「読書に熱中」 るりこ

5月27日

○新しく知ったこと
 読書に熱中しています。この4日間でリビング前の新刊を3冊読みました。
 なかで、今日読んだ、金井真紀さんの『マル農のひと』が面白くて、3時間足らずで読み切ってしまいました。

 内容は、道法正徳さんという農業技術指導員の方のお話(取材)で、第1部は道法さんの農業の考え方、やり方について説かれ、第2部は道法さんの農業法を取り入れた7人の農家、実践者たちのレポートになっています。その切間に農業のプチトリビアも書かれてあり、いくつか新しく知ることがありました。

 たくさん書きたいことがあるのですが、今日は2つ挙げます。
 1つは、肥料の歴史について説かれたトリビアで、骨粉が肥料として発見された根源です。
 舞台は18世紀まで遡り、イギリス中部のシェフィールドという、刃物製造業がさかんな町。刃物工場の周りにはナイフの柄に使う動物の骨や角、牙の削りかすがたくさん落ちていて、そこだけやたらと雑草が茂っていることを偶然に気が付いた人がいたことから、動物の骨粉が肥料になると判明したそうです。

 もう1つ、興味深かったことが植物ホルモンのエチレンの話です。
 道法さんはミカン農家の技術指導員として奮闘していた時期があり、天候に左右されずに確実に糖度12以上のミカンを作りたいと意気込んでいました。そこで5農協の10年分のデータをひっくり返し、10年続けて糖度12を超すミカンを作り続けている畑をリサーチしたそうです。そこで共通していたことは、畑に石が転がっているという、意外な条件だったそうです。
 道法さんが発見したのは、これまでのミカン栽培の基本をを覆す、真逆の条件だったのです。

 甘いミカン作りと石にどう関係があったのかは、植物ホルモンが解明をしてくれました。植物ホルモンの1つにエチレンというものがあるそうです。エチレンの主な仕事は病害虫を防ぐことと、実を成熟させること。
 例えを挙げると、バナナは緑色のうちに輸入して、エチレンガスを入れた室で追熟させることによって、黄色く甘くなるのだそうです。
 そのエチレンは接触刺激で出るそうです。根が石にぶつかったり、葉っぱが強風に当たったり、人の足にぶつかっただけでも刺激となって、エチレンが分泌されます。
 田んぼで内側の稲が倒れてしまっていても、外側のあぜ道に面している稲だけは元気に立っていることがあるのは、外側の稲は日頃からもろに強風に当たっているから倒れないのだそうです。
 ミカンの木も、あえて根元に石を残すことによって、根が伸びようとしたときに石に当たり、それが接触刺激となりエチレンが分泌されて、結果的に実の成熟=甘いミカンに繋がったそうです。
 これはミカンだけでなく、桃や野菜にも同じ効果があるのかなと思いました。

 道法さんは既存の概念に乗っ取った手入れに拘らずに、植物そのものを見ようとして、結果的に肥料や農薬を使わない農法を見つけ出しました。
 文章のなかに、それまで当たり前とされてきたことを鵜呑みにせず、本当にその手入れに効果があるのか、結果に結びついているのかを考える。その手入れが正しいか正しくないかは、目の前の植物が示しているというようなことが書かれてありました。作物を育てようとするとき、手入れをこなすことに目が行きがちだけれど、本当にその手入れに意味があるのか、そもそも手入れ自体が正しいのか、効果があるのかということを1回1回確認して、手入れじゃなくて、野菜そのものを見られる心を持ちたいと思いました。
 他にもいくつか興味深い内容が書かれてあったので、農業をするものとして覚えておきたいです。(日記に書けるときがあれば、また書いて、書くことで自分に落とし込みたいです)

 次は何の本を読もうか悩む時間も、また楽しみの1つになっています。