【8月号②】「【畑Aチーム】ピンチを前向きに乗り越える! ―― スイートコーン、ナス、バジル ――」やよい

 畑Aチームで育てているスイートコーンは、最終弾の収穫を迎えています。

 今期のスイートコーンはとてもラッキーでした。

 六月初旬から第一弾の収穫がはじまり、あっという間に六弾の最終弾を迎えましたが、五月の中旬から、雨が週に三、四回、定期的に降ってくれて、とくに収穫直前はたくさんの水分量を必要とするので、充分な水分量を確保でき、一弾から、実りのいい、みずみずしい黄金色のコーンが育ちました。
    

  
 例年と違い、今年は収穫期間が約一ヶ月間と短かったです。それは、一番いい時期に美味しいスイートコーンを収穫することと、アワノメイガの被害にあう前に収穫する、という目的がありました。株数は、今までと同じく、約二千株でしたが、一弾あたりの株数を二倍にして、今までの半分の弾数で育てました。

 七月中に収穫が終わってしまったのは寂しい気持ちになったけれど、比較的短期間で約二千株のスイートコーンを作れたのは、虫の被害を回避できること、雨が欲しい時期に降ってくれることなど、とても良かったと感じました。

 アワノメイガは五月から活動しはじめるらしく、収穫時期とかさならないようにするというのは、無理なのだと気づきましたが、タイミングを見て、防除などをし、どのコーンもほとんど、アワノメイガの障害が見あたりませんでした。

 最終弾では、長雨にあったせいで、湿害にあってしまい、二、三割、葉が病気のように枯れてしまったのと、雨のせいで、三回目の最後の土寄せができませんでした。それで、少しサイズは小さくなってしまったけど、皮を剥くととても綺麗な実がそろっていました。
  
  
 この最終弾の収穫は、少しドタバタ劇がありました。

 ある同盟サミットでのこと、いつもメンバーのえりさちゃん、せいこちゃん、りなちゃんと話をしていたら、スイートコーンはもう今日で最後かもしれないね。スイートコーン担当のえりさちゃん、せいこちゃんからその話題が出ました。

 今期最後のスイートコーン……そしたら、少しスペシャルなものにしたい。コーンにバターを塗って、バターコーンで出すのはどうか!

 えりさちゃんがそう提案してくれました。

 でも、話している時点で、昼食二時間前、いくらなんでもそれは無茶なんじゃ……と思いつつも、気づくと、一年生教室に走っている自分がいました。

 ああ、こんな急に相談してもよいものか。申し訳ないなあ。と思いながら、一年生教室のドアをがらがらと開けて、思い切って、前に見えた席にすわっているあゆちゃんに、

「今日で、スイートコーンが最後かもしれなくて、バターを塗って出そうと思うんですけど、どう思いますか?!」

 と聞きました。

 ああ、言ってしまった。

「え〜そうなんだ。寂しいね。お父さんにバターを使うこと聞いてみるね。OKが出たら、バターを買いに行こう」

 あゆちゃんが笑顔で、嬉しそうにそう返事をしてくれたことがものすごく嬉しくて、救われたようで、また走って、同盟サミットをしていた、えりさちゃん、せいこちゃん、りなちゃんの元へ帰り、そのことを伝えました。

■想像以上の美味しさ

 そこからは、えりさちゃん、りなちゃん、みつきちゃんも巻き込んで、食堂の飾りつけをして、私とせいこちゃんは食堂の入り口でみんなに歌う替え歌を考えたり、せいこちゃん、ちさちゃん、みかちゃんがスイートコーンを収穫しに行ってくれました。

 収穫を終えて、軽トラックが戻ってくると、何人もの人が皮むきを手伝ってくれました。台所に入ると、ゆであがったコーンにバターを塗る、りなちゃんとあゆちゃんがいました。バターはかにちゃんが急遽買ってきてくれました。

 バターコーンは食べたことがなかったけれど、バターが塗られたまるまる一本のコーンは溶けたバターでキラキラしていて、一口食べると口の中にバターの香ばしさと、コーンの甘みが広がって、予想以上に美味しかったです。

 本当に思いつきのようで、たくさんの人の力を借りて、最後のコーンをこんな風にみんなといただけたことがとても嬉しかったです。
  
  
 スイートコーンというと、まっさきにえりさちゃんとせいこちゃんが頭に浮かびます。毎日報告、相談して、困ったことも一緒に悩みました。特に、父の日の会があった夕方、獣に三十本くらい食べられたときに、夜の集合後にお父さん、お母さん、何人もの人が駆けつけてくれて、一時間足らずで、外周のネットを張ったことはとても印象に残っています。
     
 記憶に残るスイートコーン栽培になりました。

■ナスとバジル

 ナスは、北側の五畝ははじめから生育が悪く、雨が数日降った、次の日でも、少しでも日が差すと、くたっとなって、弱々しくて、その姿にはらはらさせられました。

 でも、お父さんに相談させていただいて、えみちゃん、りなちゃんと考えて、根をほぐしたり、牛肥をチョコレートケーキみたいに、株周りに追肥したり、水遣りの水にリンカリ肥料や、トレハロース、えひめアイなど、肥料が吸いやすいように、様々な工夫を凝らして、少しずつ元気になってきました。

 今でも、草丈も四十センチくらいに成長していて、葉も斜め四十五度にピンと空の方に向いていて、葉に艶があり、復活していることが感じられます。

 すぐにくたっとしていた葉も、今では三十五度を超える猛暑でも、葉がピンとしていて、とても強くなったと思いました。一生懸命、生育のよい、収穫がはじまっている南側四畝に追いつこうとしていて、とても嬉しいなと思うし、私もその姿に勇気をもらいます。
  
  
 ナスの誘引では、合掌造りにした支柱の上段の竹までは九十センチの高さがあり、そこに届くまでは誘引できる竹がないため、別途、篠竹を使って誘引していたのですが、そうすると一本いっぽん篠竹をつけるのは少し時間がかかりました。

 そこで、畝の両端に竹を二本ずつ打ち込んで、その竹にマイカ線をくくって、ぎゅーっと引っ張りながら、ナスの枝を両側から起こすようにして張り、反対側の竹に結ぶことにしました。

 この方法だとシンプルで、簡単、美しく誘引ができました。

 マイカー線をひっぱりながら、ナスの倒れかけた枝を一本いっぽん起こすように誘引するのは、こんな風にしたいと思いながら、誘引して、それが実現されていくので、とても楽しかったです。

 はじめから生育の良かった南側四畝は、草丈が八十〜九十センチになっていて、どんどん大きくなってきていて、毎日コンスタントに十キロ以上の実がとれています。

 今、ナスは成長期で、今からの課題は、どれだけ水をきらさずに適当な量をやりつづけるか、だと思いました。水遣りのローテーションをくんで、毎日もっと多くの収量をとれるように、水遣りや手入れをしていきたいと思いました。

 ナスの間にいるコンパニオンプランツのバジルは、草丈二十センチのところで、摘心して、にょきにょきと次々に脇芽が出てきます。

 ナスの隣にいるだけで、ナスと一緒に牛肥などの肥料が追肥されたり、水遣りができるので、特にバジルだけに何か手入れをしているわけではないけれど、摘心した一週間後には、発泡スチロール箱にいっぱいのバジルを取ることができました。

 ナスの収穫をしていると、バジルの香ばしい香りがそこら中に漂って、いいとこ下は、なんだかイタリアンな感じがします。
  

  
 そのバジルたちは、あゆちゃんや台所さんが、バジルと、トマト、モッツァレラチーズで、冷製パスタを作って下さって、いただけたことも、はじめての経験でとても嬉しかったです。

 これからも、みんなと収穫し続けられるように、協力して手入れしていきたいです。