【2月号⑰】「まだ見ぬ誰かのための勉強を ―― なのはなで臨む大学入試 ――」ひなの

 私は、一月十六日と十七日の二日間に渡って行われた大学入学共通テストを受験しました。これまで受験勉強をする中で色んなことに気付かせてもらったように思います。

 受験勉強を本格的にはじめてしばらくしてから、勉強に向かう心持ちに不安がありました。

 大学受験に必要な勉強の中には、日常の中で知らなければ困るような知識はそんなにありません。なので、今身に付ける知識をすぐに役に立てるということがあまりできないです。そう考えたとき、今勉強して知識を身に付けることが本当に誰かの役に立つのだろうか、誰かのための勉強にできるのだろうか、と思うと勉強する意味に疑問を感じ始めてしまいました。

 そのことをお父さんに相談させてもらったとき、お父さんから頂いた答えはとても希望のある答えでした。これから何か職業について仕事をする上でも、必要な知識を適切に瞬時に引き出すことができたら、それはとても役に立つ。だから受験勉強はその練習だと思って超高性能な記憶装置になったつもりで、スピード感を持ってひたすら暗記する。そう教えてもらいました。

勉強のための勉強、試験に受かるためだけの勉強、と思ったらなんだか虚しくて全くやる気が湧かなかったけれど、お父さんにそう教えて頂いてからは自分がやっている勉強にも誇りを持って向かうことができました。

 そして、誰かのために勉強したいという気持ちになれたのも、なのはなにいて、お父さん、お母さん、みんなの中にいられたからだと思います。

■気持ちはみんなのなかに

 私は今まで、誰かに言われるがまま、周りの空気に流されるがままに目を血走らせながら、一番になること、偏差値の高い学校に入ることだけに目を向けて勉強してきました。周りの人はライバルであり、テキストの文字はただの活字として目に映り、勉強することに興味深さも面白さも感じたことがありませんでした。

 成績が良くて一番になったら、有名な学校に入ったら、その先に何があったのか。今なら、何もなかったとハッキリ言い切れます。そうやって競争のように勉強した先にある虚しさ、寂しさは、とても埋めることなどできないくらいのものだったと思います。

 けれど、私はなのはなで勉強させてもらって、誰かに急かされることも、受験に失敗したら見捨てられるというような不安もなく、勉強することを楽しいと思いながら受験に向かうことができました。一応、行きたい学部やなりたいと思う職業はありますが、究極のところ、何学部でもいい、という気持ちでした。それよりも、誰かのためにという気持ちをぶらさずに試験に向けて勉強し続けることができるか、それが一番大切だと思いました。

 分野は違えど、税理士試験に向けて勉強していたなおちゃんやさやねちゃん、卒業生のたかこちゃんの姿を見てきました。誰かのためにという思いで真剣に、心を静かに勉強に向かう背中が、とても綺麗で格好良く、そんな先輩方に続きたかったです。勉強組として、日々、目標に向かって一緒に勉強するのんちゃん、れいこちゃんの存在に何度も気持ちを正してもらいました。

 六年生教室で勉強するときには、なっちゃんの訓練もしました。なっちゃん、れいこちゃん、のんちゃんと、お互いに良かれの気持ちを向け合いながら過ごすその時間は、私にとってパワーを充電してもらえる時間でした。

 勉強するときは、テキストと自分との一対一です。一見、一人ぼっちのようにも思えるけれど、気持ちはずっとみんなの中にありました。だから、寂しくなることも怖くなることもなかったです。

■未来に繋がる希望

 試験の前日は、やっぱりとても緊張しました。何かきっかけがあればワッと泣き出してしまいそうなくらい不安でした。気を抜けば人前でも泣いてしまいそうなくらい弱いのが本当の私です。けれど、踏みとどまって笑顔で明るくいられたのは、なのはなのお父さん、お母さんの姿を見ていたからです。

 お父さんは、どんなに大事な締め切りがあっても、大変なことがあっても、時には大変なことを笑い話にさえして話して下さることもあります。どんなに難しい状況にあっても、いつも変わらずなのはなのみんなのお父さんでいて下さいます。お母さんが、いつも変わらずに笑顔を向けて下さいます。どんなに未熟な私でも、手を取ってみんなの輪の中に引き入れて下さいます。

 私のお父さん、お母さんはそんな強いお父さん、お母さんだから、その子どもである私も弱気なところを見せたくない、と思えました。不安だからこそ、いつも以上に笑顔でいよう、と意識していたらだんだん大きくかまえられるような気持ちになりました。

 勉強に向かう姿勢だけではなく、そういう部分でも、人生の先を歩く人たちの姿を見て心構えを教えてもらえることが有難いことだなと改めて感じました。

 試験の前日、当日の朝は、たくさんの人が声を掛けてくれたり、応援のメッセージをそっと机に置いてくれていたりしました。その一つひとつがとても嬉しかったです。気が付くと一人でボロボロ泣いていました。みんなからもったいないぐらいの気持ち、優しさをもらって、私にできることは精一杯問題を解くことだけだと思って試験に臨みました。

 試験は、想像していたのと違っていたり、あとで冷静になって考えたら分かったような問題もあったり、勉強が足りなかったところもあったりして、悔しい部分も多いです。けれど、その悔しさも、本番特有の空気に緊張しすぎてしまうところなども全て含めて今の自分なんだ、と思うと未熟な部分もたくさん見えて変わっていこうと受け止められる気がしました。

 共通テストから少し経って、今は大学ごとに行われる個別試験に向けて準備をしています。結果がどうであっても、何学部に行くことになっても、今身に付ける知識や今後身に付ける更に専門的な知識がきっと誰かの役に立つと信じて、そのことを希望にこれからも一生懸命勉強していきたいです。

 そして何よりも、たくさん支えてもらって試験の日を迎えられたことに感謝の気持ちでいっぱいです。