【6月号⑭】「夏野菜の定植⑧ ゴーヤ ―― 支柱立てのゴーヤ畑の喜び ――」ななほ

 

 第一鉄塔上畑に約三百七十株のゴーヤを植え付けました。五月二十二日。朝から畑Bチームのみんなと牡蠣殻石灰でラインをひき、畝を立てました。畝の形は馬の背型です。

 お父さんが、
「畝の形を馬の背型のように高畝にすることで、根の周りの地熱が上がりすぎず、風通しがよく、異常気象に対応できる畝になる」
 と教えてくれました。

 ゴーヤは原産地がインドなどの熱帯アジアということもあり、暑さや日光は大好きな野菜なのですが、やっぱり高温多湿化になると病気や生理障害が出やすくなってしまいます。


 その為、畝の形も工夫し、日光の当たり方や作業効率も考えて、畝の向きも北から南へ立てることにしました。まだ五月だというのに、じりじりと燃える太陽の下、次々と人が集まって畝を立てました。畝に肥料を埋めるため、畝立ての段階ではまだ馬の背型とは程遠く、凹の字を連想させるような形に畝を立てていきます。

 そして、支柱立て。やよいちゃんやあけみちゃんが穴あけドリルで穴をあけてくれて、それを追うように二メートルの縦竹をさしていきました。竹を運ぶ人。竹をさしていく人。かけやで竹を打ちこんでいく人。篠竹を使って土で支柱を固定していく人。

 篠竹を使って支柱を固定する方法は、以前桃の支柱立てをしていた時にあんなちゃんから教えてもらった方法で、その時は鉄パイプだったのですが、今回、畑作業でその方法が活躍してとても嬉しくなりました。


 リーダーのやよいちゃんがこまめにタイムコールをしてくれて、みんなが追いかけっこをするように、流れ作業で支柱が立っていき、顔をあげる度に景色が変わっていきました。大人数のみんなと無心で支柱を立てて行く時間は、その場にいるだけでもワクワクした気持ちになり、支柱立ての流れは分かっていても、(これから何が始まるんだろう?)と思ってしまう位でした。

 約一時間で縦竹が全て立ち、上から畑を見ると何かの迷路のようでした。そして、お次は横竹運び。一本が六メートルほどある竹を二人一組で畝間に運んでいきました。長い竹を運んでいると前がよく見えない事もあったのですが、一番先頭の人が、(この先渋滞しています)(進みます)と声をかけてくれて、気が付いたら交通整備された交差点のようにスムーズに竹運びが進みました。

■夢中になって

 そして、いよいよ横竹の固定です。支柱立ては抱っこちゃん結びで縦竹と横竹を固定し、八の字結びで横竹のつなぎ部分を固定するという単純な作業なのですが、とっても夢中になってしまいます。

 「好きな作業は何ですか?」と聞かれたら、「今している作業です!」と答えてしまいたい位、日替わりに好きな作業ランキングが自分の中で更新されているのですが、やっぱり支柱立てをしていると、この上ない面白さや興味深さを感じます。

 やよいちゃんが、「四人クワトロになって、横竹を結べたら嬉しいです」と話してくれて、四人一チームで黙々と横竹を固定して行きました。どの畝からも「ここ結べました」「次の畝に入ります」「手の空いた人がいたら補助をお願いします」と明るい声が聞こえてきて、とても賑やかでした。

 ゴーヤの支柱は横竹が二弾になっているのですが、上段が固定された所で、まちちゃんややすよちゃんが上段の竹の端から端へスズランテープを伸ばしてくれて、ネット張りに入ります。

 キュウリネットを、二人で持ち、よじれを無くすように仮止めします。その後、スズランテープを使い縦竹や横竹にネットを固定。ネット張りは頭では分かっていても、実際にやるのが難しく、とても難しい印象があったのですが、お父さんが改めて基本的なネットの張り方を教えて下さり、そのお陰でネット張りが何倍にも早く進み、楽しさも何十倍にもなります。最後、ネットがピンと張れて、綺麗な四角形が並んでいるのを見て、とてもスッキリした気持ちになりました。

 苦手意識のあったネット張りがこんなにも単純で、楽しいのかと驚いたし、これでゴーヤも真っすぐに力強く伸びられると確信を持って思えました。二日間、畝立てから支柱立て、ネット張りを進め、大人数のみんなとゴーヤの植え付け準備を進められて嬉しかったです。

 最後は畝の中に牛肥、落ち葉堆肥、牡蠣殻を埋めて、無事に雨前にゴーヤが畑に植わりました。いつもこの季節になるとなのはなの畑に夏野菜が植えられたり、支柱が立つのですが、その光景が一種のアートのようで、最先端の建造物のようで、毎回畑に行くのが楽しみになります。

 今、担当野菜としてゴーヤを毎日見ているのですが、道の角を曲がってからゴーヤの畑が見えると、走らずにはいられないくらい、ゴーヤが待ってくれているのを感じて、素敵な支柱の立ったゴーヤの畑が好きになってしまうなと思います。


 なのはなの夏には欠かせないゴーヤ。心を込めて、ゴーヤを育てていきます。