【4月号⑮】「強い意志を鍛える! なのはなゲーム大会!!」 なつみ

 正面には、大きな半円状の赤と黒のルーレットに、たくさんの数字。

 通路の中央にはレッドカーペットが敷かれている会場は、まさに非日常の世界。

 ここが古吉野体育館だと、誰が思うのでしょうか。

 赤と黒、紫、黄色を身に纏った、四種のゲームの支配人は、わたしたち「お客様」をウェルカムしてくれているようで、ゲームに負かそうと企んでいるような、どこか掴めない雰囲気が、楽しいだけじゃ終わらない、このゲーム大会を盛り立てていました。

 

意志を強く持って、なのはなゲーム大会始まります

 

「Ladies and Gentleman」

 そして、ルーレットの中心に立つお父さんが「十、九、八……」とゲーム開始に向けて、声を張ってカウントダウンを始めました。わたしたちも、(勝つぞ)と気合を入れて、カウントダウンをします。

 このゲーム大会は「意志を強く持つ」ことを目的に行われます。

 的確な目標を持ち的確なプランを立て、実行する。意志を鍛えるためのゲーム大会です。

 全身で場の流れを感じ、(ここだ!)と思うところで勝負に出る。

 私の目標とプランに天は味方してくれるのでしょうか? ゲームをゲームで終わらせない。負けられない戦いが、古吉野体育館で勃発です!

 お父さんの本気の掛け声に応える、みんなの本気の掛け声で会場は熱気立ち、「イッツ、ショータイム!」の声と共に、ゲームの幕開けです。

 さぁ、いよいよゲーム開始。の前に、まずはゴージャスなファッションショー。

 今日のゲーム大会の為に、ペアで選んだドレスを、自分たちの出身地や名前、職業、意気込みなどと共に、何者かになり切って、お披露目します。

 

 

 マレーシアから来たご婦人や、ハンター、ケニアから来た夫妻に、天からの使い、濃ーいカップルなど、(この人だれ!)と思うような人が沢山いて、というか、そんな人たちばかりで、みんなが綺麗に大変身している姿が、とても嬉しかったし、みんなの衣装で、より一層、会場が華やかになりました。

 そんな中でも、ひときわゴージャスなのが岸本夫妻。ひでゆきさんは、蛍光グリーンのパンツをやめて、黒とワインレッドの深い赤のベストを来て参戦。どんなにセレブの恰好をしても、やはり、優しそうなひできゆきさん。

 あゆみちゃんは、セレブのように大きなサングラスと、勝負服の赤いドレス。蝶ネクタイと小さなサングラスをつけた、たけひろベイビーを抱いていて、本当のセレブみたいで、正直ちょっぴり怖かったです。

 そして、細尾夫妻。ピンクのプリンセスドレスに蝶々の羽をつけた、それはもう、純粋に可愛さしかない小春ちゃんと、ヒョウ柄の手ぬぐいと、「必勝」と書かれた、日の丸はちまきを巻いた、細尾さんとそらちゃん。手には、お札でできた扇子。

 プリンセスと和風なご夫婦の装いは、コミカルで、でもとても暖かくて、嬉しかったなぁと思います。

 なのはなの子は普段は素朴だけれど、特別ゴージャスな衣装も似合います。

 

卒業生のそらちゃんも家族で来てくれました

 

 ファッションショーをして、空気がより一層盛り上がったところで、今度こそ、ゲーム開始!

 わたしは、ゴールドのラインが入った、赤いドレスとゴールドのハイヒールを履いて、マダムを演じます。このドレスに見合う、意志の強さを持って、勝利を勝ち取るべく、いざ出陣。

 しかし、ゲーム序盤、あゆちゃんが実行委員のカードゲームでぼちぼち、負けて、負けて、負けて。自分の読みも散々で、コインとなる二百六十万ナノは、羽根をつけて、みるみる飛んでいきます。

 自分の寂しいコインの袋を見てから、コインを袋一杯に持っている人を見るたびに、(いいなぁ)とポツリ。

 運気も少し変わるだろう、少し違うゲームをしてみようと思い、須原さんが実行委員をしてくださっている、二者択一のゲームに挑戦してみました。

 そこは、茣蓙に、座布団。実行委員のなっちゃんやかにちゃん、須原さんは、白地に紺の模様が入った浴衣を来て、他のゲームとは違った世界で、ドキドキしました。

 

須原さんの大迫力の進行にハラハラドキドキ

 

 実行委員さんの大きな声に、(勝ちたい)という欲望、(勝負に勝って、コインをもっと増やしたい)という欲が煽られ、渦を巻いて、負けたら痛いけど、勝ったら大勝。そんな山あれば谷深しのゲームをして、運がいいことにわたしのふところはどんどん豊かになっていきました。

 わたしは、十万ナノを一番価値の高い「桃ジャムの蓋」という百万ナノの価値があるものに、両替してもらおうと、高利子両替商の、紫の帽子に紫のロングヘアー、大変身をしたお母さんに両替をお願いしました。

「いいなぁ、お金持ちやんか」と、声を掛けてもらって「いや、そんなんじゃないです。全然です」と腰を低くしながら、内心(わたしがイチバンお金持ち〜)と、ニヤニヤしていました。それと同時に、調子に乗って、この大事な桃ジャムの蓋を使って勝負に出るようなことが無いように、破産しないようにと、自分を戒めている時間が苦しかったです。(この蓋で勝負に出て、もし勝ったら……)そんな夢を見ていると、大きく勝負に出たくなって、そんな自分を戒めて。苦しいです。悲しいコイン袋の方がずっと楽だったかもしれない。そう思いました。

 豊かな時間は、あっという間に崩れます。残り十五分の時間が、これほど長く感じたことはありません。わたしは、やはりやらかしました。

(もしかしたら、もっとコインを増やせるかもしれない)

 付け上がったわたしが出てきて、一枚の蓋を勝負に出して、あっけなく負けてしまいました。肝が冷えました。

(取り返さなきゃ!)

 わたしはまた蓋を一枚出し、固唾を飲んで勝負の行方を見守り、(勝たせてください)という、痛切な祈りも空しく負け。

 五枚持っていた金色の蓋は、ついに三枚にまで減りました。しかし、欲深い私は、負けた二枚の蓋を取り返すまで、引きさがりません。

 ついに、蓋二枚を勝負に出し、プラスマイナスゼロに持っていこうと、意思を固めて、勝負に出ました。

 場の流れ、隣の人の運、五感ですべての流れを感じて、(ここ、ここに、絶対来てほしい)そう、確固たる意志を固めて、全身全霊、欲望のままに勝利をイメージしました。

 神様が、わたしの意思を汲んでくださったのか、勝負に勝った瞬間は、大きな安心と共に、もう二度とこんな生きた心地のしない勝負はしまいと、肝に銘じました。

 そのまま小心者のわたしは、小さな勝負で時間をつぶし、終了時間を迎え、最初のファッションショーでの「ベストドレッサー賞」、ゲーム大会での「ビリオネア賞」の発表にうつりました。

 

上位9名には素敵なプレゼントが

 

 栄えあるベストドレッサー賞は、ベロア一色のカップル。のんちゃん、れいこちゃんペアと、お父さん曰く「男より男前」と言われた、まっちゃん、はるかちゃんペア。

 そして、欲望に忠実に従って、富を得た大富豪ナンバーワンは、ゴールデンハットをかぶったさくらちゃんでした。

 いつも、おしとやかに、謙虚に、静かに誠実に過ごしているさくらちゃんに神様が味方してくれたのでしょう。

 そして、第二位はさやねちゃん。やはり、税理士はゲームでも強いです。

 そして、恐れ多いのですがわたしが三位。己の欲深さを改めて実感しつつ、「欲のある人間は、欲を捨てることができる」というお父さんの言葉を胸に、前向きに、このゲームを機に、もっと意思を強く、そして普段の生活では欲を百パーセント捨てて、他の為に動けるように、意識していきたいと思います。

 あゆみちゃん一家とそらちゃん一家、そしてりゅうさんも一緒に、本気の勝負をできて楽しめたこと、

 そして、三位になるまで勝ち続けられたのは、いつもと違うわたしを演出させてくれる衣装を選んだ、ゆりちゃんと、煌びやかなメイクをしてくれたみつきちゃん、そして、たっくさん勝たせてくれた須原さんのおかげです。

 たまには、こんなドキドキハラハラするゲーム大会も、意思を鍛えるにはいいかもしれないと思いました。

 走るように過ぎ去った、沢山の家族との真剣勝負の時間が嬉しかったです。