「泥の中では何でも」 りな

5月24日

  5月23日は、朝から見渡す限り青空が広がって、快晴の天気でした。梅雨の中の貴重な晴れの日です。そして、泥んこ運動会当日です。最高気温は30度になっていて、ポカポカした泥んこ運動会日和になりました。
 あゆちゃんや泥んこ大会の実行員さんが、前々から種目を考えて下さったり、泥んこになって帰ってきたみんながそのままお風呂にはいって綺麗になれるように、ビニールを張って道筋を作ってくださっていました。また、会場となる池下田んぼをみんなが綺麗に畦塗りをしてくれていたり、お父さんが代掻きをしてくださっていて、たくさんの人の協力があって、この日を迎えられるんだなあと思って、とてもありがたくて嬉しかったです。思いっきりみんなで泥の中で遊んで、楽しもうと思いました。

 昼食には、お父さんとお母さんが、泥が付いてもいいように、普段とは違う服装で来られていて、いよいよ当日になったんだなとドキドキする気持ちが高まりました。お仕事組さんやりゅうさん、そしてゲストであゆみちゃんご家族や永禮さんも来てくださっていました。家族みんなで泥んこ運動会を迎えられることがとても嬉しかったです。

 チーム発表は、古吉野の中庭で行われました。あゆちゃんが、赤、黄色、青、緑、ピンク、白のチームの順に、発表してくれました。どんどんチームが出来上がって行く様子を見ながら、私はどのチームに入っているのかドキドキしました。私は、ちさとちゃんリーダーのピンクチームに入りました。ちさとちゃん、あけみちゃん、ゆかこちゃん、りんねちゃん、みつきちゃん、そしてゲストで来てくださった英幸さんも入ってくださって、このメンバーで協力してゲームが出来るのが嬉しいなあと思いました。

 七夕に飾るピンクの短冊を、チームのみんなでお揃いに付けました。ポニーテールのゴムと一緒に括り付けると、まるで応援団のハチマキが垂れ下がっているようで、とてもかっこいいなあと思いました。また、あゆちゃんが薄だいだい色の絵の具も渡してくれて、チームのみんなと顔にペイントし合いました。同じ色で、同じところにペイントすると、同じ民族になったようで団結力も高まりそうだなあと思って嬉しかったです。
 周りを見回すと、色んな色の原住民族がいて、特にりゅうさんが青のペイントを鼻や頬に塗っているのがとても面白かったです。
 
 天気が良いからか、池下田んぼに向かう下り坂は、とても晴れ晴れとした気持ちになりました。これからどんな戦いが待ち受けているのか、ワクワクしました。でも、まさかこんなにも壮絶な戦いが起ころうとは思ってもいませんでした。

 池下田んぼに着くと、まず目についたのは、とても穏やかな田んぼの水面でした。波紋はなく、太陽の光を反射させながら真っ平に広がっている田んぼが、本当に綺麗だなあと思いました。その田んぼを囲うように、真っ直ぐででこぼこのない綺麗な畦が作られていて、そこに足を踏み入れることが申し訳ないぐらい綺麗でした。

 開会宣言は、お父さんが話してくださいました。お父さんの泥んこ大会への意気込みを聞いて、これから始まる戦いへの士気が高まってきました。続いての準備運動では、実行員さんが面白い準備運動の姿勢を考えて下さっていました。
「しこを踏んでー!せーの、いっちに、さんし…」相撲に備えて、しこを踏む練習をしました。丘の上で実行委員さんがデモンストレーションをしている姿が、面白かったです。

 1種目目は、泥んこ相撲でした。ピンクチームは3試合目、少し猶予があって、ほっと胸を撫で下ろしました。
 1試合目の一番初めの対戦者、あんなちゃん対かにちゃんの試合で、一発目からかにちゃんが頭から泥に突っ込んでいる様子を見て、とてもびっくりしました。次々にみんなが泥に突っ込んでいく様子を見ていると、私も心臓がバクバクしました。勝ち負けはあっても、両者ともお互いが泥の中に倒れこむこともあって、どの試合も最後まで勝敗が分からないのが観戦をしていてもハラハラドキドキ目を離せられませんでした。

 絶対に負けられない戦いだなあと思いました。でも、私は相撲に勝ったことがなくて、勝てられるのだろうかと試合が近づくごとに緊張してきました。
 3試合目になって対戦者の青チームと田んぼの中で向かい合って並びました。田んぼの中は、想像以上に深くで、泥の底まで足が沈んでいきました。泥の中は、底の方に行くほどひんやりしていて、柔らかくて裸足で田んぼに入るのがとても気持ちがいいなあと思いました。普段、私達が過ごしている地上よりも、田んぼの中の方が踏ん張りやすそうだなあと思いました。

 ピンクチームの作戦は、あけみちゃんと英幸さんに3番、4番の真ん中に入ってもらい、確実な勝ちを狙いました。青チームにはりゅうさんがいて、強力メンバーでした。
 目の前で、ピンクチームの試合を応援しました。近くだと、戦っているメンバーの熱気を感じるようで、応援していてもとても興奮しました。目の前で、味方が倒されるのを見ると、心が痛い気持ちもありました。でも、メンバーのみんなが、全身泥だらけになりながらも、笑顔で帰ってきてくれました。勝っても負けてもとても清々しい表情になるのが不思議で、チームメンバーの笑顔に助けられて、自然と緊張する気持ちは無くなっていました。

 私はゆりかちゃんと対戦でした。ゆりかちゃんと構えると、手から力が伝わってきて、気持ちも引き締めました。お父さんの始めの合図とともに、全身に力を入れて、踏ん張りました。
 押しても押されても、なかなか態勢が崩れずに、組みあっている時間がとても長く感じました。ずっと気持ち切らさずに踏ん張っていたけれど、ふっと気持ちが緩んだとともに、足の力も緩んで、その一瞬に態勢が一気に崩れ落ちました。
 視界一面が泥水の層に覆われて見えるぐらい、一瞬の間に全身泥まみれになりました。ゆりかちゃんも一緒に落ちたので、ゆりかちゃんも泥だらけになっていました。負けたことがとても悔しかったけれど、なぜだか笑えてきて、ゆりかちゃんと対戦出来たことがとても嬉しくて楽しかったです。笑顔で帰ってくるみんなも、きっとこんな気持ちなんだろうなあと思いました。
 相撲は青チームに負けてしまって、とても悔しかったです。また次はリベンジしたいと思いました。
 
 2種目目はチャンバラ合戦でした。おもちゃのふにゃふにゃした剣を、みんなが振り回して対戦相手をぺしぺし攻撃している姿がとても面白かったです。普段は穏やかなみんなだけれど、田んぼの中に入って、剣を持つと野生化したように攻撃的になって、全力で相手を倒そうとしている姿に、驚く場面がたくさんありました。気持ちを強く持って、粘り強く戦っているみんなの姿がとても勇ましいなあと思いました。
 私はチャンバラ合戦であまりチームの人に貢献が出来ませんでした。なぜだか戦っているうちに泥に足が取られてこけてしまいました。もっと気持ちを強く持たないといけなかっったなあと思いました。一緒に対戦したどれみちゃんやさりーちゃんにも申し訳なかったなあと思いました。

 チャンバラ合戦は、ピンクチームは強くて、白チームに勝つことが出来てとても嬉しかったです。りんねちゃんとなつみちゃんの試合で、お父さんを取り囲んでりんねちゃんとなつみちゃんがグルグル回りながら対戦しているのが、とても面白かったです。
 りゅうさんとやよいちゃんの試合で、やよいちゃんが剣を落としてりゅうさんが剣を2本持ってやよいちゃんを追いかけている姿は夢に出てきそうなぐらい恐ろしかったなあと思いました。笑い声が絶えなくて、とても楽しいチャンバラ合戦でした。

 3種目目は、騎馬戦。騎馬戦は、一騎だけが崩れずに残るまで、他の騎馬を崩し合います。種目の中で一番ダイナミックでスリルのあるゲームです。
 全チームの騎馬が一騎ずつ田んぼの中に入って、試合をします。3試合をするために、チームの中で3つの騎馬を作りました。私は、3つ目の騎馬に乗らせてもらうことになりました。
 1試合目、2試合目を観戦しました。お父さんの「はじめ」の静かな合図とともに、空気が張りつめました。相手の騎馬と交渉して、強そうな一つの騎馬を集中して崩す作戦もあります。他にも、たくさんの作戦があります。その中で、いつ攻撃を始めるか、いつ攻撃をされるか分からない緊張感が観戦していても伝わっていて、私もとても緊迫した気持ちになりました。

 応援していても、ハラハラドキドキして、何か自分にもできることはないかとそわそわした気持ちになりました。ピンクチームを、声が枯れるぐらいまで応援しました。でも、みんなも同じように出せる限りの力で応援していて、会場は大盛り上がりでした。応援の言葉は、今チームを代表して戦っているみんなにもしかしたら聞こえないかもしれないけれど、少しでもチームの人の耳に届いてほしい、そう思って応援しました。

 どのチームの騎馬も、崩れ落ちるまで、何度も何度も起き上がってきて戦い続ける姿勢が勇ましくて、とてもかっこいいなあと思いました。特に印象に残っているのは、よしえちゃんが乗っていた、緑チームの騎馬です。二、三騎の騎馬に囲まれて、攻撃を受け続けてよしえちゃんが何度も頭が地面に付きそうになっても、体を起き上がらせて復活する騎馬の粘り強さが、本当に凄いなあと思って、戦う敵のチームだけれど、かっこいいなあと思いました。

 3試合目になって、ひでゆきさん、あけみちゃん、ゆかこちゃんと一緒に試合に出ました。とても心強かったです。
 でも、やっぱり試合が始まると、心臓が爆発しそうなぐらい緊張しました。いつも攻撃体勢になりました。相手のチームと目で交渉して、赤チームを狙いました。
 赤チームの陣地近くで、三騎の戦いが始まりました。赤チームの応援が聞こえていました。私達は、襲撃者です。「ピンクチーム、白狙え!白狙え!」懸命に叫ぶまっちゃんの声が聞こえてきます。赤チームの必死の応援が聞こえながら、それでもかまわず三騎の中でもみ合ってぶつかり合いながら、戦いました。力を踏ん張って、必死に騎馬にしがみついて、態勢が崩れないようにしました。足が足場から離れて斜めに傾いたり、、危ない場面がたくさんあってハラハラしました。でも、英幸さんやあけみちゃんやゆかこちゃんが作ってくれる騎馬が力強くて、何とか残ることが出来ました。
 でも、最後にさりーちゃんの騎馬と一緒に崩れて、泥の中にジャボンと落ちました。最後まで残り切れなくて悔しい思いもあったけれど、騎馬を作ってくれた秀幸さんやあけみちゃんやゆかこちゃんが、息を荒くしながら笑顔でハイタッチをしてくれて、とても嬉しかったです。全力で戦えた時間がとても楽しかったです。
  
4種目目は、泥んこリレーです。田んぼの中を、一人半周走ってバトンとなるメガホンを繋ぎます。ピンクチームの第一走者は秀幸さんです。よーい、スタート!の声と共に第一走者のみんなが一斉に走り出しました。
 ピンクチームを全力で応援しました。同じように全員が声を張り上げて応援をしていて、とても賑やかでした。水しぶきをさせながら、泥の中を走るみんながとても速くて、凄いなあと思いました。
 私は、みつきちゃんにバトンをもらって、りんねちゃんにバトンを繋ぎました。お父さんが、速く走るコツはトカゲのように水面を走るイメージで小走りで足を動かすといいよ、と教えて下さりました。私も、出来るだけ軽やかに、足を泥の中に沈む前に動かすように意識しました。
 最初は上手くいったけれど、コーナーで泥に足が飲まれて転んでしまいました。そのうちに、抜かされてしまったことが悔しかったです。こんなにも水面を走る走り方が難しいんだなあと思って、もっと軽やかに泥の中を走れるようになりたいなと思いました。
 アンカーはみつきちゃんです。みつきちゃんもとても速くて、凄いなあと思いました。アンカーのみんなが次々とゴールインと同時に泥の中へダイブしていて、歓声がいたるところから上がっていて、大盛り上がりのリレー大会が楽しかったです。

 5種目目は、新種目のタイヤ引きです。田んぼの真ん中のラインにタイヤが一直線に7つ並べられて、両側からタイヤを取り合います。どちらのチームが多くタイヤを陣地まで持って帰ることが出来るか、競います。
 ピンクチームは2試合目でした。初めての種目なので、作戦をどう立てたらいいのか、手探りの状態です。1試合目の赤対黄色チームの対戦を見て、作戦をどう立てたらよいのかチームのみんなでこっそり話し合いました。
 7つタイヤがあるので、4つのタイヤを陣地に持っていくことが出来たら勝利です。でも、1試合目を観戦していて、4つとも陣地に持っていくことはやはり難しくて、3つは陣地に持っていくことはできても、残りのタイヤは5人対5人のフルメンバーでの取り合いになって、なかなかタイヤが動くことはありません。どれだけ早くにタイヤを3つ陣地に持っていくことが出来るか、考えないといけないなあと思いました。
 
 赤チームも黄色チームも、タイヤと共に泥に埋もれて顔まで泥だらけになりながら、必死にタイヤを引いていました。もう誰が何色のチームかも判別がつかないぐらい、みんなが泥だらけになりながらも懸命に戦っていました。
 足だけが地上に出て、泥の中に潜り込んででもタイヤをがっしり掴んで離さない人、タイヤの上に全身の力をかけて、相手チームに取られまいとする人、誰もが全力で戦っている姿が本当に勇ましくて、観戦するのがとても楽しかったです。
 ピンクチームは、白チームとの対戦しました。目の前のタイヤをめがけて、始めの合図とともに走り出しました。タイヤに手が届いたと同時に、相手のチームの人もタイヤを取って、そこから引っ張り合いになりました。
 
 夢中になって、タイヤにしがみついていたので、周りのみんなの情報、応援の声は一切聞こえませんでした。それぐらい全力でした。顔まで泥にまみれても、泥に足を取られても構わずタイヤにしがみつきました。ひらっと視界にピンクの短冊が見えたと思ったら、みつきちゃんが応援で力を貸してくれていました。それが本当に心強くて、仲間の存在が本当にありがたかったです。
 相手チームに手をタイヤから手を剥がされて、タックルを食らうこともありました。とても壮絶な戦いだったけれど、ギリギリのラインで勝った時は、とても嬉しかったです。我を忘れて、ただ勝ちにこだわって全力をつくすことが出来て楽しかったです。

 最後は、丘の上で見て下さっていたお母さんと永禮さんも参加で、海の時のような、宝探しゲームが特別に用意されていました。
 丘の上から、お母さんと永禮さんがカラーボールとフリスビーと、貯金箱を投げて下さいます。獲得するとカラーボールは白星1、フリスビーは白星2、貯金箱は白星3が得点に加算されます。ピンクチームは現時点で第4位、逆転をするのに絶好のチャンスだし、反対に罰ゲームになる恐れも十分にあります。お母さんと永禮さんに、「こっちこっち!」と手を振ってアピールしました。ゲームが始まって、一斉に全員で走り出しました。同時にお母さんと永禮さんがカラフルな色んなアイテムを投げて下さりました。まるでお宝が落ちてくるかのように、みんなでたわむれて泥の中のお宝を探しました。

 私は何も取ることは出来なかったのですが、同じチームのみんなが、たくさんアイテムを取ってくれていました。最下位だった緑チームが、貯金箱をたくさんゲットしていて、最後の最後で緑チームと青チームの順位が逆転して、青チームが罰ゲームとなりました。
 青チームには、まちこちゃんやお子さんも来てくださっていました。青チームのみんなを取り囲むようにして、全員が円になって並びました。私の前には、青チームのけいたろうさんが見えました。けいたろうさんが、両手に泥を持ってこちらをじっと見ていました。そう、青チームからの反撃もあるのです。よーい、スタート!の声と共に、一斉に泥しぶきが色んな所で、色んな方向に飛び散りました。顔が上げられないぐらい泥の塊が飛んできます。それでも目いっぱい泥を両手に掴んで、ひたすら泥を投げました。
 バシャバシャ泥が水面を叩く音がとても大きく聞こえて、大騒ぎでした。あっという間に時間が終わって、恐る恐る顔を上げると、青チームさんは全身泥まみれ、みんなの姿も泥だらけでした。

 泥んこ運動会が、もうこれで終わってしまうのが、本当に寂しくて、このままずっと田んぼの中でみんなで遊んでいたいなあという気持ちになりました。でも、泥んこ運動会がお開きになっても、自由時間で泥の中で思いっきり遊ぶことが出来て、本当に楽しかったです。

 司会や審判をしてくださったお父さんやあゆちゃんも、田んぼの中に引っ張って、一緒に泥だらけになれたり、近くにいた人と相撲を取ったり、泥の中へ突き落したり…。本当に泥の中では何でもありで、何でも出来て、何も怖くありませんでした。みんなで手を繋いでお母さんや永禮さんに向かって泥の中へダイブするのも、何度しても飽きなくて楽しかったです。何でこんなに楽しいのか分かりませんでした。でも、本当に幸せで宝物の時間でした。

 騎馬戦で本気で押し合ったり、タイヤ引きでは本気で引っ張り合ったり…。敵であり、仲間でもあるみんなが、本気で気持ちもぶつけ合ってくれました。だから、私も本気になって、全力で遊ぶことが出来たと思います。何をしても、どんな自分でも、真っ当に戦ってくれたこと、サポートしてくれたことが、とても嬉しかったです。
 
 家族みんなでの泥んこ運動会が、とても楽しかったです。一皮も二皮も剥けて、心も体も使いやすくなったらいいなあと思いました。みんなとゴロンと泥の中で前転をして、新しく明日からも良いスタートを切れるような気がして、嬉しかったです。