 稲とヒエとを見分けるポイントは、稲は茎の節から米ぬか色の産毛のようなものが生えているのに対し、ヒエは、節に米ぬか色のラインが入っているだけ、というところです。

 はじめは、その些細な違いを一回一回全部確認することは大変な気がしてしまうのですが、目が慣れてくると、パッと見て、あ、これはヒエだな、というのがわかるようになって、雑草としては憎らしいのですが、稲になりすましているヒエをたくさん発見して抜いていくのは楽しかったです。    

  
  
 五月に田植えをしてから、稲はぐんぐん成長しています。最初の草取りのときたくさん泳いでいたオタマジャクシたちは、出会うたび足が生え手が生えして、今は蛙になって田んぼの中を泳いでいます。

 田んぼ一面の勢いのいい稲の姿が、すごく瑞々しくて、眩しいです。秋になって、重たく穂を垂れて一面金色になった景色を想像すると、それが待ち遠しいような、今の、夏を謳歌している景色をずっと見ていたいような気持ちになるなと思いました。