【新春号⑤】「初めての頭像作り  ―― 粘土で表現する難しさを味わいながら ――」やよい

 新年を迎えての三が日三日目の午前の遊びは、粘土を使っての頭像作りでした。彫刻粘土という粘土で、鏡を見ながら自分の顔を作っていくという三が日の遊びにはなかったはじめての試みでした。

 リビングには、長机が六脚と、小さめのテーブルが一つ、机の上には、縦横およそ五センチくらいの木の台に十五センチくらいの高さの木の棒が固定されて、釘が数本等間隔につけられている、粘土作りの土台が人数分置かれていました。

 実行委員さんが、縦十五センチ、横十センチ、厚み四センチほどに切り分けられた粘土をひとり一人に配ってくれて、私も受け取り席について、粘土作りに取りかかりました。

テーマは「希望」です。希望のある表情を作る。(なんとむずかしいテーマだろうか。)と思いました。

 自分の顔を粘土で作る頭像作りがあることは事前に知っていましたが、正直なところ、自分の顔を自分で作る、しかもそれが形になるだなんて、抵抗が少なからずありました。

 お父さんは、「自分を認識するいいチャンス」と教えてくださって、(抵抗があるだなんてそんなこと言ってられない!)と思って、とりあえずはじめました。

 まずは、顔の土台作り、粘土を固まりから三分の二くらいが

っつりととって、パン生地のように少し広げて、それを木の土台の棒の布をまきつけた上にくっつけて、丸くまとめました。自分の輪郭、頬の凸凹具合などを見ながら、粘土に反映させていきます。

 次は、鼻、そして口に、目。あとで、他の作品を見させていただいたときに、リアルさを追求している人や、目がまん丸に大きかったり、アニメーションのようにチャーミングにしあがっている人など、二種類に分かれていたのかなと思うのですが、私はリアルさを追求して作ろうと思いました。

 やりはじめると、自分の顔の特徴をつかんでそれを何もないまっさらな粘土に表現していくということが楽しくって、純粋にものづくりの楽しさを感じている自分がいました。制限時間が二時間と聞いていて、二時間は長いんじゃないか、と思っていたけれど、最後十五分くらいも、急ぎながら作っていました。

 リアルさを追求しようと思うと、はじめてということもあり、難しくて、本当に似せて作ることはできなかったかもしれないけれど、周りの人ともその難しさを味わいながら一緒に作る時間が楽しかったです。そして、鏡を見つめながら、自分の顔を作っていると、(私の顔ってそんなに悪くない。)というような自己肯定感がわいてきました。自分を客観しして見ることのいい練習になりました。

 頭像作りを終え、みんなが作った作品が机の上に展示されて、一緒にリビングで作っていたみんなと他の居室で作っていた人たちのみんなの作品を見させていただきました。

 人によって、作風は異なりましたが、ほとんどの人がその人の顔の特徴をつかみ、一目見ると、その作品の前に紙に書かれてある名前を見て、思わず「ああ似てる!」といってその場にいた人と何度も笑いました。お父さんは「その人の性格が作り方に出る。」と仰っていましたが、本当にその通りだなと思いました。

 前向きで明るい人は、その前向きさが出ていたり、楽観的でユーモアのある人の作品は、その人の良さが頭像に現れていて、面白いなあと思いました。そうやって、その人の魅力が感じられる作品を作れる人って本当に凄いなあと思いました。

 私は、リアルを追求して、うまくいかなくって、ちょっと固い作品になってしまったけれど、みんなの作品を見させてもらって、遊び心をもって、ちょっとくらいデフォルメして、面白く作ってもよかったのかもしれない、と思いました。自分の「固い」ところを認識できて、もっと普段から楽観的に、心のゆとりを持って、生活していけばいいんだと思いました。

 はじめての頭像作りは、自分にとって収穫の多いお正月遊びでした。機会があればぜひもう一度チャレンジしたいです