「本当の意味での自立を」 ゆりか

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 なのはなファミリーのみんなで、みつきちゃんとサリーちゃんの成人をお祝いさせてもらいました。
 なのはなファミリーの成人式は、お祝いをする側、お祝いをされる側の間に、なににも代え難いようなあたたかさ、幸せが詰まっていました。
 みんなが新成人の2人を自分のことのように思って、お祝いをする空気の中にいさせてもらって、私も成人式を作る一部としていられることが嬉しかったです。
 そして、お父さんが話して下さった、地球温暖化をあと10年で止めないと、もう時間がないということ。ロンリネス(1人で寂しい)から、インディペンデント(独立)へのお話を聞かせてもらったこと。みつきちゃん、サリーちゃんの謝辞の言葉から、自分自身が成人としてどうあるべきなのかを、改めて深く考えさせてもらいました。

 お父さんは式の祝辞のなかで、「スケール感をどこに置いて生きるか」ということを話してくださいました。
 地球温暖化が深刻に進んでいて、この19年間で温暖化を止めないと、人類は滅亡する。
 去年起きた災害、洪水、森林火災、今のこの大寒波も、温暖化の影響を受けてこうなっている。もう本当に大変なところにきてしまっているというお父さんのお話が、心に深く刺さりました。
 EUの幹部はそのことにとっくに気付いている。バイデン大統領はこの1年の選挙期間で気がついた。しかし、日本の幹部は気付いていない。
 私たちはこの10年で何をするのか。
 お父さんのお話から、一昨年のウィンターコンサート『ダヴィンチ・クライシス』のことを思い出したのですが、地球温暖化になった原因と、自分達が摂食障害になった原因は、根本は同じで、人間のモラルが崩れしまったということなのだと思いました。

 人が生きられない地球にしたのも、地球が生きられない環境にしたのも、自分さえ良ければいいという人間が、こうしてしまったのだと思いました。
 私も、そういう人間に育てられて、一度はモラルを見失った1人だったと思いました。
 お父さんは、ここにいる私たちは誰も、自分さえ良ければいいという世の中で行き詰まって、本当に生きられなくなり、なのはなファミリーに辿り着いたのだと話して下さいました。
 人には生まれたときから、幼い子供にも子供なりに家庭の中の空気を作る責任があった。
 これから成人としてどういう責任を持っていくのかを考えたときに、スケール感を、自分のこと、自分の家族のことに置くのではなくて、地球に置いてほしい。人や動物や植物が生きられる地球のことを考えるのが、究極の利他心だと、お父さんが話してくださったことを、深く受け止めます。

 

 そしてこの日、みつきちゃんとサリーちゃんがみんなの中で成人を迎えました。
 みつきちゃんとサリーちゃんは、謝辞のなかで、
「このような自分のことを、みんなが可愛いと言って、お祝いしてくれる。
 なのはなファミリーに来て、本当の意味での優しさや正義を持った大人に出会うことができた。まだ答えには辿り着いていないけれど、自分もそんな大人になれるのなら、これからは意味のある人生を生きていきたい」
 と、話してくれました。
 2人の話してくれた感謝の気持ち、これからはこの日嬉しかったことをみんなに還していけるような人になりたいという言葉から、明るい希望を感じました。
 みつきちゃんのベストオブ日記には、なのはなに来るまでは20歳になれるとは思っていなかったこと、成人式ができるとは思っていなかったことが書いてありました。
 私も20歳のとき、同じような思いを抱えて、なのはなファミリーに辿り着いたこと、なのはなファミリーで回復をさせてもらってきたことを思い返しました。
 みつきちゃんとサリーちゃんがなのはなに来てくれて、家族になれて、こうしてみんなと成人のお祝いをさせてもらえることが、本当に嬉しく思いました。

 みつきちゃんはオレンジと黄と金色の、お母さんのお義姉さんの振り袖を着ました。
 短めの髪が内側にくるんと丸い形でセットされていて、オレンジの花火のような髪飾りが付いた髪型が可愛らしくて、振り袖も髪型もみつきちゃんにとても似合っていました。
 サリーちゃんは紫色の振り袖で、濃いピンク色の帯締めを締めて、ピンクの花の髪飾りを付けて、高い位置のお団子に髪を結っていました。サリーちゃんの白い肌に淡いピンク色がとても映えていて、綺麗でした。
 外で撮影をしていたとき、太陽の光が差し込んでいて、2人の振り袖姿、笑顔が、眩しいくらいに輝いていました。二十歳の2人の振り袖姿が本当に美しかったです。
 みつきちゃん、サリーちゃんの成人式をお祝いさせてもらうことで、改めて成人としての心構えを考える機会となり、幸せな気持ちをたくさん感じさせてもらいました。
 みつきちゃんの振り袖は、私も成人式のときに着させてもらった振り袖です。私の前にはあゆみちゃん、私の後には、かよちゃんややよいちゃんが着て、お祝いをさせてもらいました。
 お母さんのところから、私たちや、今年はみつきちゃんに、この振り袖を引き継がせてもらえることも、すごくありがたいなと思いました。

 

 私は成人式の準備で、飾り付けの係に入らせてもらいました。
 あゆちゃんがアイデアを出してくれて、赤と白の花紙で飾りを作って、間に金の紙を挟みました。この吊せる形になった飾りを、飾り係の人たちと短時間に沢山作りました。
 完成した飾りは、あゆちゃん、のりよちゃん、つきちゃんが、出来上がったそばから、体育館に飾り付けてくれました。
 寒い、寒い、雪の降る日でした。同じ室内では、みつきちゃんとサリーちゃんと撮影チームの人たちが、ドレスを着た2人の撮影をしていました。
 撮影の応援や見学を、時々回しながら、撮影チームの人たちの明るい声や笑い声がほんのりと聞こえるなかで、掃除や、飾り付けを準備していました。今年成人になる2人をお祝いする気持ちに包まれて、幸せな時間でした。
 毎回の食事のときに、みつきちゃんとサリーちゃんが撮影のことなどを話してくれて、はじめは少し緊張してる様子でしたが、撮影チームのみんなが衣装を選んでくれて、撮影を盛り上げてくれることが嬉しいと、話してくれる言葉が嬉しかったです。

 お父さんの祝辞のお話を聞かせてもらって、成人をする意味や、これからどういう気持ちで生きていくかの心構えを考えることができました。
 また、みつきちゃんやサリーちゃんの謝辞から、自分もなのはなファミリーでお父さんお母さんみんなの中で立ち直らせてもらって、いまこうして生きていられること、そしてみつきちゃんやサリーちゃんのように、自分達の後に続く人の希望になるということが、どれほど大きく自分自身の支えになっているかということも、2人の言葉から改めて強く感じました。

 

 本当に利他心を持って、スケール感を地球のところに置いて、1人の社会人として自立して生きていくときに、「ロンリネス」の寂しさではなくて、「インディペンデント」、独立の気持ちで生きていく、というお父さんのお話が、とても心に残りました。
 自分が一番大事で、自分をかわいがってほしいというロンリネスの要素から、親に依存する気持ち、庇ってもらう気持ちから完全に離れたところで、利他心を持ってスケール感大きく生きていく、インディペンデントの姿勢に変わるということが、本当の意味の自立で、1人の成人として生きていくということだと思いました。
 そのような姿勢で、もたれかかることなく生きている人には、いろんな助けてくれる人が現れるということを、お父さん、お母さんが話してくださいました。
 この日のなのはなファミリー成人式も、着付けに来てくださった村上さん、河上さんをはじめとして、なのはなファミリーのみんなが利他心を持って作った式だったから、本当に感動して、心動かされるような式にすることができたと思いました。
 お父さん、お母さんがこの日話してくださったこと、みつきちゃん、サリーちゃんの華やかな振り袖姿を囲んでお祝いさせてもらったこと、自分達が成人として生きる心構えを忘れずに、これから自分ができることを考えていきます。
 みつきちゃん、サリーちゃんの成人をお祝いさせてもらえて嬉しかったです。ありがとうございます。

 

 

◆感想文メニュー◆

「優しさにつつまれた、なのはな成人式」 サリー

「なのはなに出会って」 みつき

「あるべき家族の在り方」 やよい

「本当の意味での自立を」 ゆりか

「大切な人を守れる大人に ――成人式で感じた自分の役割――」 ゆい

「2人に出会えて」 ななほ

「未来の誰かのために」 ひなの

 

 

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