2月18日(木)「糀の成長 ――あたらしい道具も助っ人に」

2月18日のなのはな

 私達が育てている糀は、「若菜ちゃん」という名前です。なるちゃんが考えてくれたもので、とても可愛くて生き生きしている名前が素敵だなあと思いました。若菜ちゃんは、昨日の午前10時ごろ、誕生しました。種付け、引き込み、そして昨夜の切り返しの手入れを通して、順調に成長しています。
 
 夜は、音楽室に味噌メンバーのみんなと一緒に寝泊まりしました。切り返し後の若菜ちゃんは、成長期に入って温度もぐんと上がる時期です。だから、夜の間も、みんなで1時間ごとに見回りをします。私は、ペアのれいこちゃんと一緒に12時、3時、6時、9時を担当していて、ちゃんと見回りの時間に起きられるように、気合を入れました。
 
 音楽室に布団を並べて寝泊まりするのは、味噌づくりの定番で、キャンプをしているようで、とてもワクワクします。私達が寝ている間も、糀の若菜ちゃんはずっと成長を続けているんだなあと思うと、えらいなあと思いました。若菜ちゃんに会いたくて、そわそわした気持ちになりました。
 
 アラームを設定して、12時にれいこちゃんと糀の見回りに行きました。育苗機に設置された5つの温度計の数値を、表に記入します。1時間おきにみんなで温度を書き留めてあって、温度が高すぎていないか、異変はないかなど、気づくことが出来ます。切り返し後は、31~35度をキープします。この日は寒くて、若菜ちゃんの熱も穏やかに高まっているようでした。育苗機内の電熱器をつけたり、電熱器にのせた小鍋のお湯を変えたりして、湿度と温度を調整し、若菜ちゃんの成長を少しでも手助けをしました。
 
 午前6時、れいこちゃんと見回りをすると、若菜ちゃんは35度に到達していました。なるちゃんが来てくれて、「少し早いけれど、盛り込みを行おう!」と言ってくれました。味噌メンバーのみんなで家庭科室に集まって、盛り込みの手入れが始まりました。糀箱を取り出して、布巾を剥がしてみると、そこには点々と白く変身した若菜ちゃんがいました。切り返しのときは、白い糀は見えなかったけれど、夜の間に若菜ちゃんは急成長をしていたんだなあと思うと、とても嬉しかったし、とても可愛かったです。

 

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 糀の香りが、クラムチャウダーのような、キノコのような、とても良い香りでした。手の腹でお米の塊をほぐして、パラパラ米粒が崩れるようにします。全体的に白くなっていて、とてもよく糀が繁殖していました。糀を触っていると、ほんのりと温かくて、若菜ちゃんのぬくもりを感じられて心も体も温かくなりました。
 
 パラパラにほぐした糀は、もう一度糀箱の中でなまこ型を作り、平らにならして湿らせた布巾を被せます。次見る時は、一番手入れの時だなあと思って、その時までにもっと成長してくれたらいいなあと願いを込めて、一つずつ盛り込みをしていきました。

 

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 手入れを始めたばかりのときは、まだ外が暗かったのですが、いつの間にか窓の外から光が差し込んできていて、夜が明けたんだなあと思いました。手入れが終わって、外を見ると、一面に雪景色が広がっていて、とても驚きました。でも、とても嬉しかったです。外に広がる雪景色が、白く見え始めた糀と重なって、いつもよりも一層綺麗だなあと思いました。
 
 
 盛り込み後は、糀箱の位置を入れ替えて、均等に温まるようにしました。これから、外が温かくなるにつれて若菜ちゃんも発熱してくるだろうなあと思って、味噌メンバーのみんなと気を引き締めました。日中のうちも、見回りを続けて、万が一温度が高くなった時の対策を、みんなで確認をしました。
 なるちゃんが、1時間に2度ずつ上がっていくようになるよと教えてくれました。若菜ちゃんの成長も、これからさらに著しくなるんだなあと思って、若菜ちゃんの成長を応援したいし、若菜ちゃんが無事に出糀できるまで守りたいなあと思いました。
 
 見回りの時は、れいこちゃんと一緒に今すべきことは何なのか、これからどこに持っていったらいいのかを考えました。33度から37度をキープして、夕方の一番手入れには38度に持っていきます。また、育苗機のなかの湿度も90パーセントを維持したくて、湿度を計るためにれいこちゃんが乾球と湿球の2つの温度計を設置してくれて、正確に計ることもできるようになりました。2つの温度計で、湿度が計れることを初めて知って、百葉箱の中でも同じように、設置されているのだと教えてもらいました。味噌づくりでも実践できることが嬉しいなあと思いました。

 

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〈糀の繁殖をたすけるために、育苗機のなかには、温度計、湿度計、電熱器など、さまざまな道具が揃っています。今年から小型の加湿器を新しく使っています〉

 

 若菜ちゃんの品温は、午後4時ごろ、40度ほどに到達しました。これまでで最も高く発熱していました。午後5時、味噌メンバーのみんなと、さくらちゃんとりんねちゃんも来てくれて、一番手入れを始めました。
 
 電熱器を切って、お父さんが新しく買ってくださった加湿器を付けたりして、若菜ちゃんの品温は33度ほどに下がっていました。若菜ちゃんはどうなっているだろう…と心配や期待がありました。
 糀箱の布巾をめくるとき、味噌メンバーみんなが顔を近づけて、見入りました。心臓がドキドキしました。布巾をめくると、ふわふわの白い毛でおおわれた、雪のような糀が見えました。「うわあ!」思わず、声を上げてしまうぐらい可愛くて、大変身をしていて、いつの間にこんなに成長していたんだなあと思って、とても心が温かくなりました。わかなちゃんが本当に可愛くて、心が満たされていくのを感じました。

  
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 近くで見てみると、本当に細かな白い毛が生えていて、手触りもふわふわとしていました。どの糀もぎゅっと詰まっていて、手でほぐすのがもったいないぐらいでした。
 みんなで、「ふわっふわっ」「もこっもこっ」と言いながら、手入れをしている時間が、とても幸せだなあと感じました。自然と笑顔になって、優しい気持ちになれました。若菜ちゃんの健気な姿に、パワーをもらうし、若菜ちゃんからたくさんの優しい気持ちを分けてもらうようでした。
 どの糀箱も、布巾をめくると見とれてしまうほどふわふわに可愛くなった糀が顔を出して、本当に嬉しかったです。糀が柔らかかったり、パラパラとほぐしやすかったり、特徴はあって、でもそんな糀を一つひとつ触っている時間が楽しかったです。

 

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 蒸米から始まって、種付け、引き込み…たくさんの手入れを体験してきて、若菜ちゃんがここまで自分の力で繁殖して、生きていることがとても尊く、大切な命なんだなあと感じます。味噌づくりメンバーのみんなと、若菜ちゃんと我が子のように育てている時間がとても貴重で、大切な体験です。若菜ちゃんや、味噌づくりメンバーのみんなと、これからも、一緒に若菜ちゃん物語を作っていきたいなあと思いました。

(りな)

 

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 外では糀とおなじように白くふわふわとした雪が舞いました。日中は、こんな日にぴったりの読書や、桃のネットづくり、選別などを主に進めました。

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〈春を告げる花、梅が咲きはじめています〉