「『兎の眼』」 なつみ

2月17日

 布団から出ると、薄いズボンでは足がスースーして、(さむいなぁ)と思い、予報されていた大寒波が来たのだなと、感じました。
 しかし、窓から外を見ると空はすっきりと晴れ渡っていて、空気は冷たいけれど、スッキリと目が覚めるような、気持ちの良い朝だったなと思います。

「今日は風が寒いから、ハウス内でしょうやくと嫁入りするのはどうですか」
 やよいちゃんが午後の収穫嫁入りの時に提案してくれました。
 崖崩れハウスに行くと、風が無くて、お日様の暖かさと、セロリの爽やかな香りで、(ここはどこのオアシスだろう)と、とても満たされた安心した気持ちになりました。
 まっすぐに、美しく並ぶセロリは、芸術作品の様で、本当にみんなの手入れが良く行き届いていて、昨日は収穫仕損じて残った茎や、筋を取っていたので、より一層綺麗に見えました。 

 セロリの収穫は、綺麗に根元から茎を剥がすのが難しくて、一緒に収穫したみつきちゃんやななほちゃんと、「難しいよね」と話していたのですが、「それがうまくいくと面白いよね」とも話していて、みんなで綺麗なセロリを綺麗に収穫できるように、楽しんで努められたことが、嬉しかったです。

 みつきちゃんがタイムコールをしてくれて、計10キロを15分というハイスピードで収穫し終えて、一番乗りで嫁入りin吉畑手前ハウスにゴールしました。
 やはり、吉畑手前ハウスの中も暖かくて、とても動きやすかったし、何より手がかじかんだりしないので、とても作業をし易くてありがたかったです。
 作業をしていると、どんどん、収穫メンバーと一緒に水菜やほうれん草、小松菜などが来て、ハウス内は野菜市場のように大盛況で、声を掛け合いながら助け合う空気感がとても温かくて、綺麗な野菜を見ていると、豊かな気持ちになりました。
 最後には、やよいちゃんのタイムコールを意識して、みんなとテキパキ素早く作業が終えられて、とても楽しい時間でした。

 『兎の眼』を読んで、灰谷健次郎さんにこんな手紙を送った方がいたそうです。
「わたしは挫折もなく、幸せな家庭で育ってきたと思います。そんなわたしでも、主人公のような先生になれると思いますか」
 お父さんは、この人は保証を求めていると、誰も未来の事なんかわからないのに、誰かに保証を求めて、自分がもし良い教師になれなかった時の言い訳にしようとしていると、それじゃ良い教師にはなれないだろうと、話してくださいました。
 保証を求めるのは、甘えだと思いました。もし仮に、保証が得られたとしたら、きっとその人は、頑張らなくなると思います。
 わたしたちも同じです。
 ともすれば、回復するかしないか、保証を求めてしまいがちになるけれど、それは一番だめなことであると、今回の話を聞いて理解が深まったような気がします。
 保証を求めるより前にまず、自分ができる目の前のことに尽くすしか道はないし、そんな甘えた考えを持っていては、絶対に良い教師にもなれないし、自分のことでいえば、摂食障害から回復し、自立することもできないだろうと、容易に想像がつきました。
 人にもたれかかって、インディペンデンスしないのは、大きな間違いです。

 兎の眼に出てくる小谷先生は、子供のために惜しみなく時間を使って、心を使って、子供を知るために、自分が変わることをためらいませんでした。
 どんな問題児でも、必ず「タカラモノ」のようなキラキラ輝く大切なものを持っていて、小谷先生は、小谷先生の真っ直ぐな「タカラモノ」を輝かせて、子供たちの心を開いていきました。
 先生と生徒という関係の中で、小谷先生はいつも子供の立場になろうと考えて、どんなときも一方的に押し付けるのでなく、お互いさまに学び合う関係を作っていました。

 小谷先生は、保証を求める人間ではないです。
 困難や壁にぶつかっても、諦めずに、粘り強く、沢山の人に助けてもらいながら乗り越えていきます。小谷先生は、自立しています。
 わたしも、そうでありたいと思いました。
 夜の集合で、兎の眼、そして保証を求めるとはどういうことか、理解が少しかもしれないけれど、深まって、嬉しかったです。

 夜には畑のAチームで、歌を歌いました。
 内容は内緒なので書けないのですが、歌っていると、泣きそうになりました。
 わたしは、本当に仲間に恵まれていると思います。
 みんなが笑顔になるようなものを、Aチームのみんなと作っていきたいです。

 今日も一日ありがとうございました。
 お父さんのおかげで、カレイの謎が解けて、今日はとてもよく眠れそうです。
 おやすみなさい。