【4月号⑨】「タマネギの成長と春の香り」 ゆい

 厳しい寒さを乗り切って迎えた春、タマネギたちは見違える姿に変身しました。

 まだ寒さが厳しかった一月末、小さな葉先は萎縮したように見えていました。
 籾殻で寒さ対策をしたり、防除をしたりしながら、元気に育って緑の濃い葉をイメージし(どうか挽回してください)と祈りながら三月を迎えたのです。

 

 

 タマネギは岩見田にある、盛男おじいちゃんの畑で育てています。
 そのため毎日見に行くことはできませんが、だからこそ日をあけて手入れに行くと、変化がはっきり分かります。
 一、二週間経過して手入れに行く度、タマネギが暖かい気候のおかげで元気になっていくのを実感しました。
 畑に到着して軽トラックから降りると、眼下に広がるタマネギが全員揃って、調子の善し悪しを伝えてくるような感じがします。
 一緒に作業に行った子と、「わぁ、すごく元気になっているよね! 」と、畑を見て感じた印象を最初に口にするようになっていました。

 季節が移ろい、空気が柔らかくなるほど、タマネギがのびのびと葉を伸ばし、色がしっかりと濃い緑色になっていくのが分かりました。
 米糠でリンを効かせたり、液肥で石灰を与えたりすると、その次に見に行ったときには養分が行き届いた印象に変わっているのです。
 タンクから吸水したホースで液肥をやりながら、ふわっと漂ってくる風の匂いも、変化しているのを感じました。
 冬の匂いの中に梅の匂いが漂い、それから今では草の甘い匂いと、どこからか木蓮のような香りがしていました。

 

 

「ベト病も完全にとまったね。もう、心配ないね」
 と、すっかり体力をつけて意欲的に見える葉を前に、一緒にいた子と喜びました。 しかし、タマネギを見ると、はっきりと分かる成長の差が出ていました。

 畝の上、南北の位置で葉の全長に大きく差が出ているのです。太陽に向かって南側に葉が伸びていくのですが、北側は南側の六割程度の大きさしかありません。
 二月頃は心なしか北の方が小さいような気がするという程度でしたが、三月になるとはっきりと差が分かるようになりました。

 これからは太陽の高度が上がるので大きな問題にはならないかと思いますが、こんなにもはっきりと差がでるのかと少し驚きました。
 次に手入れにいったとき、タマネギと空気の匂いや温度がどんな風に違って感じられるか、楽しみです