【新春号㉒】「ユズのゆくえ ――爽やかな香りに包まれながらユズの加工――」まよ

三日に渡り、柚子の加工作業に入らせてもらった。家庭科室には、タライに入った柚子の山があり、その濃いハッキリとした黄色に目が奪われ、室内に入ると柚子の爽やかな香りに包まれた。

 柚子のコンポート、柚子味噌、それから柚子の化粧水。コンポートは柚子の実を、柚子味噌には果汁と皮を、化粧水には種を使う。河上さんが、それぞれのメンバーに作り方を教えてくださった。柚子の実を使ってコンポートを作るなど考えもしなかったし、種から化粧水が作れるというのも驚きだった。

 私は柚子味噌の担当になった。味噌、砂糖、柚子の皮と果汁、みりんを用意する。柚子の皮と果汁を集めるのが大変な作業だっただけに、集まったときは達成感があった。

 柚子は洗い、水気を切り皮を剥く。身と皮の間にある白い部分は苦いそうで、その部分はあまり入れないようにする。けれど神経質になり過ぎずにスピード重視で剥いていく。傷がある部分は省き、綺麗な黄色い部分のみを切っていく。

皮を剥いたら刻みに入る。皮は、時間を置いて乾いた皮は刻みやすいことがわかった。湿っていると柚子の皮はつるつる滑ってやりにくいと感じた。皮を剥き、刻むのは腕が棒になるかと思うくらいの量だったけれど、みんなで黙々と柚子の皮に向き合うこの工程はとても楽しかった。

 果汁をとるために、なつみちゃんやみつきちゃんたちの手を何度も借り、とてもありがたかった。柚子には種が多かった。皮を剥いた柚子を半分に切り、絞っていった。河上さんが柚子の絞り方を見せてくれた。「あと四十ccだ」「あともう少し」などと言ってみんなで揃って柚子を囲んで果汁を集めた。

 化粧水用にも、皮を剥いた柚子を半分に切り種を取り除くという工程があった。種を使うためには、半分に柚子を切るとき、種を傷つけないようにしなければならない。このやり方を河上さんに教えてもらった。種に当たる直前で包丁の刃を柚子の実に入れ、左手で柚子を回し、最後は刃先で柚子の芯の部分を切り、柚子を左右に引っ張る。すると種の形が綺麗に残ったまま、身が半分に割れる。この作業が、とても繊細に何かを裁いているような、手術をしているような感覚で面白かった。傷つけずに、種を取ることに集中し、黙々と切った。傍に居たまみちゃんもこの作業をとても楽しんでいたようだ。

 味噌五キログラムに対する柚子の皮、果汁が集まった。味噌と砂糖を鍋に入れかき混ぜる。このときにある程度かき混ぜておかなければ火にかけたとき焦げてしまう。弱火にかけ、ねっとりと綺麗に混ざったら柚子の皮を入れかき混ぜる。味噌の赤茶色のなかに、刻んだ柚子の新鮮な黄色い色が混ざっていく。すでに美味しそうだ。それから果汁を入れ再度かき混ぜる。柚子の入った味噌の甘く爽やかな香りがする。

 出来上がった柚子味噌は、ふろふき大根や、白菜サラダのトッピングに登場したり、あるときは納豆や卵かけごはんに沿えられていた。柚子の加工作業をしたため、柚子味噌が食卓に上ると特別嬉しい気持になる。