【6月号⑦】「夏野菜の定植① ナス ――夏の主役、畑へ! ――」えみ

 ピーマンと並んで夏の主力野菜の一つでもあるナスは、今年もAチームの担当で、いいとこ下畑全面に、約五百四十株が植わっています。苗が本葉六,七枚くらいの植えごろになった五月中旬ごろ、やよいちゃん中心に大人数のみんなと、畝たてから始まり、無事に定植することができました。

 ナスの畝は、畝幅九十センチに対して畝間幅五十センチのベッド畝です。今年は、新たな試みで、支柱を立てる前に畝の中心に溝を切って、あらかじめ肥料を埋めるということをしました。

■支柱立ての成功体験

 鍬二個分くらいの深めの溝をつけ、その中に牛肥、牡蠣殻、落ち葉堆肥をたっぷりと入れていきました。これで、苗が定植された後にナスが根を伸ばしていくと、すぐ下の栄養たっぷりの肥料にたどりつけるという仕組みです。最初はマイルドな落ち葉堆肥、それから牡蠣殻の層をくぐり抜けるとそこには厚い牛肥の層。ナスは野菜の中でもかなり肥料食いなので、想像するだけでこれはナスも喜んでくれるだろうなと思いました。

 畝を立て、肥料入れをした後には、支柱たてをしました。ナスの支柱は、今年も例年通り合掌造りです。畝の両端に当てた二メートルの縦竹二本を、畝のセンターで八の字結びをして固定していきます。さらに、スパンごとに横竹をくくりつけて、ナスの背丈が伸びた時の支えになるようにしていきました。今年は横竹を上段の一本だけにしたのですが、去年よりも手早く、ほぼ半日で支柱たてを全て完結させることができました。

■植え付けへ

 完成した支柱がずらーっと畑一面に立っている光景は、息を飲むくらい美しくてみんなの力がすごいなと思いました。支柱たてをした翌日は、いよいよ植え付けです。山小屋キャンプがあったり雨が続いたりして、定植日が伸ばし伸ばしになっていたので、ナスも畑への引っ越しを待ち望んでいた様子でした。植え付け自体はちょうどいいタイミングでできたのかなと思って嬉しかったです。


 やよいちゃんが指揮をとってくれて、大人数で苗運びから定植、誘引、水やりまで流れ作業でスムーズに進めることができました。ナスの苗は、直径十二センチの大きめのポットで育てていて、一株だけでもかなりずっしりとしていました。苗置きと植え付けを同時で一人で完結させるのはかなり大変なので、ペアを組んでの配膳方式にしようとやよいちゃんが考えてくれました。

 一人の人がポットのたくさん載った育苗トレーを両手で持ち、もう一人の人がトレーからポットを取って植え付け穴の上に置いていきます。このやり方はすごくやりやすくて、シンプルだけど素晴らしいアイデアだなと思いました。


 あらかじめ苗を植え付ける位置に差しておいた篠竹の仮支柱に、ナスの茎を二センチほどまで近づけるようにして、浅植えで植えていきました。苗は少し前に鉢上げをしたばかりでしたが、ポットから外すと培土の縁から細くて白い根が見え始めていて、頑張って根を伸ばそうとしているのが分かりました。

 「大きくなってね」と一株一株心の中で苗に声をかけながら、丁寧に、でもスピードも意識しながら植え付けていきます。一人一畝担当でやっていき、緊張したけれど、みんなでやるとあっという間に畑全面がナス畑に変わっていました。

 植え付け後には、仮支柱にスズランテープで八の字に誘引していきました。風に煽られて傾いたりしないようにしっかりと固定するけれど、小指一本分ほどの隙間を空けてギュッとしまり過ぎないようにしました。


 さらに、最初の勢いづけに化成肥料を株周りにドーナツ状にやり、その後ホースでたっぷりと水やりをしていきました。午前九時半から始めて、終わったのは十一時前。約一時間半で全ての工程が終わって、一瞬時計を疑ってしまうくらいびっくりしました。みんなが同じ目標に向かって集中している空気があって、その中で作業させてもらえた時間がとても充実していて楽しかったです。

 定植からすでに三週間ほど経ち、ナスの株には一番花が次々と咲き始めています。ナスは上手くいけば十月、十一月ごろまで収穫のできる野菜なので、担当させてもらっている一人としてしっかりと見ていきたいし、手入れもみんなと頑張りたいです。