「大切な人を守れる大人に ――成人式で感じた自分の役割――」 ゆい

 さりいちゃん、みつきちゃんの成人式をなのはなで行いました。コロナの影響により、勝央町での成人式は1月には行われなかったのですが、なのはな内で盛大にお祝いすることができました。
 数日前から新成人の2人を囲んで、フォト、ムービー撮影が始まりました。撮影チームのみんなが食事の席でいつもコメントをしてくれ、どれだけさりいちゃんとみつきちゃんが素敵かを話してくれました。そして、さりいちゃんとみつきちゃんはいつも、みんながどれだけ優しくしてくれて嬉しいかを話してくれました。直接には撮影に関わっていなくても、なのはなファミリーみんなで2人をお祝いしている感じがとても嬉しい数日間でした。

 

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 式の前夜、私はあゆちゃんまえちゃんと一緒に、ヘアメイクの予行演習をさせてもらいました。一緒にお風呂に入り襟足を整えさせてもらうと、準備が整ったという気がしました。2人の綺麗な首筋に触れ、とても神聖な儀式のように感じました。
 さりいちゃんもみつきちゃんも、ちょっと照れながらもとてもストレートにみんなの気持ちを受け止めてくれて、それがとても嬉しかったです。「謝辞をまだ考えられていないんだ、どうしよう」とちょっと緊張気味の2人は、とても爽やかで若々しくて美しいと思いました。そっと大事に守りたいと思うような、優しさが溢れる美しさでした。

 翌朝、さりいちゃんとみつきちゃんは早めに目覚めているようでした。よく眠れただろうか、緊張していないかな、と思いました。
 8時からはヘアメイク本番で、あゆちゃんまえちゃんの手が繊細に2人にメイクをしていく様子を隣で見ていました。刷毛をつかって細かにハイライトをいれている様子が、大切な成人式に似合って丁寧で綺麗だと思いました。私はみつきちゃんの髪を巻かせてもらいながら、うまく、一番綺麗になりますようにと集中しました。

 あゆちゃんやまえちゃんの手によって2人の良いところ、綺麗なところが引き出されていき、本当に可愛く綺麗で愛おしいと思いました。20歳の2人の美しさが、尊く完璧なものに感じました。何度でも、2人に可愛い、綺麗だねと言って、2人が照れたように笑ってくれました。
「もう一生分言ってもらった」とみつきちゃんが笑い、「本当はもっともっと言ってもらわないといけないんだよ」とあゆちゃんとまえちゃんが笑って答え、どういうわけか、自分の20歳の時も肯定されたような気持ちになりました。
 みんなに大切にされて綺麗になっていく2人がなのはなの象徴のようで安心するのだと思いました。

 

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 村上さん、河上さんが着付けをしてくださって、振り袖に身を包んだ2人は希望に満ちて、きらきらとしたものが全て凝縮されたようで、それでいて繊細で、本当に美しかったです。式場の体育館で2人を迎え、桃の唄を斉唱しました。
 お母さんが、「2人はまだ『桃の唄』を知らないから、みんな2人に歌ってあげてね」と、前もっておっしゃっていました。大切な歌詞を、2人の背中に向けてみんなで歌いました。隣でさやちゃんが涙をこぼしていました。なのはなの成人式に相応しい歌を、みんなで歌える式が素敵だと思いました。なのはなの式、という感じがしてとても嬉しかったです。

 そして、お父さんから新成人の2人に向けて祝辞が贈られました。その言葉は、私たちにも大事な贈り物でした。
 大人として、誰かを守れるように役割りを果たしていこうと思いました。自分のこと、家族のこと、自分の周囲の利益だけを考えるのではなく、この地球を守るという視点で生きなければならないと思いました。お父さんは、地球環境はこの先の10年で決まってしまうという話をされました。本当には危機感を持たなかったり、自分だけは大丈夫でしょうと思ってしまったり、そういう視点での生き方では、もう立ち行かない状況になっています。自分はこの地球を守る一人だと自覚を持って生きます。

 新成人の2人に向けての言葉で、自分も改めて、大人としてどう責任を果たさなければならないかを感じさせてもらうことができました。お父さんの祝辞を多くの新成人のみなさんにも、その他の人にも、聞いてもらいたかったと思いました。一緒に力を合わせて未来を守りたい、安心して生きられる世の中にしたいと思ったからです。

 

 

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 さりいちゃんとみつきちゃんからの謝辞では、2人の等身大で素直な言葉に涙が出ました。この言葉を聞けただけでも、本当に成人式ができてよかった、一緒にいられてよかったと思いました。紋切り型ではない、実感のこもった言葉の一つひとつが胸にじんときました。大切なふたりの妹として、2人を守れるくらい、2人の希望がもっと広がるように、安心してもらえるように、自分は役割りを果たせているだろうか。これではいけないと思いました。とても大事な役割りが自分にもあると思いました。

 さりいちゃんが「大人になるのが怖い気持ちもある」と率直に伝えてくれました。私も大人だけどやはり怖い気持ちもあります。さりいちゃんがのびのびと大人になっていけるように、私もみんなと環境を作っていきたいし、そういう思いは自分にも勇気をくれると思いました。

 2人の謝辞からは、みんなに囲んでもらっていることへの喜びと感謝の気持ちでいっぱいだと思いました。みんなを感じて、みんなの中で成人を迎えていることをとても自然に、全身で感じているのだと思いました。みんなのことを思って、この成人式までの数日を過ごす2人がとても素敵だと思い、自分もそんな風に周囲の人と気持ちを交わしていけたらと思いました。

 

 式の後は、撮影の続きがありました。午後は別の作業だったので撮影の応援には行けませんでしたが、今朝ホームページに載った写真をみて、素晴らしい撮影ができたのだなと思いました。写真に収まった2人は、みんなが大好きなさりいちゃんとみつきちゃんで、きらきらした笑顔をこちらに向けていました。撮影チームのみんなも、いつでもきらきらした笑顔だったなと思います。長時間にわたる撮影だったけれど、お互いを思っている優しい空気に満ちていたのだろうと感じました。
 あゆちゃんが、「そのときの空気が写真にも映るよね」と話してくれていたのですが、本当にあたたかくて優しくて、どこかにうっすらと切ない空気が写真から感じられて素敵だなと思いました。

 

 夜の集合で、お父さんが新成人の2人をみんなで盛り立て、素直にお祝いできることは得難いことだと話してくださいました。今の世の中は競争があり、妬み、足のひっぱりあい、おとし合いがあって、人を素直にお祝いするということは、本来当たり前なのにそれが難しくなっていると。だからこそ、こんなふうに家族を盛り立ててお祝いできることが綺麗だと。

 親離れをして、何にも依存しない、精神的自立をすればそのような気持ちに苦しめられることはないのだとお父さんはおっしゃいました。それがとてもとても大事な砦のように思いました。
 親離れといっても、寂しさを引きずったlonelinessではなく、solitude、 independentの孤独になることです。自分が中心でないと嫌だというロンリネスでは、人を祝うこともできないです。お父さんが、自分にどれだけソリテュードが入っているかを知るには自分が中心でいなければならない、構われなくてはいけないという気持ちがどれだけ残っているかを考えたら分かるということを教えてくださいました。そう聞くと、とても自分は未熟に思い恥ずかしいです。競争する気持ちも、自分が自分がという気持ちも親離れとともに捨て去って、お互いを引き立て合う関係を作って自立をしたいです。

 きっと自分も良い自立ができる。利他心で生きる、本当に精神的自立を果たした大人になる、そう信じて進もうと思います。信じたらいいとお父さんもお母さんもいつもおっしゃいます。だから私も今はさておき信じます。親離れができるとそういった類の息苦しさはなくなり、さらに明るく建設的になれるだろうと思うと大きな希望が持てます。
 お父さんは、親離れできると助けてくれる人がたくさん現れる、自分が救われると話してくださいました。

 
 
 さりいちゃんとみつきちゃん、2人の成人を祝って、なのはなの成人式を一緒にすごさせてもらえたことで、どんな視点を持って大人として生活しなくてはならないかを感じさせてもらえて、とてもありがたかったです。
 2人の綺麗な姿には、たくさん嬉しい気持ち、元気を頂き、自分はもっとしっかりしなくてはいけないなという気持ちになりました。なのはなで成人式ができたことがみんなにとってもとても嬉しいできごとだったと思い、なのはなにいられてよかったと思いました。

 

 

◆感想文メニュー◆

「優しさにつつまれた、なのはな成人式」 サリー

「なのはなに出会って」 みつき

「あるべき家族の在り方」 やよい

「本当の意味での自立を」 ゆりか

「大切な人を守れる大人に ――成人式で感じた自分の役割――」 ゆい

「2人に出会えて」 ななほ

「未来の誰かのために」 ひなの

 

 

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