「出世花・八朔の雪」 りんね

1月10日

*出世花・八朔の雪

 高田郁さん著書の“出世花”と、みをつくし料理帖第1巻“八朔の雪”を読んだ。
 高田郁さんの本は、ずっと探していた、求めていたような本だった。出会えて、本当によかった。

 今まではなかなか、高田郁さんの本を読むことができなかった。けれど、カズオ・イシグロさん著書の“私を離さないで”を読んだ後、どうしても優しい本を読みたくなって、読み始めることができた。
 読んでみると、思っていたよりもずっとずっと、私が求めていた本だったことが分かった。

 “出世花”の苦難の生い立ちがある主人公の少女、お縁。けれど彼女は、新しい環境で何にも縛られず、潔く身を尽くして働く。その中で、信じる人が生まれる。

 この本を読んで、まことに理解し、理解される関係とは、依存とは全くかけ離れたものであることを感じた。
 お縁と、正念の関係。恋愛ではないし、馴れ合いでもない。けれど、心の深いところで通じ合っていて、お互いをとても大切に感じている。

 最後の章では、正念は実母が亡くなる際にも会いに行かなかった。正念は実母と、17歳のときから、母が亡くなるときまで一切の関係を絶っていた。
 しかし、それは正念にとって、母親を守るための一番優しい道だった。母親もそれは理解していて、「遠くに離れれば離れるほど、守られていることを感じます」と言っている。
 私は、ああ、そういう愛情もあるのだ、と知った。愛情とは、どこまでも相手のために、一番良い関係を保つものなのだと分かった。

 また、“八朔の雪”では、どんなときも、希望ある方向へまっすぐに進む、主人公のお澪さんに力を貰った。

 高田郁さんの本を読んでいると、少し漫画を読んでいる感覚を思い出す。
 情景がすっと頭に浮かぶことや、登場人物の特徴が分かりやすいことや、一つの章ごとに起承転結があることからかもしれない。
 それにしても、日本の自然や文化も、とても大切に、美しく描き出している表現が、優しくて、すごいなあと感じる。

 読めば読むほど、心の体力が充電されるようで、嬉しい。私も、高田郁さんのような物語を、書けるようになりたいと思った。

1月12日

*桃の講習会

 昨日、図書室であんなちゃんから、桃の講習会を受けさせてもらった。
 本当に嬉しく、ありがたく、貴重な時間だった。
 桃の栽培について、1年の手入れについて、どんな作業が必要なのかということの、全てが、あんなちゃんが書いてくれた冊子に凝縮されていた。

 あんなちゃんの講義を受けて、改めて、桃は難しい作物であることを感じた。
 病害虫の防除から、ブルーシート張り、摘果、摘蕾、霜対策……。イチジクではやらなくてもよい作業が山積みだった。
 そして、防除などは天候と深く関係するので、1年のうちにやるべき日は1日しかないこともあると、教えてもらった。

 年間を通して気を抜かず、気温と、天気と、時間の中で、桃の木が一番必要としている手入れを欠かさずに行なっていくことは、強靭な心と体が必要だと感じた。
 本当に、あんなちゃんは心を尽くして、ずっとなのはなの誇り高い桃を作ってきたのだと、改めて感じた。

 また、美作台地開発において、石生の人たちが“桃”を選択し、地域で支えあって桃を作ってきた、という話も、教えてもらえて嬉しかった。
 お父さんが、桃の栽培の仕組みをよくしていきたい、という気持ちを話してくださり、すごいなあと思った。夢があり、希望があると感じた。
 みんなであんなちゃんの技術を受け継いで、みんなでよくしていけば、なのはなの桃づくりも、もっと楽しくなるとも教えていただいた。
 私も、微力ではあるが、桃づくりに役立てるよう精一杯できることを頑張りたい。