「ウロコ雲」 ななほ

6月19日

・父の日の会

 季節外れのコスモスが、2輪。肩を並べて咲いている姿がありました。私はいつものように、なのはなのお父さんとお母さんの顔を見ているのですが、やっぱりコスモスを見るとお父さんとお母さんの笑顔が浮かびます。
 明日は父の日です。今まで父の日の会に向けてチームのみんなと作ってきた寸劇を、今日と明日の2日間で発表します。

 昨夜、お母さんが、「演じている人とみんなのOMTなんだよ」と話してくれました。それを聞いた時、私も嬉しくなったし、みんなの嬉しい気持ちが空気で伝わってきました。演じている人に100%気持ちを添わせて、自分がその人になったつもりで、寸劇を見て、演じている人の気持ちを受け止めます。

 お母さんのお話を聞いて、私は自分が極端だったことに気が付きました。私はまだ未熟だから、私はまだ理解できていないからという気持ちがある時、今の自分は何から何まで未熟だから、自分が思うことは間違っていると思ってしまう気持ちがありました。

 でも、サービス精神が行き過ぎたり、良かれの気持ちが行き過ぎたり、私は極端で行き過ぎてしまうことがあるかもしれないけれど、目の前の人に気持を添わせて、ご機嫌取りをする訳ではなく心から、相手の為にと思う気持ちは利他的な優しさなんだなと思いました。他のことに関しても私は、極端に自分を否定してしまう時があるけれど、それは逃げでしかないと思いお母さんのお話が嬉しかったです。

 お父さんが会の最初に、「明日は父の日ですが、みんなが自分の傷と向き合って、回復していくことが僕のプレゼントのようなモノです」と話してくれました。いつもなのはなの為、私たちの為に全力で生きるお父さん。私は、なのはなの子として、お父さんの子としてちゃんと回復して、逃げずに真っすぐに生きていきたいと思いました。

 みんなの真っすぐな気持ち、苦しかったこと。父の日の会の寸劇を通して、みんなの体験や気持ちにたくさん共感して、笑いながらも涙が溢れてきました。みんなの劇を見ていても、その人の体験や苦しさがみんなのものになっていくのを感じて、(ああ、みんなに理解してもらったら、私は忘れてもいいんだな)と思えました。

 お父さんとお母さんが、「傷として残っていると苦しいままだけれど、苦しかった思い出、悲劇だったけれど喜劇になった思い出に変えてしまったら、思い出はいつか忘れられる」と話して下さり、その言葉が嬉しかったです。私は明日が発表なのですが、そういう気持ちで向かったら、自分は覚えておく必要も、引きずる必要も全くないのだと思いました。

 自分が勘違いをしてきたこと、自分が思い込みで苦しんでいたことも全て、もうそこから軌道修正をする人生という手段が持てなかったけれど、もうそれもおかしな喜劇として、思い出にして忘れたいと思いました。今日、みんなの劇を見させて頂いて、みんなが今の自分の全力で、精いっぱいで演じて、声に出して、勇敢に表現している姿がとても美しかったです。

 私にはこんなに力強く、勇気ある、利他心を持った仲間がいる。そう思うと、私もその仲間として恥ずかしくない生き方をしたいと思えたし、改めてそんな仲間に出会えて、今こうして一緒に生活できることが嬉しいと思いました。また会の感想文は明日以降に書こうと思うのですが、今日1日でも、みんなの劇を見させて頂けて、得るものが多くて、とても力が出ました。

・桃のネット張り

 夕方の時間、あんなちゃんや10人位のみんなと桃のネット張りに行かせて頂きました。今、なのはなファミリーで育てている桃の樹は100本を超えているのですが、今回は早生品種で今月末に収穫を予定している『はなよめ』の4本にネットを張りました。

 今まであんなちゃんや桃メンバーのみんなと立ててきた支柱用の鉄パイプに、マイカ線がついに活躍すると思うと嬉しかったです。土曜日でお仕事組さんの、なおとさんやなるちゃん、ふみちゃんなどが居てくれる中、キャラバンに乗って開墾17アールに向かいました。

 雨上がりでとても空が明るくて、水色の空が見えなくなる位いっぱいに広がる真っ白な雲。ウロコ雲もあれば、霧のような雲、入道雲のような夏の風物詩を思い起こさせる雲もあり、なぜか安心した気持ちになりました。本当に世界は私がまだまだ知らない位広くて、私もいつからでも、今からでも新しい生き方ができる、これまでの半生とは全く別の新しい人生を生きられると空に教えてもらっているようでした。

 畑に着いたら、12弾と8弾の脚立を運んで、みんなとブルーシートをはぐっていたのですが、全員揃った時、みんなで顔をあげてみた空がとても美しかったです。ほんの少し、ピンク色に染まった雲、そしてオレンジがかった空。ああ、私は生きているんだ、私はなのはなで生きていくんだと思いました。

 ネット掛けは例年、1人1本竹を持って、ネットを持ち上げるようにしていました。でも、今年はお父さんやあんなちゃんが試行錯誤して考えて下さり、鉄パイプの支柱に最初だけ滑車をつけて、マイカ線の上を滑らすようにかけていきます。ネットは20メートル×30メートル、それよりももっと大きいものがたくさんあり、重量もあるのですが、やっぱりみんなの力があるとネットがふんわりと軽く感じました。

 また、鉄パイプの支柱が重さをグンと支えてくれている為、茹で卵の殻がつるんと向けた時のような、真っ白な素麺をすすった時のような快感を感じるくらい、スッスッとネットがかかっていき、とても気持ち良かったです。約1時間で開墾17アールは3本、奥桃畑は1本の桃の樹にネットをかけることができて、やっていても時間が飛ぶように過ぎていきました。

 今回のやり方が大成功でこれから、桃のネット掛けがどんどん進化していき、作業効率が上がっていくと思うと嬉しかったし、本当に桃の樹も桃の実も愛おしくて、桃畑にいるだけで癒されます。あんなちゃんも、「できました! 今回が初めてだったのですが、良かったと思います」と喜んでくれて、また桃のネット掛けも進めていきたいなと思いました。

 今日は父の日の会でたくさん笑って、たくさん泣いて、心も身体も浄化されていくような気持ちになったし、本当に空が綺麗で、空っぽになった自分たちをなのはなの色で包み込んでくれるようでした。私は明日、発表のチームなので、気持ちを引き締めて演じたいなと思います。