【4月号⑫】「桃の摘蕾二巡目&ネット用の支柱立て完了」 りな

 だんだんと春に近づくにつれて、桃の木も、つぼみをぷっくり膨らませて、花を咲かせる準備をしてきます。この季節にする桃作業が、摘蕾です。甘くて大きい桃の実を成らせるには、摘蕾も大切な作業です。

 

二巡目の摘蕾講習会

 

 三月上旬、桃の二巡目の摘蕾講習会が開墾二十六アールの畑で開かれました。畑にはお父さんやお母さんも来てくださって、あんなちゃんから、摘蕾について教えていただきました。桃の摘蕾を二巡して行っています。一巡目はスピード重視で、枝の先端や上側についた確実に落とさなくてはならない蕾を摘蕾していきます。二巡目は、一巡目の摘蕾から少し基準が厳しくなって、つける実を意識して一巡目よりも絞り込んで摘蕾をします。見落としがないように見ていきます。

 先端から十センチまでの位置に付いているつぼみは、大きくなるにつれて枝をしならせ、枝が折れてしまったり弱ってしまうので、落とします。また、枝の根元に付いているつぼみも、大きくなった時に枝の間に挟まれて傷がついてしまうことがあるので、落とします。

 今は一センチほどの小さな蕾だけれど、これからどんどん成長して、大きな桃の実をつけるんだなあと思うと、つぼみ一つひとつにエネルギーが潜んでいるようで、こんなに小さいのに凄いなあと思いました。 つぼみが実を付けることをイメージして、どこに実が付いていたらベストなのかな、ここに付いていたら傷がついてしまうな、ということを考えながら、摘蕾をしました。

 四月には遅霜が降りることがあり、まだ付いたばかりの小さな桃の実が霜に当たって萎れてしまったり、ヒヨドリが蕾を食べてしまうこともあるので、少し余裕を持ってつぼみを残すということを、あんなちゃんが教えてくれました。

 摘蕾で落としたつぼみはもう咲かないので、つぼみを落とすことにも少し迷いが出たり、勇気が要りました。でも、あんなちゃんの手元を見させてもらって、枝を指でサーッと撫でるように摘蕾をしている姿が、本当に綺麗で、速くて、私も少しでもあんなちゃんのスピードに近づきたいなと思いました。

 的確に、でもスピーディにと意識しながら、みんなで作業をしている時間が、楽しくて、桃の木を一本終わらせていくごとに、全体のスピードも速くなっていくのを感じました。

 

 

■つぼみの変化

 桃の木によって蕾が硬かったり、形がぷっくりとしていたり、品種や少しの日数が経っただけで、つぼみの違いがありました。三月の中旬になると、つぼみの先からピンク色の花びらが見えていて、鳥のくちばしのようでとても可愛いなあと思いました。

 たくさんの桃畑を回って、桃の摘蕾を進めていくうちに、つぼみの変化を感じられたり、摘蕾がスムーズにできるようになってきて、嬉しかったです。

 二巡目の摘蕾は、三月下旬に終わりました。そして、桃のネット用支柱建てが始まりました。

 前回までは、夏にかけるネットは、桃の木に直接かけていて、桃の木に負担がかかってしまったり、ネットかけが大変になったりしていました。

 そのため、今回からは、桃の木に負担がかからないように、ネットかけの労力も少なくできるように、ネットかけ用の支柱を立てることになりました。

 四メートルのパイプを、桃の木を囲うように立てていきます。桃の木に負担をかけずに、防虫ネットを掛けることができるようになりました。

 八枚の桃畑の支柱立ては、数日間にわたって行われました。あんなちゃんやどれみちゃんが、ドリルで支柱を立てる位置に五十センチの穴を開けてくれて、その穴の中に、支柱を差し込み、土で固めます。

 四メートルのパイプをどんどん立てていく作業は、とても壮大で、建築をしているようでとても楽しかったです。

 これから何年も先まで、このパイプがネット掛けに使われるんだなあと思うと、緊張しました。

雨が降っても、風が吹いても、ネットを掛けたり外したりしても、倒れなくて、安全な支柱を立てるには、しっかりと穴を土で押し固める必要があります。一人一本篠竹を持って、穴を開けた時に出た土を、穴の中に入れて固めていきました。

 土は、天然のセメントのようにがっちりとパイプを固定してくれました。ダイナミックだけれど、シビアで緊張感のある作業でした。でも、その分支柱を立て終わって、一緒に作業をしたみんなと畑を見渡すと、一面に真っ直ぐでキラキラさせたパイプが均等に立てられている光景があって、達成感を何倍も強く感じました。

 

 

■桃の木のウエディングドレス

 これから大きく成長する四年目の木にも支柱を立てて、これからの成長と共に、支柱も役に立つといいなあと思いました。夏には、この支柱に桃の木のウエディングドレスとなるネットが掛けられます。桃の木を守れたような気がして、嬉しかったです。

 四月に近づくにつれて日に日に桃のつぼみがピンク色に帯びてきて、遠くから見ると、桃の木にピンク色のライトがピカピカ光っているようで、とても綺麗で可愛いなあと思います。

 古吉野の前の古畑の桃の木も、蕾が目いっぱい膨らんでいて、満開に咲いている菜の花が、桃の花を待っているようです。また、みんなで桃の花と菜の花のお花見がしたいなあと思いました。